July 18, 2011

希望は思わぬ処からやってくる(4)

朝から何時間もたつと言うのに、いつまでも涙がとまらない。

休日をいいことに、番組を梯子して、ずっとこの映像を追いかけているのであります。期待どおり、いや、期待以上の結果に、この気持ちをいかなる言葉にしてあらわせばいいのでありましょうか。

考えるに、今回の、なでしこジャパン金メダル獲得に至る道筋には、二つの大きなポイントがあったと思うのであります。

これこそ「勝利」の力なんであります。

つづいて、「なでしこ」。

 サッカーの女子ワールドカップ(W杯)ドイツ大会第6日は1日、レーバークーゼンなどで1次リーグB組の第2戦を行い、日本は沢(INAC)の3得点などでメキシコに4−0で快勝し、2連勝の勝ち点6で同組2位以内を確定させ、過去最高に並ぶ8強入りを決めた。沢は男女を通じて代表通算得点を最多の78点とした。
日本8強入り、メキシコを4−0


今回この試合を見て思ったのは、ずいぶん男子のサッカーに近くなってきたってことであります。

男子のサッカーとは、ボールコントロールのことで、女子のサッカーと男子の違いを例えれば、ビリヤードの玉と卓球の玉の違いであります。

もちろん女子は、ビリヤードの方ですが、この傾向はテニスにおいても顕著なんであります。
希望は思わぬ処からやってくる


一つ目は、これ。

ちょうど2週間前、瞬間的に、この「なでしこ」のパワーを感じ、そして「希望」を感じることができたのでありますが、これはいったいなんだったのか。

それは、「希望」とは、結果の後にあるのではなく、必ず結果の前にあると言う、あたりまえと言えばあたりまえの、重大なる真実なんであります。

またまた、わかりにくいものいいですまない。

人間の、反射神経の実験によれば、ことごとくの反射において、その「意識」は、実際の「反射」をただ追認しているだけであると言う結果は、今回の問題を理解する上できわめて重要な真実なんであります。

すなわち、人の「希望」には、この「予感」とも呼ぶべき、無意識なる「反射」が必要であり、すでに「なでしこ」は、この「アンテナ」を持つ人々に対して、2週間以上前から発振し続けていたのであります。

これこそが、「なでしこ」を決勝に至らしめたまず一番目の理由であり、ここでなんども言及してきた「予知能力」のフォース以外の何者でもないのであります。

そして、決勝戦。

これは、必ず女子W杯の歴史にきざまれる、真に見ごたえのある名勝負であったのでありますが、ここでもまた「予知能力」が、二つ目の勝利のポイントとなるのであります。

前半8分、左サイドからラピノーがクロス。これにチェニーが飛び込み、ゴール。に、KAIには一瞬見えたのでありますが、わずかゴールポスト左にそれたのであります。

つづいて前半29分 左サイドをドリブルで抜け出したワンバックの左足での強烈なシュートが、クロスバーを直撃。これもだめかと思った瞬間、ウソみたいにゴール前におしとどまった。

やがて、まるでゴールにシールドが張られているかのように、KAIには見えてきたのであります。

このまま前半終了。

そして後半24分 米国得意のカウンターアタックで、モーガンがゴール右隅へ左足の強烈なシュート。ついに米国先制。

しかし、まるでこのままで終わる気配は、ない。

後半35分 永里が右サイドから入れたクロスボールの混戦を、宮間が左足でキーパー左横へ押し込みゴール。

これは延長戦でも、まったく変わらない。延長前半終了直前、米国ワンバックの絵に描いたようなヘッドのボレーシュートで、またしてもリードされるも、このままでは終わらない。

案の定、ゲームオーバーまであと2分、宮間の左コーナーキックに、ボールに向かって飛び出した澤が右足アウトサイドで絶妙の広角ボレーシュート、快心の同点ゴールを決めたのであります。

もはや神がかりとしか、言いようがない。

あとは、PK戦と言うところで、監督佐々木則夫が見せた笑顔。これが、すべての結果を予言することになるのであります。

主役は、もちろん海堀。右横っ飛びながらも冷静に残る右足でクリア。

そして、もう一人の主役が、宮間。米国の一番目が外したあとの、キック。もっともプレッシャーがかかる場面で、フェイント気味のゴール。これが、きわめて効果的に、米国2番目のロイドへのものすごいプレッシャーとなって、米国を自滅へと追い込んだのであります。

こうして、決勝戦を振り返ると、これらすべてがこの試合前から決まっていたかのように思えてくるから、不思議なんであります。

しかし、実はこれこそが、今回の「勝利」の秘密なんであります。いかなる場面でも、「負ける気」がしなかった。彼女たちを含めて勝利を信じるすべての人々は、「勝利」と言う「予知能力」の中にあったと言うこと。

逆説的で結果論に過ぎないと思われるでありましょうが、これこそが「予知能力」の持つフォースと言う力なんであります。

さて、なでしこの大きくもたらした、この「夢と希望」。

やっと、日本の「大気」にひとときのバランスが、戻ったのであります。

こうなって初めて、「自助、互助、自制の精神」が生きてくる。

今日から、やっと、すべてがスタートするのであります。 KAI

投稿者 kai : July 18, 2011 08:27 PM | トラックバック