なぜ今プーチンは、予備役30万人の動員を行うのでありましょうか。

ロシア 予備役30万人動員へ 戦闘で効果発揮可能性低い指摘も、2022年9月22日 19時31分

もっとも考えられる理由は、ロシア国民の戦意高揚ではないかと思うのであります。

これについてイギリス国防省は22日「ロシアは30万人を動員するための管理や補給面で苦労する可能性が高い。今後、数か月の間、動員された兵士による新たな部隊が戦闘で効果を発揮する可能性は低いだろう」と分析しました。

(中略)

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」も21日の分析で「ロシアの部分的な動員は、今後、数か月の間、戦いの方向性に実質的な影響を与えないだろう」と指摘しています。
ロシア 予備役30万人動員へ 戦闘で効果発揮可能性低い指摘も、2022年9月22日 19時31分

上掲の記事の中で指摘されております通り、動員による戦力補強の効果はほとんど見込めないのであります。

にもかかわらず、今動員をかけるのはなぜなのか。

開戦以来半年がすぎ、ウクライナの予想外の激しい反撃を前に、いまだはかばかしい戦果が得られないために、前線の兵士だけではなく国民全体の著しい戦意の低下があるのではあるまいか。

これに対して、30万人といえども動員による戦争当事者に仕立て上げることで、家族を含めて、戦意を戦場に繋ぎとめることを、プーチンは目論んでいるのではないかと思うのであります。

しかしながら、この目論見は真逆の結果を招くことになるのではないかと、KAIは考えるのであります。

それは、今回の動員に応じなければ、懲役10年の刑が科せられるために、いやいや戦地に赴くことになるからであります。家族もまた同様であります。

プーチンの目論見とは逆に、この動員で、一部の国民の中に、厭戦気分が拡散されることになると思うのであります。

さらには、動員した兵士が戦力になるより前に、ウクライナは奪われた領土を奪還し、ロシア軍のさらなる撤退が、厭戦気分に拍車をかけることになるのであります。

万が一、ロシア軍がウクライナから完全撤退に追い込まれた暁には、プーチンは相当苦しい立場に追い込まれることになるのであります。

自ら退任するか、クーデターで追い出されるか、いずれにせよ急速に求心力を失うのであります。

ここ2、3カ月で、大勢が決することになるのではないかと思うのであります。 KAI

とうとう半年がたってしまったのであります。

更に、たとえもし東部州の一部の完全制圧できたとしても、ゼレンスキーがロシア側からの停戦を受け入れるはずもないのであります。

ゼレンスキー政権にとって、欧米からの軍事支援によって、今後ますますロシア軍への反撃を強めていく体制にあり、停戦などまったくもって頭の隅にもないのであります。

すべてのロシア軍をウクライナ領から追い出すまで、ゼレンスキーは戦い続けるのであります。

もちろんこれはクリミアも含めてでありますが、クリミアからロシアを追い出す口実を、今回は結果的に与えることとなったのであります。
ロシアの歴史的愚挙に思う(3)、投稿日:2022年5月15日

前回書きました通りなのであります。クリミアも含めてウクライナの領土からロシアを追い出すまで、ゼレンスキーは戦い続けるのであります。

では、この戦いはいつまで続くのでありましょうか。

考えられるパターンは2つあるのであります。

その一つが、今後2、3か月以内の終結なのであります。

一部報道によりますならば、今後兵站が途絶えることによるロシアの戦力がもたない可能性が指摘されているのであります。その場合、ロシアにはウクライナからの全面撤退しか残されていないのであります。

ロシアによるウクライナ侵攻で、ウクライナ軍参謀本部は28日、東部ドネツク州の3方面で露軍の前進を撃退したと発表した。露軍は全域の制圧を目指す同州で過去1カ月半以上、目立った前進を遂げられていない。同参謀本部はまた、南部ヘルソン州でも10人規模の露軍部隊が前進を試みたと発表した。米シンクタンク「戦争研究所」は27日付リポートで、10人規模の部隊では攻勢には不十分で、露軍の戦闘能力の劣化を示唆していると指摘した。

同参謀本部によると、ドネツク州で前進を阻止したのは、中心都市スラビャンスク方面や要衝バフムト方面など。露軍は各方面で砲撃を続け、地上部隊を前進させようとしたが、反撃を受け撤退したとした。ヘルソン州では奪還を目指すウクライナ軍が露軍弾薬庫などの兵站(へいたん)破壊を進めており、露軍の戦力低下が指摘されてきた。

戦況の膠着(こうちゃく)について、ショイグ露国防相は24日、「民間人の被害を避けるため、意図的に攻勢の速度を落としている」などと主張。しかし英国防省は「要因は露軍の能力の貧弱さとウクライナ軍の反攻であり、ショイグ氏の発言は虚偽だ」と指摘している。
露軍部隊が10人規模で攻勢、米は戦力劣化を指摘 ウクライナ戦線膠着、2022/8/28 20:17

プーチンがこの現実を受け入れるかは別にするといたしまして、事実上ロシアの敗北となるのであります。

前回言及いたしました通り、この期に及んで、プーチンの核使用への懸念はまるで消えてはいないのでありますが、核使用は、別次元の問題となるのでありますので、今回はあえてお話から除外させていただくのであります。

さて、今後を占う2番目のパターンなのであります。

それは、戦争の長期化であります。

長期化がいつまで続くのか。これを考える上で重要となると思われますのが、長期化の末、いかなる終結を迎えることになるのか。この結末の「姿」によって、長期化の様相が見えてくるのであります。

まず、ウクライナの完全勝利であります。

恐らくこれには、数年要することになるのであります。

もちろん、ロシア軍が完全撤退するのでありますが、要因はロシア軍の戦力の問題ではなく、ロシアの経済および財政と言う国内問題が、のっぴきならない状況に陥るからであります。欧米による、ロシアに対する金融、経済制裁の効果が、ようやくあらわれることになるのであります。

次に考えられますのが、戦争状態の恒常化であります。

この可能性がきわめて高いと思われますのが、イスラエルパレスチナ問題であります。この問題の本質は、武力による解決の放棄にあるのであります。

どういうことかと申し上げますならば、ウクライナとロシアが互いににらみ合い、膠着状態に至るってことであります。

もちろんこの問題の解決に導くのは、国際社会による制裁以外ないのであります。しかしながら中国をはじめとしたロシアへの制裁に協力を否定する国々の存在であります。

KAIが考えるこの状況を打開するきっかけとなると思われますのが、もう一つの世界の重要問題である台湾問題であるのであります。

詳細の言及は控えさせていただくといたしまして、ロシアの息を止めるのは、中国。

これから数年以内に起きるであろう、継続するウクライナ戦争さなかに勃発する台湾問題であります。この紛争で恐らく米国に敗退した中国は米国の要求に従わざるを得なくなり、結果ロシアへ引導を渡すことになるのであります。

はたして、いかなることになりますやら。 KAI

予想通りの結果となったのであります。

改選(非改選・公示前)6/23松田馨(増減)6/26KAI(増減)7/10結果(増減)(予想差異)
自民 55(55・110)→61(+6)→63(+8)→63(+8)(+-0)
公明 14(14・28)→14(+-0)→14(+-0)→13(-1)(-1)
立民 23(22・45)→21(-2)→20(-3)→17(-6)(-3)
国民 7(5・12)→4(-3)→4(-3)→5(-2)(+1)
共産 6(7・13)→4(-2)→4(-2)→4(-2)(+-0)
維新 6(9・15)→12(+6)→13(+7)→12(+6)(-1)
社民 1(0・1)→0(-1)→0(-1)→1(+-0)(+1)
れいわ 0(2・2)→3(+3)→1(+1)→3(+3)(+2)
NHK 0(1・1)→0(+-0)→0(+-0)→1(+1)(+1)
参政 0(0・0)→1(+1)→0(+-0)→1(+1)(+1)
諸派無所属 8(8・16)→5(-3)→6(-2)→5(-3)(-1)
合計 120(123・243)→125(+5)→125(+5)→125(+5)
(参考6/23松田馨参院選2022議席予測!議席を伸ばす党はどこ?選挙プランナーの予測を解説!選挙ドットコムちゃんねるまとめ、2022/6/23 19:30

見事自民党の63議席(8議席増)、共産党の4議席(2議席減)、的中であります。

予想差異プラスマイナス1を含めると、9勝2敗と言う好成績の結果に終わったのであります。

2敗の内の立民でありますが、KAIの予想マイナス3をはるかに上回り、結果マイナス6議席と、激しく退潮を示す結果と、相成ったのであります。

2敗のもう一つが、れいわ。れいわもNHKも参政も、KAIの予想に反した議席を獲得したのであります。

確かにこれらの政党の支持者について、KAIは見誤ったようでありますが、いまはただ興味の埒外と申し上げるに留めるのであります。

さて、今後についてであります。

ポイントは2つ。大勝した自民党がどこまで改憲議論を進められるか、そしてもう一つが維新の役割についてなのであります。

前者のカギを握るのが、公明党の存在なのであります。

KAIに言わせますならば、公明党は与党でいるために改憲を装っているだけで、決して積極的に改憲など考えてはいないのであります。

岸田首相が、これをどう扱うかに憲法論議の行方はかかっていると言うことなのであります。すなわち二者択一であります。しかしながら、どちらをとるか、その答えは自ずと見えていると言わざるを得ないのであります。

そして、維新の役割についてであります。

昨年の衆院選で大きく議席を増やしたのに続き、参院選でも議席を増やし、野党第一党にはまだ及ばないものの、着々と議席を伸ばしているのであります。

これが意味することは重大なのであります。

つまり、これまでの野党はただただ反対するだけの野党であったのが、是々非々の維新が力を持つことで、あらゆる法案に維新の意見を通すことができるようになると言うことであります。

すなわち、次々と野党に配慮した修正案が成立することによって、国会議論が活性化され、有権者の意識が国会へと大きく流れを変える、そんな起爆剤になると、KAIは考えているのであります。

最後に、安倍晋三元総理、ほんとにお疲れ様でした。ほんとにありがとうございました。やすらかにお眠りください。 KAI

3年ぶりの参議院選挙であります。

3年前の選挙結果は、以下のエントリーをご覧いただきたいのでありますが、自民党が大敗する結果となったのであります。

さて(暇なので)参議院選挙の予想でもしますか(3)、投稿日:2019年7月22日

さて、今回はいかなることになりますやら、選挙ドットコムの記事に掲載されております松田馨氏の予測を基に、KAIの大胆予想を試みたいと思うのであります。

ポイントは、3年前と打って変わって、自民党の復調と立憲共産の退潮なのであります。

改選(非改選・公示前)6/23松田馨(増減)6/26KAI(増減)
自民 55(55・110)→61(+6)→63(+8)
公明 14(14・28)→14(+-0)→14(+-0)
立民 23(22・45)→21(-2)→20(-3)
国民 7(5・12)→4(-3)→4(-3)
共産 6(7・13)→4(-2)→4(-2)
維新 6(9・15)→12(+6)→13(+7)
社民 1(0・1)→0(-1)→0(-1)
れいわ 0(2・2)→3(+3)→1(+1)
NHK 0(1・1)→0(+-0)→0(+-0)
参政 0(0・0)→1(+1)→0(+-0)
諸派無所属 8(8・16)→5(-3)→6(-2)
合計 120(123・243)→125(+5)→125(+5)
(参考6/23松田馨参院選2022議席予測!議席を伸ばす党はどこ?選挙プランナーの予測を解説!選挙ドットコムちゃんねるまとめ、2022/6/23 19:30

まずは、自民党であります。

松田氏は、6議席増の61議席の予測なのでありますが、KAIはこれにプラス2議席、63議席を予想するのであります。

この理由は、簡単なのであります。

それは、公示前議席数120から、改選議席数が5議席増えて、125議席になっているからであります。

つまり、増えた5議席は、後述します維新と自民に案分されると、KAIは考えるのであります。

すなわち、増えた議席数は、すべて議席数を増やす党に振り分けられると言うのが、当然と言えば当然であるのであります。

続いて、立憲共産であります。

なぜ立憲共産が退潮とKAIが考えるかと申しますと、ここであえてデータを示さないのでありますが、このところの立憲共産の著しい支持率の低下なのであります。

替わって野党第一党に躍り出ましたのが、維新であったのであります。

このところの、反維新勢力による、Twitterなどによる反維新のプロパガンダが凄まじいのも、まさにこの維新の支持率躍進を意識してのものだったのであります。

この支持率の大きな変動の結果、立憲共産は大きく議席数を減らし、維新は議席数を大きく増やすと、KAIは考えるのであります。

と言うことで、維新であります。

前掲の選挙ドットコムの記事の中に、一部維新関係者のウクライナ問題に関する発言が維新の議席数に影響を与えるとの見方があるのでありますが、KAIは影響しないと考えるのであります。

その理由は、これも簡単であります。

それは、今回の参院選において、維新に替わる政党が、他に一つも存在しないからであります。

結果、維新は、今の支持率相応の議席を獲得すると、KAIは考えるのであります。

その他新党に対しては、全くもってKAIは否定的であります。

新党に投票するのは基本的に無党派層であります。

新党は、無党派層が今の政党に失望しなぜ既存政党を支持しないか、この理由を、理解していない。でありますから、決して新党は、無党派層から票を獲得することはないと、KAIは考えるのであります。

はてさていかがなりますやら。 KAI

はたしてプーチンは核を使用するのでありましょうか。

そして、ウクライナ戦争の行方は今後いかなることになるのでありましょうか。

今回はこの二つの問題について考えてみたいと思うのであります。

そこであらためて、ロシアがこの戦争を始めるにあたって何を考えていたのか、これを考えてみますと、以下のプランAとプランBが想定されるのであります。

■プランA
ゼレンスキー政権を倒してウクライナを実効支配する。

■プランB
プランAが失敗した場合、東部州を制圧し、ウクライナとの停戦に持ち込む。その後東部州をロシアに併合する。

この二つのプランの内、プランAは大失敗したのであります。

現在は、プランBが進行中と言うことなのでありますが、一部東部州の制圧に成功しているかの報道がある一方、ウクライナ軍も激しく反撃し、状況は必ずしも東部州の完全制圧には至ってはいないと言うのが真相ではないかと思うのであります。

更に、たとえもし東部州の一部の完全制圧できたとしても、ゼレンスキーがロシア側からの停戦を受け入れるはずもないのであります。

ゼレンスキー政権にとって、欧米からの軍事支援によって、今後ますますロシア軍への反撃を強めていく体制にあり、停戦などまったくもって頭の隅にもないのであります。

すべてのロシア軍をウクライナ領から追い出すまで、ゼレンスキーは戦い続けるのであります。

もちろんこれはクリミアも含めてでありますが、クリミアからロシアを追い出す口実を、今回は結果的に与えることとなったのであります。

このウクライナのロシアを追い出すまでの反撃がいつまで続くのか、これが今後の展開を考える上で重要になってくるのであります。

プーチンがこのまま黙ってウクライナからの撤退を受け入れることができるのか。

ここで問題となりますのが、プーチンの核使用であります。

この問題について、以下、二つの記事をご紹介したいのであります。

 【ジュネーブ=森井雄一】核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のベアトリス・フィン事務局長が6日、読売新聞のインタビューに応じ、ロシアのウクライナ侵攻を巡る核兵器の使用について「(第2次世界大戦後)最も危険な状態にある」と懸念を示した。

 プーチン露大統領が核戦力を念頭に置いた発言を繰り返している状況について、偽情報やサイバー攻撃などをきっかけとして一気に不測の事態に発展する可能性があると指摘。「核兵器が使用されるリスクが高まっている。非常に深刻だ」と述べた。

 露軍の苦戦を受けてプーチン大統領が戦術核を使う可能性については、「ロシアの戦術核は小さなものでも、広島に投下された原爆と同程度だ。人口密集地で使用されると壊滅的だ」と警鐘を鳴らした。

 核使用をちらつかせて脅迫しているロシアに対し、フィン氏は「国際社会における立場を自ら破壊した。もはや核兵器を保持したままのロシアを信用することはできない」と批判した。その上で、「ロシアは核軍縮なしで国際社会に復帰すべきではない」と述べ、欧米や日本が科す経済制裁を解除する際にも、核軍縮を条件にすべきだとの考えも示した。
(後略)
ロシアの核「使用リスクが高い」「一気に不測の事態も」…ICAN事務局長、2022/05/08 12:0
また、プーチン大統領が核兵器の使用も辞さない構えを見せていることについて「われわれは真剣に受け止めなければならない。通常兵器が使われている戦場で、ロシアが核兵器を使うことは起こりうる」と述べ、警鐘を鳴らしました。

そして、プーチン大統領は何年も前から核兵器の使用に言及し、脅すことで欧米の行動を抑止しようとしてきたと指摘したうえで「欧米諸国は今、ウクライナでの行動をほぼ完全に抑え込まれてしまっている。われわれが『ウクライナに入って戦わない』とか『これもしない、あれもしない』と言っているのはすべて、プーチン氏による核兵器の使用を恐れているからだ」と述べました。

そのうえで「相手に主導権を握られ、その対応に追われるのではなく、自分たちが主導権を握り、相手に対応を強いるべきだ。懸念すべきことは第3次世界大戦ではなく、犯罪的な指導者が率いる『ならず者国家』をいかに阻止するのかということだ」と述べ、欧米が脅しに屈せず、より強い行動をとるべきだと強調しました。
NATO元最高司令官「すでにわれわれは第3次世界大戦のさなか」、2022年5月9日 9時08分

この二つの記事にもありますように、プーチンは核を使用する可能性が極めて高いのであります。

そしてそのタイミングは、ロシアがウクライナから撤退以外ない状況に追い込まれたときではないかと考えるのであります。

すなわち、そのタイミングでの核ミサイルによる首都キーウのゼレンスキー暗殺なのであります。

プーチンが考えるプランCであります。

■プランC
首都キーウを廃墟にすることで、占拠する東部州のひとつを首都とする。ウクライナ軍の反撃はゼレンスキーの死去により鎮静化し、東部州の完全制圧を続けることができる。

いやいやいや。

たとえゼレンスキーがいなくなったとしても、今のウクライナ軍の士気が衰えることはあり得ないし、必ず第2、第3のゼレンスキーが現れ、ロシアへの抵抗を続けることは間違いないのであります。

そしてプーチンの核使用と言う暴挙に対する欧米の反応であります。

一番考えられるのは、NATO軍によるモスクワミサイル警告であります。ロシアが直ちにウクライナから撤退しない限り、何月何日未明モスクワを複数基地からミサイル攻撃する、という警告であります。

まさに第三次世界大戦であります。

この暴挙を止めることが、はたしてできるのでありましょうか。

このキーポイントとなりますのが、ロシアの盟友ベラルーシ大統領の以下の発言なのであります。

ベラルーシ大統領がロシアの核兵器使用について容認できないと述べた。核兵器の使用について聞かれた際、недопустимо【容認できない】が3回出てきました。
よほど焦ってるんだと感じました。
Президент Белоруссии считает, что применение ядерного оружия на Украине может «сорвать наш земной шарик», который «улетит неизвестно куда». При этом он выразил мнение, что Путин не хочет глобального столкновения с НАТО
http://amp.gs/jldNg
Twitter、РБК@ru_rbc、午後10:00 ー 2022年5月5日
Twitter、青柳敬@kei1380、午前10:00 ー 2022年5月6日
盟友ベラルーシ大統領の言葉さえに聞く耳を持たぬとなりますれば、もはやプーチンは認知症を発症しているとしか考えられないのであります。

ただただ最悪の事態にならんことを願うばかりなのであります。 KAI

今回は、ナショナルジオグラフィック日本版サイトに掲載されました、コロナ後遺症に関する秀逸な記事のご紹介であります。

以下引用であります。

 3日半も熱とせきで寝込んだエレナ・カッツァップさんは、新型コロナウイルス感染症から回復したものだと思っていた。米ロサンゼルスに住む作家で教師の彼女は、2022年1月末に感染したが、幸いにも軽症で済んだ。呼吸困難の症状や入院の必要はなく、数日で回復した。

「『元気になって本当によかった』と口にしたことを覚えています」とカッツァップさんは言う。「その翌日に突然、症状が出たのですが、始まりは吐き気や腹痛、奇妙な物忘れだったので、一体どういうことなのかわかりませんでした」

 カッツァップさんはその日以来、集中力の欠如を伴う急性の記憶喪失を経験している。会話の途中で頭が真っ白になったり、言葉が出なくなったりする。「肉体的な苦痛はないけれど、とてもイライラします」と彼女は嘆く。

・・・

続きはこちらをご覧いただきたいのであります。

めまい、混乱、言葉が出ない…コロナは軽症でも認知力低下の恐れ 脳に10年分の老化に相当する変化を起こす可能性、英国の脳スキャン調査、2022.04.19

 KAI

ロシアのウクライナへの軍事侵略が続いているのであります。ここでみなさまにはぜひともお気づきいただきたいのが、今回のロシアの暴挙は領土「侵略」であって、決して「侵攻」などと呼べるものではないのであります。

しん‐りゃく【侵略/侵×掠】
[名](スル)他国に攻め入って土地や財物を奪い取ること。武力によって、他国の主権を侵害すること。「隣国を—する」「—戦争」
Weblio 辞書、しん‐りゃく【侵略/侵×掠】
しん‐こう【侵攻】
[名](スル)他国や他の領地に攻め込むこと。「内乱に乗じて敵本土に侵攻する」
Weblio 辞書、しん‐こう【侵攻】
侵略と侵攻、この違いこそが、今回の戦争の本質なのであります。

すなわち、今回のロシアの目的は、決して日本の大半のメディアが報じる軍事侵攻などと言うあいまいなものでは決してなく、軍事侵略そのものであったのであります。

つまり、ロシアは、ウクライナの領土を略奪することを目的とした戦争であったのであります。

それを裏付ける報道があるのであります。

ロシアは、ウクライナ東部に軍事作戦の重点を置く方針を示しました。東部は親ロシア派の武装勢力が影響力を持つ地域で、ウクライナ軍の激しい抵抗を前に、方針転換を迫られたという見方も出ています。

もともとロシアはどういうシナリオを描いていたのか?

その手がかりになるのが、軍事侵攻開始のわずか2日後に国営の通信社が配信し、直後に削除した記事です。
「ウクライナは戻ってきた」と、まるで早々にロシアの勝利が決まったかのような内容。「誤配信」とみられる記事が伝えていた、ロシアが理想としていた筋書きとは?
【詳しく】思っていたのと違う?誤配信に見るロシアの誤算、2022年3月29日 16時28分

「ウクライナは戻ってきた」とは、ロシアによるウクライナ併合を意味するのであります。

もちろん2日でそれが実現するわけでもないのでありますが、ウクライナの政権奪取を端緒としていたことはまず間違いないのであります。

ところが、この当初の目的、略奪、すなわちウクライナ併合が、もののみごとに失敗に終わろうとしているのであります。

今回のこの戦争に関して、橋下氏をはじめ停戦に向けた様々な議論が交わされているのでありますが、このさまざまな議論のすべてに決定的に欠けているのが、このロシアのウクライナ併合なる当初の目的であるのであります。

ロシアとして、長期戦を覚悟としても、ウクライナ併合は実現できないと判断すれば、停戦に至るあらゆる議論の中に、停戦条件の選択肢は、実ではなく名を取るしかないのであります。

その「名」が、いかなるものになるのか、ここは専門家のみなさまにおまかせするのでありますが、ここに決定的影響を与えると思われる出来事があるのであります。

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を巡り、プーチン政権の意向に沿った報道を続けているロシア国営テレビで、ニュース番組の放送中に突然、職員の女性がスタジオで反戦を訴えました。
言論統制が強まる中、国営メディアから政権批判の声があがった形で、反響が広がっています。

ロシア国営の「第1チャンネル」で14日、午後9時の看板ニュース番組「ブレーミャ」で、キャスターが、欧米による経済制裁についてのニュースを伝えていたところ、手書きの文字が書かれた紙を持った女性が突然スタジオに入ってきました。

紙には「戦争反対」という英語とともにロシア語で「戦争をやめて。プロパガンダを信じないで。あなたはだまされている」と書かれていました。

女性が「戦争をやめて」と繰り返し叫んでいたところ、放送は突然、別の映像に切り替わりました。

ロシアのメディアによりますと、女性はこのテレビ局で編集担当者として働くマリーナ・オフシャンニコワさんで、このあと警察に拘束され、公共の場で軍事行動の中止を呼びかけることなどを禁止した法律に違反した疑いで取り調べを受けているということです。

オフシャンニコワさんは、事前に収録していたビデオメッセージをSNSに投稿していて、父親がウクライナ人、母親がロシア人だと明かしながら、「今、ウクライナで起きていることは犯罪だ」と述べ、プーチン大統領を非難しました。

プーチン政権は、軍事侵攻に反対する声がロシア国内で高まっていることに神経をとがらせ、法律を改正するなどして言論統制を強めています。

こうした中で政権の意向に沿った国営テレビの放送の最中に図らずも反戦を訴えるメッセージが伝えられたことに対して、SNS上ではロシア国内からも賛同したり応援したりするメッセージが相次ぐなど、反響が広がっています。

【全文】SNS事前投稿メッセージ

1分10秒ほどのビデオメッセージの全文です。

「いまウクライナで起きていることは犯罪だ。そしてロシアは侵略者だ。侵略の責任は、ただ1人の道義的な部分にかかっていてそれはプーチン大統領だ。私の父はウクライナ人、母はロシア人で、敵対したことは1度もない。私の首にかかるネックレスはロシアがこの同胞を殺し合う戦争を直ちに止めなければならないという象徴だ。兄弟国である私たちはまだ和解できるはずだ。残念ながら私は過去何年もの間、『第1チャンネル』でクレムリンのプロパガンダを広め、今はそれをとても恥じている。テレビ画面を通してうそを伝えることを許してきた自分を恥じている。ロシアの国民がだまされるのを許してきたことを恥じている。すべてが始まった2014年、クレムリンがナワリヌイ氏を毒殺しかけたとき、私たちは抗議集会に行かず、この非人間的な政権をただ黙って見ていた。そして今、世界中が私たちに背を向けている。今後10世代にわたる子孫はこの同胞による戦争の恥を洗い流すことはできまい。私たちは思考力があり、賢いロシア人だ。この暴挙を止めるには、私たちの力しかない。抗議集会に加わってほしい。当局は全員を拘束することなどできず、何も怖がることはない」
【詳報】ロシア国営テレビ職員 放送中に突然「反戦」訴え、2022年3月15日 19時28分

そうです、マリーナ・オフシャンニコワさんの、死を覚悟した政府への反旗であったのであります。

もちろん彼女は拘束され、拘留されると思いきや、釈放され、テレビ局を退職したものの、米国テレビ局の取材に応じるなど、いまなお情報を発信し続けているのであります。

これこそがヒントになるのであります。

プーチンにとって、この戦争の「実」である、ウクライナ併合が実現できる見通しがたたない以上、停戦の条件となる「名」とは、いかなるものになるのか、これこそが問題となるのであります。

それは、ロシア国民の納得以外にはないのであります。

戦争前夜、ロシア国民に対して、プーチンは様々なプロパガンダ情報を発信し、この戦争が正当なるものであることを訴えていたのであります。

このことごとくが偽情報であったことを、マリーナ・オフシャンニコワさんは暴露したのであります。

この状況において、プーチンが取る停戦の条件とは、ウクライナからの撤退ではなく、東部占領地域の長期駐留以外ないのであります。

そして、ロシア国民に対して、ウクライナを「正常化」するまで我々は駐留を続けると宣言するのであります。

さてさて、これがいかなることになるのか。

ウクライナ国民は苦しみ続け、ロシア国民も、経済制裁で苦しみ続け、この限度となるのがロシア国民の爆発なのであります。

やがてプーチンは、ロシア国民に対して、ウクライナからの撤退を宣言せざるを得なくなるのは、まず間違いないのであります。

プーチンの敗北となるのは明らかなのであります。

それにしてもこの多くの犠牲者は一体なんだったのでありましょうか。

ただただプーチンの歴史的愚挙を、糾弾し続ける他はないのであります。 KAI

ロシアのウクライナ侵略問題、今回は、一部のプーチンシンパを除いて、この問題の専門家を含めまして、ロシア非難一色なのであります。

でありますから、あえてここではそれらのご意見は取り上げないのであります。

KAIが取り上げたいと思いますのが、このツイートなのであります。

日本政府は、ウクライナ🇺🇦支援を明確にすべし。
日本政府は、プーチンを追い詰めるために米欧と共に徹底的な金融制裁を断行すべし。
日本政府は、今回の行動(不作為も!)が将来の東アジア危機の時にそのまま跳ね返ってくる事を肝に銘ずべし。
日本政府は、積極的に行動し国民に必要性を説明すべし。
Twitter、長島昭久🇯🇵💙💛東京18区(府中、小金井、武蔵野市)@nagashima21、午前11:51 - 2022年2月27日
そうなのであります。日本が将来ウクライナと同じ状況、つまり中国の侵略を受けたとき、いまのような日本政府の曖昧な態度であったならば、決して他国からの国際的支援を受けることはできないのであります。

と言うことで、遅きに失するのではありますが、日本政府が欧米のロシア制裁に同調を表明したことは、かろうじてこれを回避できたと思うのであります。

かように、国家を含め、人間がとるべき態度の表明とは、その時点だけでの問題ではなく、将来の未来の問題解決に大きく影響を与えることを、肝に銘ずるべきお話であったのであります。

ウクライナに幸あらんことを。 KAI

3年目もまた、パンデミックの年明けとなったのであります。

そして、3年目に至ってもなお、「ただの風邪」なる風説を流す愚か者が後を絶たないのであります。

コロナに関して、ぼくが最も信頼している木村盛世さん(医師、元厚生労働省医系技官)にオミクロンについて聞くと、ひと言。「ただのカゼでしょ」
なのに、今週も各誌、オミクロン、オミクロン。
『週刊文春』(1月20日号)「海外最新データで判明 オミクロンの正体」
『週刊新潮』(1月20日号)「『重症化しない』は高齢者・持病もちにも言えるのか 正しく警戒『オミクロン』対処法」
『ニューズウィーク日本版』(1・18)「新型コロナが『ただの風邪』になる日」(表紙は「コロナの最終章?」)
〝コロナ怖い派〟の『文春』でさえ、〈イギリスは年明けに新規感染者数が二十万人を突破。だが死者数は約五十人(一月四日)だ。日本も連日千人前後の新規感染者が出ている沖縄の重症者数はゼロ(一月十日時点)〉
では感染者はどこまで増えるのか。
『新潮』、名古屋工業大学先端医用物理・情報工学研究センター長、平田晃正教授によると、
〈「以前の予測より2週間ほど早まって2月上旬、感染者数は少なく見積もっても5000人に達するのではないでしょうか」〉
沖縄、北部地区医師会病院の田里(たさと)大輔医師(呼吸器・感染症科)は感染者急増に備えて、隔離するための宿泊施設を増やす必要があると警告。
その沖縄でも〈感染者のうち無症状者と軽症者が92%を超える(中略)人工呼吸器の装着者はゼロ〉だという。
やっぱり「ただのカゼ」だ。
『ニューズウィーク日本版』も慎重な言い回しながら、
〈オミクロンは、新型コロナウイルスの最後の変異株にはならないが、最後の「懸念される変異株」になる可能性はある〉
「ただのカゼ」にしたって、高齢者や基礎疾患を持っている人が十分注意すべきなのは言うまでもあるまい。
『週刊朝日』(1・21)は「まるっと一冊パンダだらけ」で表紙、グラビア6ページ、本文11ページの大特集。
ま、かわいいからいいか。
花田紀凱の週刊誌ウォッチング(856)オミクロン狂騒曲、「ただのカゼ」では、2022/1/16 09:00
「ただのカゼ」で、こんな病床使用率(沖縄県65%(416床使用/640床:1月26日時点))になるわけないのであります。

まさか花田氏は、コロナに感染しても重症者以外入院治療は必要ないとでも思っているのではありますまいか。

ツイッター上でも多くの方々が、「ただのカゼ」に反論を寄せているのであります。

コロナは風邪派の人が案の定「どこが医療逼迫してるんだ」と言ってきてるんですが、そう言う人たちみんななぜか重症者数と死亡者数の数しか出さず、入院数には一切触れないんですよね。いくら重症者数少ないからって、酸素が必要な入院患者が増えれば逼迫はしますよ?
Twitter、EARLのコロナツイート@EARL_COVID19_tw、午後0:20 - 2022年1月25日
この2年間はまさにこの、コロナは風邪、コロナはインフルと同じなどとの風説を垂れ流す愚か者たちとの戦いであったのであります。

これが、ここにきてオミクロン株の爆発的流行とともに風邪派やインフル派が、息を吹き返してきたのであります。

このオミクロン株を甘く見てはいけないとの秀逸な記事を見つけましたので、ご紹介したいのであります。(長文全文引用になりますが、yahooの記事は時間がたつと消去されますので、ご容赦願います)

オミクロンが「弱毒株」であるがゆえに「自然のワクチンになって」パンデミックの出口に至るという楽観論が世界あちこちで広まっており、日本にも到達したようです。これは科学的には根拠のない話ですが、実際のところどうなのでしょう。よくみうけられる疑問を検討してみます。

1)オミクロンは「弱毒株」だから感染しても大丈夫?

オミクロンが「軽症」ですむ場合にはワクチンの効果による部分が大きいです。ウイルス自体の病原性もデルタに比べると「低い」ですが、これは限定的で独特のニュアンスがあります。

というのは、オミクロン感染では、人工呼吸器を必要とするタイプの重症化率はある程度低下している一方で、入院治療が必要になる程度の重症化率は、とくにワクチンをしていない人や、2回目接種から長い時間がたっている人のあいだではそれほど下がらないようです。

このため、集中治療室よりも一般病棟における医療逼迫が英国などでも問題になっています。

重要な点として、オミクロンによる重症化率は特に若年者でより低くなる傾向がありますが、高齢者や持病のある人ではオミクロンでも(デルタと比べて)それほどは重症化率が減ってくれていません。ですから、コロナで重症化しやすいひとは、オミクロンでも同様に危険があるので、感染予防やブースター接種で身を守る必要があります。

オミクロンはデルタとよく比較されますが、そもそもデルタが従来株より病原性が高い変異株であることは注意が必要です。

また、軽症〜中等症のコロナ感染後にもコロナ後遺症がありえることも問題です。コロナ後遺症は治癒後ある程度(たとえば12週間以上)つづく症状で規定されるもので、医学的にはさまざまな異なった状態があると考えられます。オミクロンでどの程度コロナ後遺症が起こるのかについてはまだ未確定です。また、心筋炎といった、呼吸障害以外の合併症がオミクロンでどの程度起こるかについてもまだ不明です。

オミクロンでも、感染しないで済むならば感染しないに越したことはない、といえます。

2)オミクロンで免疫ができれば他のコロナにかからなくなってパンデミックが終わる?

オミクロンは免疫逃避型変異株として、(デルタなどに一度かかったひとが)再感染したり、ワクチンを2回接種したのに感染すること(=ブレイクスルー感染)が普通におきてしまいます。

オミクロンには、既存のワクチンでできる抗体がウイルスにくっつきにくくなるような変異がいくつもはいっています。このため、ワクチンでできた抗体がウイルスの感染をうまく防御できなくて、症状がでたり、一部のひとは症状がきつくなり入院治療が必要になります。従来株やデルタの感染でできる抗体や、ワクチン接種で誘導される抗体ではオミクロンに対する効果は数割程度効果が落ちています。

しかも、そもそも、コロナの自然感染でできる免疫では治癒後、数ヶ月単位で急速に抗体価が下がってしまいます。ワクチンのほうがより安定な免疫になりますが、とくに高齢者では半年ほどでワクチンの効果が(接種直後の)半減してしまいます。

ここで科学的に重要なのは、オミクロンとそのほかの変異株(デルタ、アルファなど)は免疫学的に(とくに抗体という観点から)とても違うということです。

デルタでできる免疫からオミクロンは逃避するので、デルタ感染したことがある人にも簡単に感染できてしまいます。

この逆もまた理論的には考えられます。

オミクロンに感染することで人体がつくる抗体は、デルタなどほかの変異株には効きが悪いという可能性が十分にあります。実験による検討が必要ですが(現在なされていると思われますが)注意すべき可能性です。

そして、次の変異株は、オミクロンともデルタとも異なるタイプの免疫学的特性をもつ変異株が問題になる可能性もまた十分にあります。

なお、オミクロンに感染した場合、オミクロンに対する免疫が特異的に誘導されるので、治癒直後にはオミクロンに再感染しにくいと考えられます。

3)オミクロンでT細胞免疫が誘導されて長期免疫ができてパンデミックが終わる?

自然にコロナに感染することでできる抗体は半年以内に相当減弱します。また記憶T細胞の数も数ヶ月単位で半減していきます。抗体をつくるB細胞とT細胞は助け合う関係で、これらが急速に減少してしまう以上、オミクロンであっても同様に、自然に感染してできる免疫の持続はそう長くないだろうと考えられます。

ワクチン接種は(自然感染よりも)安定した抗体とT細胞免疫を誘導できるので、オミクロンによる重症化回避のうえでも有効です。しかしそれでもワクチンで誘導される免疫は半年単位で減弱してしまいます。高齢者などコロナ感染でリスクが高い人ほど免疫は不安定になりがちなので、ブースター接種が重要になります。

ワクチンの繰り返し接種や自然感染で、だんだん「T細胞免疫が強くなっていく」と楽観的に考える人もいます。これもそうあってほしい話ですが、科学的にはそれほど強いデータが存在しません。T細胞免疫は一般の医療機関では測定が難しいゆえ、そして実験的に測定がきちんとできて確認できないものに頼って判断するわけにはいきません。それゆえに、現実世界での病院のデータや疫学データを注意して見守る必要性が依然あるわけです。

少し長期的な展望を書くと、T細胞免疫を安定かつ長期に維持できるようなワクチンの開発が望まれています。しかしこれにはまだしばらく時間がかかりそうです。

4)オミクロンがデルタを駆逐してパンデミックが終わる?

これは「そうであれば良いな」と思う夢のような話ですが、残念ながら変異株の発生は終わらないという事実は(オミクロンが出現したからといって)変わりません。

デルタの病原性が高い以上、せめてオミクロンがデルタだけでも駆逐してくれればと願うものです。しかしながら、オミクロンがほかの変異株とは免疫的な性質がとても違うことから、オミクロン感染でできる免疫は(特に抗体の免疫については)デルタなど他の変異株に対してはそれほど期待ができません。

デルタもオミクロンほどではないにしろ感染しやすい変異株であるということからも、デルタを駆逐しきれずにオミクロンとデルタが交互に流行するというシナリオもあります。

さらに可能性が高いのは、デルタでもオミクロンでもない新しい変異株が半年〜1年後に世界のどこかから出現して再び大流行するというシナリオです。

以上のことから、科学者の個人的見解としては、オミクロンの登場自体はとくにパンデミックの終わりが近いことを示すものではないと考えます。むしろオミクロンは新型コロナウイルスが予想以上に大きな「振れ幅」をもつことを示したことが科学的には重要です。予測がそう簡単ではないゆえに、流行のリアルタイムでデータを取得して判断していくことがますます重要になったといえます。

また社会的にも、オミクロン大流行の被害が国によって大きく違うので、2022年の世界の動向が読みにくくなったといえます。

5)まとめ

今までコロナにかかったことがない人で、しかもワクチンをしていない人にとっては、オミクロンはこれまでと同様に危険な感染症です。少なくとも、オミクロン感染よりもワクチンで免疫をつけるほうがずっと安全で(より多くの変異株に対して)汎用性のある免疫のつけ方になります。

今回のオミクロン流行の特性を把握して、対策することが緊急ですが、オミクロンはこれまでの変異株と比べて免疫学的にもウイルス学的にも異なる点が多いので、オミクロンの特徴だけを見てパンデミックの長期見通しの根拠とするのは危ういと思います。

確実に明るい材料は、オミクロンの病原性うんぬんよりも、パンデミックを制御するための科学技術が進歩しつづけている点に存在します。

とくに重症化回避のために効果が高いワクチンができて現在広く接種されていること、さらに現在も新しいタイプのワクチンが開発されつつあること、また治療方法が進歩していること、という3点が重要です。

また、検査体制や変異株モニタリング体制も進歩がみられて、より確実にリアルタイムで流行の状況を知ることができつつあります。

こうした科学技術のおかげでパンデミックの核心的問題は少しずつ、より上手に制御できるようになってきています。こうした新しい道具と知識をうまく使っていくことがコロナに安全な社会を作っていく上でより重要になっていくと思われます。

ここを間違えて、せっかく作り上げた科学インフラと専門知を小馬鹿にしてこの2年間積み上げてきたものを崩してしまうと、オミクロン流行への対応における問題だけではなく、近い将来、新しい変異株流行のときにしっぺ返しにあってしまうことになると考えられます。
オミクロンが「自然のワクチン」にならない理由、小野昌弘イギリス在住の免疫学者・医師、1/20(木) 3:16

そして、コロナに関してのもう一つの大きな問題、反ワクチン派の存在なのであります。

この記事にもあります通り、「ワクチンをしていない人にとっては、オミクロンはこれまでと同様に危険な感染症」なのであります。

コロナに対してワクチンはきわめて有効であり、以下のツイートで報告されている通り、実際にそのデータが提示されているのであります。

極めて素晴らしいデータがでました!

ワクチン接種者の場合、新型コロナ感染後のlong covd(後遺症)が、未接種者に比べて有意に低く、ほぼ感染していない人と同じレベルであった(つまりほぼ後遺症を防いだ)とのことです。

大きな問題であった後遺症も予防接種によって防げることを示唆します。

We revised the paper and not only are #covid19 cases who got 2 #vaccine doses reporting much less #longcovid symptoms than unvaccinated-they're reporting no more than uninfected people- suggesting vaccination brings these symptoms back to baseline https://medrxiv.org/content/10.1101/2022.01.05.22268800v2
Twitter、Michael Edelstein@epi_michael、午前3:27 - 2022年1月18日
Twitter、知念実希人 小説家・医師@MIKITO_777、午前8:12 - 2022年1月18日
はてさて、コロナとともに、この愚か者たちとの戦いは、いつまで続くのでありましょうか。 KAI

解決すべき炭素問題の象徴的課題が、EVが冬に弱い問題であります。

そもそもEVが炭素問題の解決になるかと言いますところの本質的疑問は、横に措いておくと致しまして、EVの冬問題を指摘したツイートの数々をご紹介するのであります。

■ツイートその1
エンジン無くて廃熱無いからボンネットの雪が溶けなくて走ってると凍り付く。充電ポートの蓋も凍り付いてスクレイパーとかツッコんで氷を割らないと開かなくなる。前に充電ポート付けるのはいい加減止めて欲しい。
Twitter、大阪の人@itiyuki、午前10:14 - 2021年12月27日
■ツイートその2
そして頑張って蓋を開けて充電しても屋根の無い充電器だと雪だらけになってコレまた蓋が閉まらなくなる・・・
Twitter、大阪の人@itiyuki、午前11:37 - 2021年12月27日
■ツイートその3
北海道の冬ではEVは自殺専用車になります。
充電切れで走行も暖房もできず山中でアウト。
EVレンタカー怖くて選択しません。
今回は、ガソリン車4駆を空港で借りて、道東を2日間走っていますが、ガソリンまだ半分残っています。ヒーターも使いながら。
未来は水素エンジンか燃料電池車
Twitter、高田純 理学博士@gatapi21、午前7:06 - 2021年12月26日
■ツイートその4
EV車では無理無理無理!!!
北国では冬の日常となる除排雪車両の24時間作業
EV車で長時間の作業無理ですから!!!
脱化石燃料、脱核エネルギー政策破綻します!
Twitter、高田純 理学博士@gatapi21、午後9:15 - 2021年12月29日
■ツイートその5
日本でEVが向かない証拠ですね…環境のためにEVを推進している欧州では今後廃バッテリーの処理の問題をどうするのでしょうね?CO2を出さないから環境に良いと言っていますが、リチウムイオン電池を廃棄するのには多額の費用がかかりますし、環境的にも悪いものがたくさん出ます。結局は環境に悪いです
Twitter、艦これプレイヤー YSBM所属@Kancolleplayer0、午後5:31 - 2021年12月27日

いかがでありましょうか。EVが持つ数々の課題が取り上げられているのであります。

■ツイートその1、その2

このツイートで指摘されているのは寒冷地特有の問題ではありますが、重要な指摘なのであります。

それはなぜEV車は充電する必要があるかと言えば、笑い話のようでありますが、それは長距離を走行してエネルギー切れになるからであります。

その時充電ポートが開かないなら、当然ではありますがこれ以上の走行はできなくなってしまうのであります。

この問題は、一見充電ポートの位置だけの問題に見えて、そうではないのであります。

寒冷地ではよくある夜間駐車中の、フロントガラスやボンネットの凍結であります。ガソリン車ならエンジンをかけしばらくおいておけば氷が溶けだすのでありますが、果たしてEV車ではどうなるのでありましょうか。

■ツイートその3、その4

ここで指摘されているのが、バッテリーの耐久時間であります。

寒冷地でなくてもこの問題もやはり致命的なのであります。

将来バッテリーの耐久時間が改善されたとしても、恐らくガソリン車のそれを上回ることは不可能であると言えるのであります。

それでも、社会はEV一択に舵を切るべきなのでありましょうか。

■ツイートその5

そして、廃棄バッテリーの環境問題であります。

欧米では、おそらくバッテリーの寿命がまだ残っていて、大量廃棄問題はこれから起こる問題と思うのでありますが、果たしてこの問題を真剣に考えている行政の責任者や研究者はいるのでありましょうか。

この問題に言及した記事をご紹介させていただき、このエントリーをお仕舞とさせていただくのであります。

みなさま、良い年をお迎えください。 KAI

EV大国の中国で顕在化、次の環境問題は「廃棄EVバッテリー」、Milton Ezrati、2021/08/04 06:30

電気自動車の時代、バッテリーのリサイクルが鍵に、ナショナル ジオグラフィック、2021年7月14日 4:00

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