刑事事件において、犯罪現場に残された指紋は、犯罪者の弁解の余地のない、最重要証拠となるのであります。
今回、小沢秘書裁判判決に異議をとなえるかたがたは、この事実とする裁判所の判断を、まるで指紋はなかったかのような言説を展開されるのであります。
例えば、5千万円強奪の犯行現場に、犯罪者の指紋がある。
これを、まるでなかったかのように強弁しても、と言うか、これを否定すること自体、ここで「負け」確定であります。
今回の裁判における「指紋」とは。
5000万の授受があったとされるホテルでの日付時刻人数記載の領収書が、元社長の供述どおり、残されていたのであります。
もちろんこれで5000万の授受の証明には、ならない。
しかし、この領収書は指紋同様、最重要証拠に変わりないのであります。もちろん、被告側がその場に同席していたとの直接的証拠は、微塵もない。
ところがどっこい、ここに落とし穴があったのであります。
裁判とは、いったいなんであるか、小沢秘書弁護団は、まるでわかってはいないのであります。
犯罪があったとする証人の証言が、最重要証拠で裏づけされたのであります。
この一点をもって、控訴審、最高裁における結末は、KAI的に火を見るよりあきらかなんであります。
この判決を不当と批判する方々の中に、元社長が翌年春の5千万を含めて1億円ネコババしたと主張する方がいるのでありますが、ではこのネコババした1億円は、いったいどこに消えたのでありましょうか?
会社の経理に詳しい方であれば、1億円の裏金をつくって、そのうえこれを隠すことがいかに大変なことか、簡単におわかりいただけるのでありますが、こう言う批判をするど素人は裏金だから隠すのは容易と勘違いするんであります。
さて小沢裁判はどうなるか。
やはり焦点は4億円の金の動きであります。億単位の個人の金の出し入れに、小沢自身が関与していないとの主張など到底受け入れられるものではなく、今回の最重要証拠効果でもって有罪確定であります。
すなわち5千万の金が小沢側に流れたのが事実とすると、もうこれだけで裏献金受領の「共同正犯」を立派に構成するのであります。
あとは、いかに政治家人生に決着をつけるか、のみ。覚悟するときであります。 KAI