広東酢豚
筆者は、今から二十数年前シアトルの郊外のできたばかりのハの字状の2棟のオフィスビルをかまえるマイクロソフトと、パロアルト近く?の西海岸の浜辺の見えるところに、避暑地にあるような別荘風でコの字型の二階建ての建物をオフィスにしていたデジタルリサーチ社を訪問しました。
当時、パソコンOSの覇権を、マイクロソフトのMS-DOSとデジタルリサーチのCP/Mが激しく争っていた時期で、世間(日本)の評価はもっぱらCP/M優位でした。ところが筆者は困った性格で、なぜか昔から人の言うことを信用しません。と言うより人が言うことの反対を選択するくせがあります(これを人はへそまがりと言いますが)。これを確認するために、当時勤務していた会社の金を使ってわざわざ出かけて、自分の目で確認することにしました。
筆者自身、当時、CP/Mに傾倒していて、正直MSを見下していました。ところが実際にこの目で見た両者は、筆者のアタマだけで想像した世界とまるきり逆だったのです。ビジネスはDRではなくMSだってことでした。事務所で副社長からOSの今後の方針を聞いたからではありません。冒頭のオフィスの建物がらそう考えました。結果はみなさんがご承知の通りです。
人も会社も、《本当の意味の》外観(見た目)がすべてである、と言うのは真実です。
ずいぶん前置きが(超)長くなりましたが、この米国訪問時、海外初めてのシアトルでの最初の食事。場所がわからず、とりあえず入った中華料理の店で注文したのがこの酢豚だったのです。
で、出てきたのが、なんだこれは!砂糖を喰わせるんじゃねえ!と言うような、とんでもない代物でした。この酢豚は酢豚ではなくシュガーパイナップル炒めでした。以来二十年以上筆者は、パイナップルを喰っていません。
ということで、今回はこのパイナップルの入った酢豚です。大好きな炒めものの、p.32。
酢豚とは知らされないまま、出てきて口に入れて、うっ、パイナップル、と思う間もなく、この二十年以上の思いを払拭する、豚とパイナップルの、シャルウイダンス。
なんなんだこれは!めちゃうまいじゃないか!でした。
理由は簡単。豚とパイナップルがお互い重要なパートナー。ああ酢豚って、こう言う料理なんだ。南方の料理人である広東の料理人は、食材にどしどし果肉を使用するそうですが、このパイナップルは酢豚のすっぱさの主役。すっぱさも酢の物では当然ですが料理の味の主役なのです。
豚とパイナップルと言う二人の主役にダンスを踊らせるために、ウェンさんは、それぞれ同じサラダ油で別々に揚げた上で、炒め鍋で踊らせます。そのために、豚肉に切れ目を入れて酒と塩の下味をつけると言うテクを使います。酢と酒で、シャルウイダンスの出来上がり。 KAI
香味野菜たっぷりの刺身サラダ
ユーイチ君の得意料理にマグロのづけ丼がありますが、これはウェン流づけ丼であります。ウー・ウェンのおいしいよ!うちのご飯の、p.37です。
今回の刺身はまぐろではなくかつおですが、まぐろやいかでも楽しめるとのことです。ボールに、そぎ切りにしたかつおを入れ、しょうゆ、練りわさび、こしょうを加えてよく混ぜ味をなじませます。このあと、千切りにした長ねぎとしょうが、それに香菜を合わせ、ごま油を加えて香りをつけます。これをご飯にのっけてできあがり。と、まあ手間いらずの、ちょっとした時の強力な家庭料理の一品です。
で、食した感想は、まさにウェン流づけ丼。千切りにした長ねぎもしょうがも香ばしく、こしょうのきいたかつおがごま油でこれも香ばしく、とってもかろやか、気持ちもかろやか。香ばしさがポイントの、明るくなるづけ丼、でした。 KAI
牛肉のオイスターソース炒め
このところの夏バテが、先週の往復1400キロのドライブが原因だと、今頃になって気づいた。この程度の距離ではへでもなかったのに、2、3日あとからガクっとくる。おまけにそれを忘れてしまっている。歳は取りたくないもんだ。と言うことで夏バテ解消料理、牛肉のオイスターソース炒めです。大好きな炒めものの、p.41。
一口、口に入れた瞬間の、この何とも言えない奥の深い牛肉の味わいは忘れられません。
さっそくレシピをチェックすると、この味が、下ごしらえで牛肉にもみ込んだおろしにんにくの味と、この牛肉を強火で炒めて色が変わったところで加える、粗めにつぶした黒こしょうの香り、更にからみ合わせたオイスターソースの味と、それぞれがびみょうに組み合わさった、まさにウェン流インテグレイションマジックの結果であることがわかります。(ちょっと塩加減が多かったけど>ユーイチ君)
これに水溶きかたくり粉でコーチェンし、ごま油を加えて出来上がりと、コーチェンのとろみとごま油の香りも今回の牛肉のうまさには欠かせません。
ふんふんふんって、うなずきながら、一気に平らげたら、なるほど元気が出てきました。って気持ちの問題か(笑)。 KAI
(追記)塩味の問題の原因が判明しました。ウェンさんのレシピでは、下味をつける塩の量に『ひとつまみ』と書いてあります。大男(181CM)のユーイチ君と華奢な中国女性のウェンさん、ひとつまみの塩の量はこさじ分は違うはず。レシピに、今後、ひとつまみは禁物です^^;)>ウェンさん。
すでに満足せる豚。眠たげなポチ。さんが詳細にレポートしている話題ですが、CNETの「アプリケーションのカスタマイズを可能に--セールスフォースの新しい賭け」から。
Salesforceは、「Software as a Service(SaaS)」という新しいビジネスモデルに基づいてソフトウェアを提供する企業のなかでも、リーダー的な存在だ。そのSalesforceが、「Multiforce」という新しい開発システムを擁して、賭けに出ようとしている。同社のパートナーや顧客企業は、Multiforceを利用して、ソフトウェアをカスタマイズし、独自のサービスを構築することができるようになる。
アプリケーションのカスタマイズを可能にするという戦略は、「No Software」というスローガンを掲げる同社にとって、不適切と思われるかもしれない。しかし、アナリストは(今ある情報から判断する限り)、この計画が理にかなったものであると述べる。同社の最大の目標は単純明快だ。より多くの企業にSalesforceのサービスを利用しなければならない理由を提供し、さらには既存の顧客に満足を与え続けることによって、自社にライセンス料が入り続けるようにすること。これこそが、同社の究極の目標だ。
この戦略の当否は、更新系機能のサポートとその機能制限で決まると筆者は考えています。詳細は、自己組織化アプリケーションで今後説明していきますが、照会系のインターフェイスがいくら公開されても、アプリケーションとしては体をなしません。
そもそも、ソフトセクターの競争戦略再考シリーズの端緒になったCNETの記事「ERP導入の成功の秘訣はベンダー数とカスタマイズを抑えること」--米調査にも、
また、取引するERPベンダーの数や、アプリケーションのカスタマイズ量が少ない企業の方が、大きなアプリケーション導入効果が得られると、Hackett Groupは述べる。
と書かれている通り、ERPにおいてカスタマイズは鬼門です。それをあえて承知でベニオフはカスタマイズに走ったのか。この理由は想像がつきます。前回のエントリーで、筆者はこう書きました。
情報と人間の主客逆転の結果、今何を行わなければいけないか。上記はてなのビジネスモデルで明らかなように、「Design Strategy」とは、このビジネスモデル自体の、扱う情報に適応したビジネスルールの動的組み換えと言うデザインと同時に、先の人間オブジェクトをカバーするソフトウェアと言うオブジェクトである、(自己組織化)アプリケーション自体の動的な再構成に、全力で立ち向かえるかどうか。この一点が競争戦略の要です。
多くのユーザーにサービスを拡げれば拡げるほど、扱う情報量が極大化していき、それぞれ個々のユーザー毎の「ビジネスルールの動的組み換え」要求に、ベニオフが直面した結果、選択した戦略が「カスタマイズ」です。
しかし、です。カスタマイズは鬼門であることも百も承知のはず。その躊躇するベニオフの背中を押したのはSOA陣営の甘いささやき(あくまで筆者の想像ですが)であったのは間違いありません。
セールスフォースのこの偉大なるチャレンジの行方は、私たちの将来をも占う、重要な意味を持つものになります。 KAI
今日は外が恐ろしい暑さの割りに、このところの不調がうそのように頭の中が冴えています。クェーサーのことを考えていて、後で書きますが、これが大体見えてきたとたん、競争戦略もいっぺんに見えてしまいました。創造性ってだいたいこう言うもんです。
と言うことで、ソフトセクターの競争戦略論の続きです。
繰り返しになりますが、梅田さんのエントリーBusiness Week誌最新号の特集「Get Creative!」からの引用です。
第一段階: 技術と情報がコモディティ化とグローバル化を引き起こす段階
第二段階: コモディティ化に伴う空洞化、アウトソーシングの段階
第三段階: 「Design Strategy」が「Six Sigma」を代替し始める段階
第四段階: 創造的イノベーションが成長をドライブする段階
第五段階: 新しい「Innovation DNA」を持つ創造的企業が勃興する段階
この第一段階の「技術と情報がコモディティ化とグローバル化」がどんな意味を言っているのか、まずこれを正確に理解することが重要です。
そのために筆者の以前のエントリー「オープンソースの意味が分かった(2)」を引用して説明します。
ある一定以上の「大量」の情報「すべて」を、メンバー全員が共有する意味とは
これは主従関係の逆転が起こっていると考えると全てうまく説明できます。すなわち情報を扱う人間(組織関係)と情報との主従関係の逆転です。
つまり、絶対性ではなく相対的な価値観のシフト現象を、単にコモディティと言っているだけで、もしこれが絶対的なだと勘違いするアナリストがいれば、医療事故による医師免許剥奪以下です。
で、第三段階の「Design Strategy」が「Six Sigma」を代替の意味です。
これを説明するために以前の筆者のエントリー「オープンの意味(2)−−−ビジネスモデルとの関係」から引用します。
オープンにはいろいろな形のオープンがあります。先日やっと意味が理解できたオープンソースの意味もその一つです。
これもシンクロニシティと言うべきか、グッドタイミングで面白い事例が三つあがっています。
インターフェイスのオープン化
一番目は、はてなのオープン化戦略に見るインターフェイスのオープン化です。
(中略)
はてなのビジネスモデルを、今考案中のOML(オープンモデリング記法)を使って記述するとこうなります。<はてな:ビジネスモデル>:
<<ユーザー:1>> |−−−−><はてな:1>
<はてな:2> /−−−−><<ユーザー:2>>
<はてな:3> |−−−−><<スポンサー:3>>
<<スポンサー:3>>|・・・・><はてな:4>;比較するためにGoogleのビジネスモデルもあげておきます。
<グーグル:ビジネスモデル>:
<グーグル:1> |−−−−><グーグル:1>
<グーグル:2> /−−−−><<ユーザー:2>>
<グーグル:3> |−−−−><<スポンサー:3>>
<<スポンサー:3>>|・・・・><グーグル:4>
<<代理店:5>> |−−−−><グーグル:5>
<グーグル:5> |・・・・><<代理店:6>>;
この絵は、筆者が考えるビジネスモデルですが、はてなやグーグルと言う企業は、第一段階の「技術と情報がコモディティ化とグローバル化」しなければなりたたなかったビジネスモデルであることに、誰でも同意できるのではないでしょうか。
ここで言っている<はてな>や<グーグル>と言うオブジェクトは、人ではなくソフトウェアです。もしこのオブジェクトが人間なら、この情報の流れは成り立ちません。つまりビジネスモデルも成立しません。
つまり、第一段階の意味とは、このオブジェクトが人間からソフトウェアへの代替する現象と捉えれば、第二段階も説明でき、更に重要なのは第三段階です。
「Six Sigma」とは過去の人間オブジェクト問題であるのは明らかです。
情報と人間の主客逆転の結果、今何を行わなければいけないか。
上記はてなのビジネスモデルで明らかなように、「Design Strategy」とは、このビジネスモデル自体の、扱う情報に適応したビジネスルールの動的組み換えと言うデザインと同時に、先の人間オブジェクトをカバーするソフトウェアと言うオブジェクトである、(自己組織化)アプリケーション自体の動的な再構成に、全力で立ち向かえるかどうか。この一点が競争戦略の要です。 KAI
業務連絡したら、この台風の雨のさなか、いきなり沖縄の紺青ブルーの海から返信が。はいはい、ニッポンは広ろうござんす。と言うことで本題はクェーサー。
と言いながら。日曜日、あるバーであるひとにKAIさんの話は難しくってしばらく読んでいませんって言われて、彼に一番ウェンさんの料理の話を読んでもらいたいと思って書いていたから、ちょっと(かなり)ショック。
だからこのタイトルはめくらましではありません(きっぱり)。
実は先週から読み始めたブルーバックスのクェーサーの謎が、めちゃくちゃ面白くて、またひとつ、研究課題がふえました。
クェーサーはもちろん昔から知っていた(と勘違いしていた)のですが、クェーサーがこんなにおもしろい存在であることを、この本で初めて知りました。まだ頭しか読んでいませんが、おそらくクェーサーとは、ひもの超伝導状態ではないかと思いながらページをめくっています。
真っ青な海とクェーサー。最高の組み合わせです。 KAI
IT企業の競争戦略とは、実は情報社会のメタ化現象と密接に関係しています。
梅田さんが取り上げているBusiness Week誌最新号の特集「Get Creative!」について。
第一段階: 技術と情報がコモディティ化とグローバル化を引き起こす段階
第二段階: コモディティ化に伴う空洞化、アウトソーシングの段階
第三段階: 「Design Strategy」が「Six Sigma」を代替し始める段階
第四段階: 創造的イノベーションが成長をドライブする段階
第五段階: 新しい「Innovation DNA」を持つ創造的企業が勃興する段階
この梅田Blogを読みながら、鉄道社会から車社会への移行を連想させました。つまり鉄道社会とはいわゆるインフラであり、すべての利権の中枢です。これが車社会へ移行する過程で高速道路網の整備と言うインフラとは別に、車社会と言う新しいアプリケーション市場がつぎからつぎへ形成され、今も続いています。
ここらへんを論じたいのですが、すでにヨッパ(別名夏バテ)で、きわめて持久力に欠けるのがかなしい。 KAI
なすとひき肉の炒めもの
夏と言えばナス。なすとひき肉の炒めものです。大好きな炒めものの、p.56。
今回はもちろんなすが主役で、とっても柔らかくてこれがなすの炒めものかと思うほどでしたが、一方でこんなにおいしいひき肉も初めてです。このやわらかいなすと、チョーおいしいひき肉の秘密とは。
ウーさんのひと言コメント
なすの皮は苦みがあって固く、中国では皮をむいて調理します。よく「ひと皮むける」といいますが、なすに限らずきゅうりやトマトもひと皮むくと、味が見違えるようによくなります。
このひと皮むいたなすをさっと油通ししてから炒めると、え、これがなす?というようなおいしさに変化します。(中略)
さて、今回は皮をほぼ半分だけむいた、日中友好バージョンです。
(後略)
このなすの感覚は焼きなすを思い出します。焼きなすは皮のまま火を通しますが、焼いた後、皮をむいておろししょうがのしょうゆダレに浸して食べる、あの食感です。ジュル。
で、ひき肉のおいしさの秘密とは。これはなすの油通しに使用した油にありました。そのまま油通しした炒めなべにその油をおおさじ1残して、中火で熱し、しょうが、長ねぎ、にんにく、豆板醤を入れて炒めるのです。このいい香りを出したところに合い挽き肉を加えて炒める。これがあのなんとも言えないひき肉のうまみの秘密でした。
このやり方、紅焼肉の時も同じです。出てきた脂をそのまま使って砂糖と炒め香りだたせたものを肉に絡みあわせる。今後この手法をウェン流味のインテグレイションマジックと呼ぼう。 KAI
最近Blogでないとニュースもろくにチェックしない自分に驚きます。ZDNetも開設当時見に行ったものの、この理由でご無沙汰でした。CNETにインデックスが張られていたので思わずクリックして行ってみたら、CNETより面白い。
少々引用が長くなりますが、ZDNet.com SOAブログの次に流行るものは?と言うエントリーから。
こういうことを考えに入れて、彼は、「『次に流行る』のは、ソフトウェア、コンテンツ、サービスを組み合わせて、そこから出力される結果にも責任を持つソフトウェア企業だ」という結論を出している。その一例として、NervinsはZyme Solutionsを挙げている。同社の高度なソフトウェアプラットフォームは、データを収集し、それらを統合して、意思決定を支援するための数字をはじき出す。だが、同社はソフトウェアを売っているわけではない。同社が売るのはデータだ。世界中の顧客と契約を結び、彼らのデータをZymeのプラットフォームに流し込んでいる。そのデータを専門スタッフが編集する。これらの専門スタッフは、顧客のためにレポートやデータベースを作成し、それらのデータに基づいて顧客が意思決定と事業運営を改善する方法を、顧客と一緒に検討する」
彼はこう結論付ける。「コンテンツ、ソフトウェア、サービスの強力な組み合わせは、今までのビジネスモデルとはかなり異なるものだ。そのうちに、ビジネスにとって最も貴重な資産は、企業が蓄える知識になるだろう。つまり、在庫やトレンドに関する『ハード』なデータや、それらのデータをどうやって効果的に使って良い結果を生み出すかという『ソフト』な知識が、これからの企業には求められるのだ」
この結論部分のデータと言う認識が間違っていると言うのは、このBlogの読者の方であれば先にご承知のことです。しかし、このデータを機能付きデータ(つまりアプリケーション)と読み替えるとまさにこの変化が起こっています。
これは梅田さんのネット世界の今を包括的に眺める二つの長文記事を読めば、Web2.0をとりまく世間の状況とあわせてよく見えるはずです。
ここで大きなヒントを述べます。
車が進化して、その結果、すべてのドライバーが素人ですか?更にプロのドライバー集団が栄華してますか?もちろん車は素人に開放されました。しかしそれはすべてマイカーです。業務で運転している人間は一人として、その運転の簡便性を議論の対象にすることはありません。EXCELのようなカローラを運転する業務システムは皆無です。
結論は簡単です。
100年たっても、アプリケーションつまりソフトウェアと言うノウハウの優位性(これがビジネスモデル)は不動、微動だにしないと言うことです。データなぞ一切関係ありません。
Web2.0の人たちは自分たちにアプリケーションノウハウを持っていない(と言うより蓄電できないことを知っている)自覚があるから、プロトコルである規約にこだわるのです。はてなの問題もすべてここにあるのです。
ノウハウ
ノウハウこそ、今求められていることを、知るべき、自覚するべきです。ノウハウをどうすればアプリケーションの中に実現していくか、筆者が毎日格闘しているのは、こう言うことです。 KAI
マティーニ2杯のんだくらいでは、いや逆にこれくらいが、筆者の思考活動を、自由空間に浮遊させる最大効果をうんできたのですが、夏ばてかもしれません。一本を戦いきれないのが実感です。やはり夏のせい、でしょうか。(五百円玉を落としたのが直接的原因!)(さらにここんところのごめんなさいモードもこれが原因!)
昨日米国人の社長とそのエンジニアと、朝から3時間、議論して、その社長は日本語ができてエンジニアはできない。筆者は英語がしゃべれない。この3人が議論する様子はとても奇妙でした。が、結果はお互いのプロフィットを、最大限に得られるプロトコルに落ち着いて、大満足。
エンジニアは日本語を話せないけれど、お互いホワイトボードで議論すると、ソフトウェアと言う共通項で、話してることがわかる(筆者はヒアリングは多少^^;)。
わたしたちの仕事は、あまりにも多くを包含しているため、結果的にわたしたちが環境化していることをわかってもらえるかどうか。これが問題です。インターネットの世界とはつまり、まさにこの自分たちがつくった「マイネットワーク」が、世界規模でオーバーラップしながら覇権を競う世界であることを実感します。
で、どっちのコーヒー?ってなもんです。 KAI
ビジネスと言うのは、そのプロセスなど無関係に、その正しさを証明します。だからその魅力にひきこまれるのは正邪別にして(究極の)学問とギャンブルの関係を連想させます。
久しぶりにCNETの記事を取り上げます。「ERP導入の成功の秘訣はベンダー数とカスタマイズを抑えること」--米調査から。
Hackett Groupのリサーチャーによれば、複雑なシステムを構築する企業は、シンプルな戦略を立てる企業と比べ、従業員1人当たりにかかるシステム費用が経理業務においては30%、人事業務においては18%多いという。同社は、今回の調査で2000社以上の企業を対象にインタビューを行った。また、取引するERPベンダーの数や、アプリケーションのカスタマイズ量が少ない企業の方が、大きなアプリケーション導入効果が得られると、Hackett Groupは述べる。
また、Hackett Groupは、機能ごとに異なるベンダーを使う「最良の組合せ(ベストオブブリード)」と呼ばれるアプローチを採用してERPシステムを構築する企業は、費用の削減に苦戦していると付け加える。また、アプリケーションをたくさんカスタマイズする企業も、費用面で苦戦している。
筆者は、1年近く前のエントリー「ソフトセクターとは(その6)」の中で、ソフトセクターの競争戦略について論じましたが、その時以下の仮説を設定しました。
■既存の業界用アプリケーションが通用しないのは、圧倒的に機能が不足しているからではないか。
■不足している分をカスタマイズしても、その機能が、既存機能と連携していないのではないか。
■カバーするのが一部の限られた業務になっているのではないか。
■不足する業務を、まるで設計思想が異なる他のアプリケーションと、データレベルで連携できると考えているのではないか。
上掲の記事は、この仮説の正しさを裏付ける内容になっていますが、冒頭コメントのビジネスにおける戦略の当否を含めて、いったい正しさとはなんでしょうか。
これ以降は実にすばらしいアイデアがあるのですが、マティーニ2杯でこれにて閉店。 KAI
(追記)正しさとは価値です。価値は観測者による測定行為によりうみだされます。つまりビジネスでは観測者とビジネスの当事者が自己言及化されていること。この事実こそ、問題を解くキーポイントであると言えます。連立方程式が差分方程式(自己言及方程式)になると何が起こるか、と言う問題に定式化できるわけです。答えを書くと簡単ですがこれがカオスです。しかしこのカオスは「原因」パラメタは制御可能ですから良性問題です。・・・とヨッパで思いつくことを忘れないように書きました。無視してください。またしてもすみません、とわびるパターンが増えるのはなぜか。
出張のついでに福井県の美浜町まで行って、さばのへしこを買ってきました。
美浜町と言えば関西電力の美浜原発で有名ですが、今までだと京都側から行くと海沿いの27号線をすたこら走って片道3時間以上かかるものが、近くの小浜まで高速ができたおかげで、その半分以下の時間で行けるようになり、ちょうど良いドライブコースになっています。
27号線沿いの千鳥苑と言うへしこで有名なお店の、若狭湾の海辺沿いにあるレストランで食事をした後、売店でへしことまるまる太った塩鯖を手に入れ、塩鯖の方は、帰ってからぶつ切りにして冷凍庫にほうりこみました。あとからそのまま塩焼きにします。
さて、東京に戻って、さっそくへしこをおみやげに、いつものユーイチ君のお店へ。ぬかを落として焼いて食べるとおいしいよって言うと、ラベルを読みながら「KAIさん、さしみにもできるって書いてありますよ」。おいおい、そっちのほうがおいしそうではないか。
と言うことで、さしみで頂きました。もう絶品。
脂ののったナマのさばの刺身をはるかに超える、脂のうまさかげん。また一つ今まで知らなかった世界を味わうことができました。合掌。 KAI
筆者は30年以上前にトポロジーと言う概念に出会って以来、そのとりこです。前掲エントリーのゲージ問題のひももそうですが、本業のソフトウェアも立派なトポロジーです。研究課題であるひも理論と、本業のソフトウェアを結び付けている(これもひも!)のがトポロジーだったのです。以来、ずっと11次元だろうがトポロジカルなイメージにすべてをおきかえることを、30年間繰り返してきました。
本業世界で膨大なコードを書いてくると、コードが流体であるかのような感覚にとらわれます。流体とはもちろんトポロジーです。流体をどう流れるように設計するかは、ある意味でプラントエンジニアリングと、ハードウェア系エンジニアリングとは接点があるのではないかと、ひそかに(?)考えています。
で、トポロジーとしてのソフトウェアとは。
こう言う話をするときにやっぱり一番にあげないといけないのはアルゴリズムです。実はアルゴリズムとはトポロジーであったりするのです。もちろんクラシックのアルゴリズムだけではなく、GOFもトポロジーです。
ん?
意味が理解できない人は、そもそもこの世界の住民ではない。と言って追い出すつもりは毛頭ありません。ただソフトウェアとはそう言うものだと言うだけです。筆者の長男がこのソフトウェアの道を、この春から歩み始めたこともあって、これからソフトウェアを天職にしようとする後輩たちに、自分なりに獲得した「ソフトウェアとは何か」を伝えたいと、さっき、うだる暑さの中で意識もうろうでテニスをしたあと、思ったのです。
しかし、ここでアルゴリズムもGOFも解説するつもりはありません。そうではなく、もっと上位から見たソフトウェアの正体と言うものを、ここでは書いてみたいと、さっき、思ったのですが、すでにテニスの疲れと、マティーニの効果で、今日はこれにて店じまい。 KAI
肉→野菜か野菜→肉か
過去のレシピを見ました。鶏のチンジャオロースでは肉→野菜だし、昨日の回鍋肉やその前のいかときのこの炒めものは野菜→肉(魚)です。
炒めものとは水気を飛ばすことと覚えたり。この違いがでる理由(わけ)が、分かりました。つまり、イカとキノコではキノコの方が水分たっぷり。だから先に時間をかけて水分をしっかり飛ばす。そのあとでイカを加えて、調味料を加える。(この調味料を加える順序も大事です)
これは回鍋肉も同じ。では鶏とピーマンはどうか。もうはっきりしています。ピーマンの水分はわずか。ですから、鶏肉の、しかも千切りを、先に軽く炒めて、あとでピーマンの千切りを加えて炒め合わせる。結果、フルーティ、ジューシーな料理が出来上がります。
野菜が先だとか、そう言う固定観念にとらわれることと言うのは他でも良くやる話しです。今回は勉強になりました。ハイ。 KAI
回鍋肉
まるで量子理論です。もちろんわかりやすい、良性量子ですが^^;)。なにを言いたいかワケワカメ汁^^;(多用中)でしょうが、ウェンさんの料理はほんとうにすばらしい。概念を超えています。ウー・ウェンのおいしいよ!うちのご飯の、p.81です。
回鍋肉の回鍋とは、『あらかじめ火を通した肉を鍋に戻す』ことを回鍋と言うそうですが、これが今回のウェンマジックのポイントです。
野菜とお肉の炒めものの基本パターンは、野菜→お肉です。ところがいろんなところにこの(ウェン)掟破りのレシピがあって、結果的に、ほんとうにこれでいいのかなあ、と言う料理に出会い続けてきました。このいいのかなあと言うのは、肉→野菜のパターンです。なぜそう言うパターンになってしまうのか考えると、日本のなべ料理が原因ではないかと思われます。つまり、すき焼きにしろ水炊きにしろ順序は肉→野菜ですから、これからきているのではないでしょうか。
ともあれ、本題に戻って、ウェンさんのレシピをとくとご覧あれ。(要約版です)
豚肉を酒蒸しにする(引用者注:ここだけでビックリ)。しょうが、酒、黒粒こしょうを加えて火にかけ沸騰後弱火で蒸し煮する。そのままでさます。 (中略)炒め鍋でキャベツを加えていため、油が回ったら豚肉を加えて炒め合わせる(以下略)
です。納得するでしょう?
結果、ほんとうにキャベツと言う野菜と肉のからみあいのおいしさを体感できます。 KAI
(追記)過去のエントリーを見ると逆に書いていますが、本質の意味は同じです。このあたりは次回以降に料理の中に書いていきます。
いかときのこの炒めもの
いかときのこの組み合わせと聞いただけで、よだれが出てくる料理です。大好きな炒めものの、p.20。
ただ、調理はむずかしい。想像通り、ユーイチ君はミスをしました。炒め物とはなんであるか、以前のエントリーに書いたとおり、水分を飛ばすことです。レシピにも最初きのこから炒めます。トータルの炒め時間は6分。きのこがしんなりしてきたら、ここでイカを加えて炒める。更に合わせ調味料を加え、片栗粉でコーチェンし、ごま油で香りをつけできあがり。しかし、側で測ったわけではありませんが、おそらくユーイチ君は4分台。水気の飛ばし不足です。
ウェンさんの他のレシピに合わせて、いかの(ダジャレ)レシピをやれば完璧です。まずイカは絶対湯通しするべきです。その上できのこを「しんなり」するまで十分炒めて水気をしっかり切る。これに湯通しイカ、ごま油で、絶品になるはず?!。
しかし料理を作るとはむずかしい。日々精進ですか。 KAI
一夜明けて前回のエントリーを読み直して、ちょっと^^;)。ヨッパで書いたとは言え、途中からゲージの話しもストリングの話しもおまけにM理論までがでてきて、頭の中のカオスを見事に表現している迷エントリー!?ってことにしておこう^^;)。
さて、ここで未完成ですが今何を考えているか、整理できていないまま以下に書いておきます。
あくまで1点で物事を考えると同一時刻も1点しかありません。これがひもと言う長さを考えることで、2点以上の同時刻というものが存在することになります。A→Bをひもと考えると、A→B→A→B→A→B→Aと書くことでひもの振動を表します。この場合、左から右へ時間が流れます。
A→B→A→B→A→B→A
B→A→B→A→B→A→B
A→B→A→B→A→B→A
B→A→B→A→B→A→B
A→B→A→B→A→B→A
B→A→B→A→B→A→B
更にこう書くと、共振振動パターンが次々とひもからひもへ伝わる様子を表します。
A→B→A→B→A→B→A
B→A→B→A→B→A→B
A→B→A→B→A→B→A
■■■ ■■■ ■■■
B→A→B→A→B→A→B
A→B→A→B→A→B→A
B→A→B→A→B→A→B
これは二つのスリットをひもとひもの間におく様子を擬似的に表したものです。どうでしょう、擬似的とは言え、量子をひもで表現すると直感的に波が伝わるのと同じ仕組みに見えてきませんか。この例えから更にゲージ問題についての言及に繋がるのですが、残念ながらうまく整理できていません^^;)。
そこでなんでこう言う書き方をするのかと言うことが重要です。A→Bは上ではひもの振動と表現しましたが、これをAからBへの情報の流れと見なすと、左から右への時間軸上の流れがフローであり、上から下への流れ、と言うより縦の拡がりがストックと見なせます。このフローとストックが、もともとの話題のBlogとWikiとどうからんで、それがどういう意味を持つのか。この問題を現在あれこれと考察中だと言うことです。まとまりませんですみません。 KAI
話がめいっぱいつっぱしりますが。
4元テンソルなど「場」と表現される世界で、その中でゲージ変換を行って、ゲージ不変性を有する方程式が、「場」の「物理量」の存在を定義、すなわち記述することになるってのが、物理の立場でのゲージ理論です。わかりやすい表現をするとろくろ上の土器とろくろの関係です、え?よけい意味わかんねえ、ごもっとも。数学だとなんでもありで、想定される場のトポロジーは自由ですが、人間、現実は小説より奇なりで、大半のゲージ理論は現実世界を反映した物理上のトポロジーを扱っていて、数学はあとおいです。
ファインマンの経路積分とシュレンディンガー方程式が一致するのもゲージ場で記述すれば同じことをやっているのは、自明です。
ここでA→Bをストリングと定義することにより、矢印の時間を保証する、つまり、離れた場所での同時性を保証するトポロジーを定義できるようになるのです。(スーパー)ストリングセオリーのポイントは1点ではない2点での同時性を定義することで、そう言うトポロジーにおけるゲージ不変性をもつ物理量がM理論のゲージ不変性量として自己定義できる、ああやっぱり自己同定、自己言及の世界のようです。
と、一気にしゃべってしまいましたが、実はこの中では、相対論における光速度はすでに、つまりアインシュタインの(特殊)原理はとっくに意味を失っているのです。一般相対性理論においてさえ、時間をひもと言う同時性で記述した瞬間、光が曲がるのは、ひものトポロジーの問題であって空間と言う場に一意に依存しないと言うのも自明です。そしてこの中で光速は単に他の物理量に依存する物理量であり、時間が遅れたり、長さがちじんだりすることはなく、これは単に記述上のことで、いま見ている現実と同じ世界がミクロでも保証されていると、トポロジー理論、ゲージ理論は言明しています。
と、これまた一気に書きましたが、つまりゲージ理論で言いたかったことはこう言うことです。ではこれがwikiのストックとどう絡むのか、うーん、次回までに思い出します。 KAI
紅焼肉(ほんしゃおろう)
小平君と食べた料理です。単純がうれしい北京のおかずの、p.52です。
紅焼肉とはいわゆる豚の角煮ですが、ウェンさんによれば、
もし北京っ子に名物料理はと尋ねたら、北京ダックと答える人がほとんどでしょう。では家庭料理ではという問いには、同じくらいにほとんどの人が、紅焼肉と答えるのではないでしょうか。
と言うくらい、北京では定番のおかずだそうです。
豚バラかたまり肉を4、5センチ角に切って準備したものを最後3時間ほどかけて煮込むのですが、この豚肉の香ばしいこと。まるで煮込みの味ではありません。いったいこれは何なんだ、と言うことでレシピを見ると、やっぱり秘密がありました。
中華鍋に肉を脂身から入れ弱火で両面を焼き、脂が出てきたら強火にして中央をあけ砂糖を入れ、肉の脂で砂糖を炒めます。この砂糖が煮つまって茶色くなったら肉に絡めます。これが肉のあの香ばしさの秘密でした。更に、長ねぎをしきつめた鍋に炒めた肉を移し、薄切りにしたしょうが、八角を加えるのも、この肉の香ばしさと味を豊かなものにしています。
普段食している和製角煮とは似て非なる料理、ウェンさんにかかると、全ての料理が新鮮です。 KAI
昨日、写真家の小平尚典君から、彼の新しい写真集をもらった。いつものウェンさんの料理を一緒にいただきながら、久しぶりに彼と遅くまで飲んだ。
なんて日記風の書き出しになりましたが、彼の写真集というのは、「彼はメンフィスで生まれた」と言う題で、彼の写真と写真の間に彼と一緒に旅した安西水丸氏がエッセイを書くスタイルの本です。「彼はメンフィスで生まれた」の「彼」はプレスリーですが、プレスリー本ではありません。
その場で彼の写真をながめると、やっぱりKOHIRA!。彼の写真は、いつ見ても感心するのですが、言葉で表現できないおおらかさとぬけるようなブルー、開放感にあふれる世界でいっぱいです。アメリカ東海岸南部のサバナをスタートに、ミシシッピリバー(メンフィス)、アトランタ、ニューヨーク、サンフランシスコ、ヨセミテナショナルパーク、ボストン、ルート66、ロサンゼルス、フォートスミス、シアトル、イエローストーンナショナルパーク、そしてまたサバナの近くのチャールストンへ戻って、最後がハワイと北米の各地を舞台にした写真にあふれています。
この写真とエッセイをながめていると、不思議な世界に引き込まれていくのを感じます。これは写真集でもなければ、エッセイ本でもない、大人の、旅の絵本だったのです。 KAI
青椒肉絲(ちんじゃおろうすー)
今回は青椒牛肉絲、そう、牛の青椒肉絲です。大好きな炒めものの、p.38。
これははっきり言って失敗作です。先日の鶏のチンジャオロースにくらべて全然ウェンさんらしさがありません。で、その言い訳。
ウーさんのひと言コメント
中国人の私にとって、青椒肉絲は本にのせるような料理とは思えません。中国では誰でも作れ、誰もが食べている超日常料理だからです。そんな青椒肉絲を掲載したいという編集部の要望で、今回あらためてレシピを考えてみました。
(中略)
以上をすべてクリアすれば、手作りならではの、絶品青椒肉絲が食べられます。
と、ここまで考えて思ったのは、中国人は誰もこんなこと考えて青椒肉絲を作ってない、でした。何も考えなくても、自然に作れるご飯のおかず、それも青椒肉絲です。
と言うことで、「考えすぎ」が原因でした。
鶏の青椒肉絲の時、
他の料理本によれば肉に下味を加えてそのまま油通しする(だから最後に肉を加えて炒め合わせる)ということですが、ウェンさんはまったく違います。ウェンさんの方法は通しで説明するとこうです。
と書いたのですが、今回のウェンさんはまったく違うではなくまったく同じでした。油通しではなく鍋で強火で炒めておく違いはありますが、他の料理本とまったく同じでした。結果は、やっぱりピーマンが炒めすぎになって、牛肉も全然フルーティ、ジューシーじゃありませんでした。
ユーイチ君に鶏の時と同じレシピで再挑戦してもらいます。チャンチャン。 KAI
すっかり自己組織化アプリケーション問題からはなれてしまいましたが、これもBlogの良きことかな。気の向くままの思索ができる快感です。と言いながら万博会場で迷子にならないように胸にバッヂをつけた幼稚園児よろしく、このゲージ理論問題の着地点を書いておくことにします。
BlogとWiki、フローとストック、知識=ストックの各論に対して、それは違うよと言うお約束のスタンスで捉えると、ネットだろうがアナログだろうが知的生産活動は日々時間軸と言う絶対性の中にからめとられている実態こそ、ことの本質ですよってことです。これとゲージ理論がどうからむのかは本文ですが、とにかく着地点はこう言うことです。
それにしてもこのサブジェクト、よく考えると看板に偽りありと言えなくもないのですが、まあこれもBlog、気楽に続けることにします。
で、今現在4つほどネタがあがっているのですが、おもしろすぎて整理できかねていますので、ちょっと待ってください。 KAI
鶏肉ときくらげの肉じゃが
なぜか周期的に書きたくなるようなネタが大挙して押し寄せてくる感じですが、ここはじっとがまんと、ウェンさんの料理。今回このシリーズはじめての煮物に挑戦です。
ウー・ウェンのおいしいよ!うちのご飯の、p.33です。
普段お店で食べ慣れている牛や豚の肉じゃがに対して、この鶏肉の肉じゃがは、何度か家庭で食べた記憶がありますが、そもそも煮物自体積極的に自分から食べたことがないと言う筆者ですから、煮物の中身のコメントなど半世紀以上の人生初体験です。
しかしやっぱりウェンさんです。煮物でもしっかりウェン流です。
ウェン流その一。
鶏肉は湯通しし、さっと水洗いして、水分をきる。
*鶏肉は、だしの出る骨つきが断然いいですよ。こちらも豚肉版と一緒で、ちゃんと湯通ししましょう。
そうなんです。この湯通しこそウェン流のポイント。これだけでなぜか材料がとっても柔らかくかつぷりっとなるんです。
ウェン流その二は八角。p.75からの引用。
アニスに似た、独特の甘い香りが特徴です。その形から、スターアニスとも。肉や魚の煮込み料理などによく使います。フルーツのシロップ煮など、お菓子の香りづけにも。
この八角効果で、いつもの牛の肉じゃがとは全く別物の肉じゃがのできあがりです。これに筆者の大好きなきくらげが加わって、ウェン流煮物もやっぱりKAIごのみでした。 KAI
ゲージ理論を突き詰めていくと、これは人間の認識そのものの問題(とその限界)に帰する気がします。
今AとBがある時、AおよびBを「ある」たらしめているものが空間的か記号的かによらず、AとBの関係はA→BあるいはB→A以外にはありません。もし両者が無関係であればこの論証は独立して行うことができるはずです。またA=Bである時は、AとBは同一であり関係性を持ちません。
ここでA→Bが何を意味するか考えてみます。これはAからBに向かう関係性を記述するものですが、具体的には例えばA点からB点へと何らかの影響が及ぼされる状況を想像してみて下さい。A点が太陽でB点が地球とすると、A→Bは太陽光線が地球に降り注ぐことを意味します。
この時、光の速度は有限であると考えられていますので、A→Bの間には時間が含まれていることが分かります。このことはA点とB点が太陽と地球の関係なら明白ですが、もしA点とB点が電子レベルや光子レベルになると怪しくなってきます。この2点の間をどんどん小さくしていくと言う思考実験をしてみれば簡単に理解できますが、大きさを持たない1点になるまで時間を消すことはできません。つまり1点になると言うことは同一になると言うことですから、そもそも関係性も消滅すると言うことになります。実際の物理現象では、これ以上小さくならない最小単位のようなものが存在するとされています。
ここで話題を変えて、高校時代に習った微積分のうち微分と言う考え方を思い出して下さい。微分とはA点とB点の間を限りなく小さくした時のAとBの関係性を関数化したものですが、これは限りなく小さくしてもゼロではないと言う意味で、近似の概念です。但しこの近似は統計的に誤差があるという意味の近似とは意味が違いますがこの説明は省略します。さてここでこの微分を使用したシュレディンガー方程式を考えます。このシュレディンガー方程式とは、左辺が運動エネルギーとポテンシャルエネルギーの和をあらわし、右辺が全エネルギーで、両辺を等号で結んだ方程式です。この方程式には時間が含まれていませんので、時間概念が他の形で隠蔽されていると言えます。この方程式の解である波動関数にももちろん時間は出てきません。
さてここで出てきた等号と、全段のA=Bにおける等号が全く異なる記号であることに注意する必要がありますが、ここではイメージを掴むのが目的ですので、この説明も省略し先を急ぎます。
と書きましたがここで来客。一旦アップします。 KAI
知識がストックかと言うと、それは大きな勘違いだと、筆者は常々考えています。
モジックスさんのZopeジャンキー日記をきっかけに盛り上がっている「ブログはフロー、Wikiはストック」論に関する様々な人の発言を読んで、ほぼすべてに共通するイメージが「知識=ストック」です。
この反論を書こうとした矢先、ゲージ理論とトポロジーと言う本がアマゾンから届いて、これをながめているうち、むしろ本質はこちらであることに気付きました。この書籍の存在は檜山正幸のキマイラ飼育記の中で知りましたが、アマゾンに注文したらア(マゾン^^;)って言うまに手に入りました。
で肝心のゲージ理論ですが、少々酔っぱらってしまったために、このあとしらふになったところでまともなことを書くことにします。
次回用に引用だけ書いておきます。 KAI
牛肉とアスパラガスのピリ辛いため
ウー・ウェンのおいしいよ!うちのご飯の、p.53です。
ウェンさんの料理には恐ろしいくらい一貫性があります。こうして今日のユーイチ君の料理を待ちながら、昨夜の料理のレシピをながめると前回の牛肉のカラカラ炒めとコンセプトがすべて同じであることが面白いように見えます。この見える感覚が、快感です。
前回、
今回の料理のポイントはいっぱいあります。にんにくの茎を包丁で叩き潰すこと、ドウチをみじん切りにすること、そして牛肉です。
と、このにんにくの茎を包丁でたたくのをポイントにしました。今回、やっぱりアスパラガスを包丁でたたきます。すごい。
アスパラガスは根元のかたい部分をむき、包丁の腹で軽くたたくつぶした後、3等分に切る。
この結果、
たたくことで味がよくしみ、火の通りも早くなります
こうなると言うのです。
にんにくの茎にしろ、素材になんか味が通っていない料理にいやと言うほど出会ってきました。これが、たった包丁の腹でたたくだけで、素材の持つエネルギーに強烈な炒め味が加わって、シンプルかつ複雑な量子味が再現されます。摩訶不思議とはこのことです。 KAI
牛肉のカラカラ炒め
毎日が新鮮です。これを食した後、これを書きながら筆者の新婚時代を思い出してしまいました。結婚するまで他人であった彼女が、一緒に生活するようになって、やはり驚いたのは毎朝毎朝見せる表情の、日々の変化です。ある意味で毎日が発見でした。
23年ぶりの新婚生活を、今味わっている、そんな気分です。
今回も、この料理に箸をつけた瞬間、ユーイチ君、炒め方を間違ったね、炒めすぎだよー。なんてえらそうに言ったらさっそくユーイチ君の反撃をくらいました。ウェンさんの本に書いてあるとおりです、と。
と言うことで大好きな炒めものの、p.42にある、またまったく新しく体験するウェンマジックです。
今回の料理のポイントはいっぱいあります。にんにくの茎を包丁で叩き潰すこと、ドウチをみじん切りにすること、そして牛肉です。牛肉は、炒めて肉汁が出るのですが更にいため続けて、水分を完全にとばすのです。そうすると肉汁の味がしっかりと絡みつくと言う「仕掛け」です。
おんながこわい、なんて書くと目いっぱい誤解を受けますが、おんなのこわさとこのレシピには普遍性があります。って言ってもわかんねえだろうなあ。 KAI