まさにこれを、オープンプリンシプルによる進化と言うのであります。
昨晩(米国時間15日早朝)に発表されたGoogleによるMotorola Mobility(以下、MMI)の買収。まさに「青天の霹靂」といっても過言ではないこの発表に至る両社の携帯関連事業の経緯を、ここで簡単におさらいしてみたい。
(モトローラ・モビリティがグーグルに身売りを決めるまで)
そして、このインターネット社会の進化を支える基本原理が、オープンと言う原理原則、オープンプリンシプルなんであります。
オープンプリンシプルの一例が、随分前のエントリーにあるのであります。
ある一定以上の「大量」の情報「すべて」を、メンバー全員が共有する意味とは
これは主従関係の逆転が起こっていると考えると全てうまく説明できます。すなわち情報を扱う人間(組織関係)と情報との主従関係の逆転です。
今までの組織の中で情報を扱うことは、あたかも野球選手がボールという情報をキャッチボールしているようなものでした。それに対して、大量の情報を共有するとは、情報という水で満たされたプールの中で泳ぐ水泳選手のようなものと言えばいいでしょう。
もう少し正確な表現をすると、今までは組織の都合に合わせた限られた情報を取捨選択して流していたと言うことであり、これがメンバー全員で大量の情報を共有するようになると何が起こるか。
それは、大量の情報が今度は主になって、これに合わせるかたちで、メンバー自体のネットワークが変化を遂げていくと言うことなのです。つまり、情報自体のダイナミックな変化に合わせて、この溢れかえる大量の情報を効率的に意味解釈できる組織(ネットワーク)に、つぎつぎと自分たちの組織形態を変化させていくと言うことです。まさにこれこそ自己組織化ではありませんか。
(オープンソースの意味が分かった(2))
進化とは、人間が生き物である以上、生き物と共通した進化論に従うものとの認識はそう間違ってはいないと思うのでありますが、この共通する進化の原理原則こそ、オープンプリンシプルなのであります。
またまた、わかりにくいものいいですまない。
要するに、GoogleによるMotorola Mobility買収は、決してMotorolaの持つハードウェア価値と言う一部で評価するべきものではなく、サービス価値、ユーザー価値へと進化を遂げようとするGoogleの進化形にすぎないとみなす必要があるのであります。
ですから、SamsungやHTC、あるいは日本メーカーなどのAndroid陣営にとっては、今回の事態は、脅威やリスクとなるものは一切なく、それどころかAndroid陣営がより強化されるものであると、KAIは考えるのであります。
その証拠に、と言って、GoogleCEOのコメントをお読みいただければ、と言うのは論拠として安易ではありますが、そう言うことなんであります。
先日の、日立、三菱重工経営統合騒ぎも、このオープンプリンシプルによる進化の視点からみても、あり得ない選択であったことは明らかなんであります。
すなわち、合併を「ドライブ」するものが、「規模」の時代から「オープンプリンシプル」の時代へと、明らかに大きく変革を遂げつつあることを、いまKAIは確信するのであります。 KAI