さて、今回のテーマの前編冒頭でとりあげました、「1枚の写真」にまつわるお話は、きわめて示唆的なんであります。
それが何かをお話しする前に、まずはその一つ前のエントリーで取りあげた話題から。
「エクセレントな広告システム」さえあれば、いつでもフェイスブックを打ち負かして勝てるのであります。
(フェイスブックが上場(して失敗)すると、日本の若者が「起業家精神」を取り戻して日本は再び元気になる)
このお話と、今回の「無意識」が、直接的につながっていると言うのが、今回のサブタイトル「無意識検索ビジネスの時代」ってお話なんであります。
みなさん、ふだんの生活で、こんなことはありませんか?
ちょっとした調べ事や興味のある記事を読んでいたりするとき、これってどこかで見たことがある。
でも、どこで見たか、思い出せない。
でも、どうやって?
もちろん、今回のお話は、ネットの中に限った話ではあるのですが、みなさんが日々パソコンやモバイル端末で様々な文字情報、写真、広告を見ているのであります。
しかも、これは、クリックしたり検索したりして「意識的」に表示させた「もの」だけではないのであります。画面のすみっこにある「広告」であったり、なにげなく開いたトップページのなかの「何か」であったり、これらは「無意識」の中で記憶されたものであるのであります。
この「無意識」に記憶されたものを「検索」するのであります。
そのためには、ブラウザであれば画面の表示領域のなかで表示されたすべての「情報」を、あとから検索できる形で逐一記録していくのであります。もちろんSSLを含めてセキュリティ上の保護(検索対象外にする)は必須であります。
では、これを「検索」するイメージとは、いかなるものになるのか。
実は、ここが今回の一番重要なノウハウのポイントとなるのでありますが、まず、ブラウザで見た情報に関係なく、「思い出せない」ものを、「思い出す」にはどうやればいいのか?
例えば、楽曲の曲名や人の名前といったものが、なかなか出てこないといったことは、よくあることであります。
この場合、「連想」となるキーワードを入力して検索すると、その候補の中に目的とする名前をたまたま「発見」したなんて言う経験がおありではないかと思うのでありますが、今回の「無意識」検索も方法はこれと同じであります。
と言うより、最初からこの「連想」が目的でありますから、通常の検索機能のように、直接的にそのキーワードを検索するのではなく、シソーラス的に「連想」されるキーワードを使って、「知的」に候補を表示するのであります。
もちろんこの中には、ブラウザで表示していた広告も含まれるわけでして、広告も「情報」に含まれることになるのであります。
ここまできて、この「機能」をサポートするのに絶対的好位置にいるのが、かのフェイスブックであることに気付くのであります。
フェイスブックの場合、ログインしたあとユーザーに表示される画面情報は基本的にすべて自分たちでコントロールできるわけでありますから、これをやろうと思えばいますぐ実現できるわけであります。
さて、この仕掛けのいったいどこが、今回肝心の「エクセレントな広告システム」になると言うのでしょうか?
それは、広告の「落穂拾い」であります。
その広告が実際最初に表示されたとき、必要とされていないものであったとしても、あとから「無意識」検索で繰り返し表示されることによって、必要性にジャストフィットする確率が格段にあがるのであります。
広告によっては、タイムサービス広告のようにタイミングが重要なものは、「無意識」検索にヒットして表示されたとしても、役に立たないと思われる方がいるかもしれない。しかしこれは杞憂であります。
「無意識」検索が、「標準」となった時代には、これを「前提」とする内容を準備しておくだけで、目一杯広告効果を発揮できるのであります。
そこでであります。次なる問題があるのであります。
フェイスブックが、「無意識」検索機能をサポートするのは、直接的に広告売上に貢献できる。
しかし、これ以外の、例えばブラウザの機能として「無意識」検索は、ビジネスモデル的に成り立つのかどうか?
しかし、これもまったく心配ご無用なんであります。
実際問題、「無意識」検索経由では、有料広告は表示できない。なぜならその広告は有料広告サイトで表示が管理されているからであります。
これを、「無意識」検索会社と有料広告会社の間で契約して表示できるようにするのであります。
この「契約」は、有料広告会社にとってとてつもなく意味のあるものになるのであります。なぜなら、いったん見過ごされた広告が新たにクリックされると言うことは、その広告価値が高いと評価されたことになるのであります。広告主にとってコンバージョン率が格段に高くなると言うことであります。
しかも、この「無意識」検索を、いくら大手の有料広告会社がやろうと思っても、これは他の有料広告会社と利害相反となって「原理的」にできないのであります。
「無意識」検索こそ、ユーザーにとっても、広告主にとっても、広告会社にとっても、オールウィンの、豊かなる情報社会を開くことができるキラーアプリとなるのであります。 KAI