March 14, 2010

質素な生活が豊かなものを生み出す基礎になる週末テニス

KAIが世界の大富豪にランクインされたとしても(トーゼンあり得ない話ではありますけど^^;)、自信を持って言えるのは、着る物であり、毎日の食事であり、住まいであります。いわゆる衣食住。それは、KAIの生きている間だけ住めれば十分な家であり、毎朝納豆と焼き魚の食事であり、ユニクロの衣服で十分であることであります。

それはなぜか、このわけを明かす前に、同じことを考えていた人物がいました。

白川静。しらかわしずか。平成18年、96歳で亡くなるまで、生涯現役の漢字学者を貫いた男であります。

 長く研究を手伝った長女の津崎史(ふみ)さん(68)が、一般書として『漢字』(岩波新書)を出版したときのことを思いだして笑う。「担当編集者から、お願いだから活字にできない文字を減らしてくださいと頼まれました。とにかくゲタ(活字がないことを示すムムマーク)だらけですからねえ」
(中略)
 史さんの夫、幸博さん(64)は、義父のこんな言葉を覚えている。

 《質素な生活が、豊かなものを生み出す基礎になるんです》

【日本人とこころ】白川静と出遊(上) 漢字を読み解く知的冒険  (4/5ページ))、(同(5/5ページ)


衣食住の、例えばブランドであるとか、高級であるとか、はたまた豪華であるとかに拘る方々にとって、そもそもでもって衣食住そのものに、人生の目的たる価値を置いていると言わざるを得ません。キャピタルゲインで100億、200億の自宅をこしらえてきた創業オーナーたちの名前を列挙するまでもない話であります。これはこれで、人生の価値を、そういった金銭的、物質的なものの豊かさに置く限りにおいて、まったくもってなんら問題があるわけではありません。

しかし人は、ひとたび、豊かなものを「生み出す」こと、すなわち「創造の喜び」なるものにふれた瞬間、金銭的、物質的豊かさが害悪でさえあることを、直感的に理解することになるのであります。

これは、別に小難しい話でも何でもない。「創造力」の源泉は、センサー。五感はもちろん、第六感まで、研ぎ澄まされたセンサーを働かせることができる環境こそ、質素な生活をおいて他にないと言うことであります。

質素な生活は、また、ルーチンな日常でもあります。

創造的な仕事は、何か特別な環境で生まれるんだと勘違いしがちですが、まるで逆で日常のルーチンの繰り返しの中にこそ創造性を育む環境は、あります。

そう言う意味で、今朝の産経新聞のコラム「わたしの失敗」は全文引用したいくらい示唆に富む内容の記事です。

 千住が大きな壁を乗り越えられた理由は、もうひとつあるという。
「東京芸大時代に担任だった(日本画家の)平山郁夫先生から『どんなに描けなくても、毎日決まった時間にアトリエに入る癖をつけなさい』と言われたのです」。以来、どんなスランプの時も、朝早くアトリエに入り、にかわで絵の具を溶き、筆を並べ、絵を描く準備だけは続けてきたという。
「千年残る仕事」に萎縮(産経新聞、わたしの失敗 日本画家・京都造形芸術大学長千住博さん(49)、2007/8/21、p.17)


この「千年残る仕事」とは、大徳寺聚光院別院の襖絵を描く仕事です。千住博がこの仕事の指名を受け快諾したのはいいけれど、1年間まったく目の前の画面に筆を入れることができなかった。「自分には無理でした」と断るしかないと決断した瞬間、名誉と言う呪縛が解けて、絵を描くことが楽しくてしようがない高校生であった自分に戻っていた。

 「あの時、ふと心が楽になって描こうと思った瞬間、手元に筆がなければ、絵の具がなければ、絶対的なチャンスを逃していたかもしれない。襖絵は完成しなかったかもしれない」

こうして2004年春、6年の歳月を掛けた襖絵77枚が、聚光院別院に奉納されました。これをKAIはNHKの番組で見た記憶がありますが、それは壮大なものでした。

サブジェクトにあげた「日常が生み出す創造性」の日常を日課に置き換えても同じ意味です。この千住博の日課の中からアイデア、構想が生まれ、淡々とした6年間にも渡る日課の中から77枚もの壮大な襖絵が生み出されていったわけです。
日常が生み出す創造性

この千住博の体験もまた、「質素な生活」であり「ルーチンな日常」こそが、センサーが感応し、「豊かなものを生みだす基礎」となることを、如実に示すものであります。

週末テニスもまた、「質素な生活」であり「ルーチンな日常」なのであります。え?質素じゃないって、言下に却下。

今週は、久しぶりに雨の心配がない。気温も上がって、半そで気分も、汗をかくために上着は欠かせません。

そしてゲームは、絶好調。

土曜、6-3、6-2、7-6(7-3)と第3セットのタイブレークを制したのが、実に大きい3連勝。日曜、7-5、1-6、7-6と、コーチのシミズくんに貴重な1勝を上げての2勝1敗。

こんな週末テニスで、何が創造性なんて、言うなかれ。これがあるからこそ、1週間のビジネスがある。なんとも言いがたい、週末テニスと言う「豊かなものを生みだす基礎」を得た、幸せなのであります。 KAI

投稿者 kai : March 14, 2010 08:54 PM | トラックバック
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Posted by: ddwuihfw : June 20, 2010 12:38 AM
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