今週は、初めての子育てに悩む新米ママとパパのために、とっておきの育児情報をお届けするのであります。
育児の大変さは「今」「ここ」で待ったなしに、わが子の要求を受け止めなければいけないことであろう。乳幼児は楽しく笑ってばかりはいない。不安になり泣き出すと、自分をどうすることもできない。しかも、あるがままを出せる相手は、母親や、よくなじみ親しんだ人に限る。受け止めてもらうと不思議に落ち着き、ほっとするが、親が暗い眼でにらむと、萎縮(いしゅく)してしまう。
子供の脳の発達は不連続である。頭囲が急に増大する時、脳も急に発達し、それに呼応して感情や行動の調節は悪くなる。特に胎児期、乳幼児期、思春期は脳がぐんと大きくなり、「キレ」やすさが高まるときである。赤ちゃんの胎動は強いほど元気な証拠。それと同じように、2歳前後の「いやだ!」も、12歳前後の生意気な反抗も、健やかなこころの印である。子供自身にとり、この時期は心身のバランスの崩れやすい時期でもある。
育児はこの脳の爆発的な発達期に、特に難しくなる。子供自身が内部の変化に驚き、いつになく泣きわめき、母親にしがみつくからである。これは新しい認知行動機能が芽生える直前の2、3週間に起きる。
(【母親学】慶應大医学部専任講師 渡辺久子(2)脳の発達と子供の「キレ」やすさ (1/2ページ))
しかも、この歳になって不思議なことに、子供を育てる自分ではなく、自分自身が幼い子供であった頃のことが鮮明によみがえってくるのであります。それは、言葉には言い表せないような癇癪に支配された、自分の気持ちをコントロールできない自分であり、そのどうしようもない思いを、母親にぶつけている姿であります。
KAIにとっての救いは、この記事にあるとおり、二十歳で結婚し3人の子を産んだ母親の存在であったのです。
教育者でありながら酒乱の父の暴力に苦しめられた母が、KAIに対して暗い顔を見せた記憶は、皆無なのです。全幅の信頼を与えてくれた母の存在なくして、今のKAIはないのであります。
オランダの生態行動学者、プローイユ夫妻はこの時期を詳しく研究した。生後20カ月までに、どの乳幼児にも「退行期」(赤ちゃん返り)と呼ばれる母親泣かせのぐずり期が10回ある。飛躍的発達の前兆で避けることはできない。生後1歳ごろまでの退行期は、なんとか子供の気を紛らわせてしのげるが、1歳から1歳半にかけてはごまかしがきかなくなる。激しい癇癪(かんしゃく)を起こして母子は衝突し、育児ノイローゼや虐待につながりやすい。
多くの母親はこの「退行期」に、「こんなはずではなかった」と自信をなくし、育児が楽しいどころか、赤ちゃんをかわいいと思えず苦しむ。このような育児の混乱が、全国約13・5%といわれる母親の産後鬱病(うつびょう)の背景にもある。
育児に孤立は禁物。アムステルダムのスラム街の母子のために、プローイユは「ハードルを飛び越える」という名の子育て支援プログラムを実施した。虐待された生い立ちを持つ母子4〜8組を1つのグループに集めた。「退行期」には子供自身が不安でぐずるのだから、お母さんは決して自分を責めないように。また、この後に必ず新しい発達があるからあわてないで、毎日子供の様子をじっくり観察し記録しよう、と励ました。
その結果、虐待の発生はゼロになった。そして母親が育児に興味を持ち、自信をつけた。「キレ」やすさや「赤ちゃん返り」は発達上意味がある。うまく育っていないと勘違いしてはならない。
(【母親学】慶應大医学部専任講師 渡辺久子(2)脳の発達と子供の「キレ」やすさ (2/2ページ))
子に全幅の信頼を寄せる母親にとって、子の癇癪などへでもない。
しかしこれに耐えられないとすれば、どうなるか。
自分の成長の可能性ではなく、自分の生命としての生存の可能性に面舵を切る。
つまりは、そう言うことであります。
この母親の元で、生き延びることを最優先とするか、人の社会的価値の世界の住民となるかどうか、母親の持つ器量しだいであるのであります。
もちろんパパの存在も、無視できません。パパがこの一生懸命の母親の子育ての邪魔をするのも、同罪です。逆に味方であれば、アムステルダムブローイユ同様の役割も可能になるのであります。
器量を持つことができたママたちには、次のステップが待っている。
今、話題になっている脳科学に基づく久保田カヨ子さんの「0歳からの教育法」ってご存知ですか?ご存じでない方のために、ご紹介したいと思います。どなたでもご家庭で簡単にできるものばかりですが、全て、脳科学の理論に基づく教育法です。
久保田カヨ子さんってどんな人?
独自の「天才児教育法」を確立し、息子を東大へ
夫は脳神経科学の世界的権威である京都大学名誉教授の久保田競氏。そこで、カヨ子さんは、夫の文献を基に脳科学を学び、昔ながらの子育て法が脳の発達に大きな効果があることを確信し、独自の「天才児教育法」を確立しました。その教育法で教育された息子の広さんは、7ヶ月で歩き(通常1歳前後)、1歳で3000単語しゃべり(通常 2〜3歳)、2歳でひらがなを読み(通常 3歳〜6歳)、最終的には東大に合格。
カヨ子さんが言うには、「子どもはみんな天才であり、それを天才じゃなくしていしまうのは親次第。脳の発達が最も著しい1歳までが天才児教育に最適であり、そこで、一生の脳の働きが決まる」ということです。
0歳育児教育法7ヶ条
赤ちゃんの脳を育む本(主婦の友社)
著者:久保田競
夫の久保田競氏の著書「赤ちゃんの脳を育む本」の解説を交えながら、ご紹介します。1.オムツを替える時は必ず声をかける
「おむつを替えて気持ち良くなったね」と気分のいいことを表わす言葉は何度も繰り返してあげましょう。話す技術がないだけで、言葉を話す脳の機能はすでに働いています。
たとえ、言葉の意味はわからなくても、母親の声の調子や表情で、それがどんな意味を持っているのかを神経回路は理解しているので、赤ちゃんの表情も豊かになってきます。
2.「いない いない ばあ」は1日に5回以上やる
赤ちゃんの知的な発達を促す遊びとして重要な意味を持っています。何かに視線を集中し、物事を期待して待つという行動は前頭連合野の訓練に最も適しているということです。
3.子供の服はカラフルなものを着せる
赤ちゃんが最初に認識できるのは赤、青、黄の三原色です。次に黒、白、いろいろと複雑な色が区別できるようになってきます。多くの色を見せることが重要です。
4.なるべくおんぶする
運動能力に不可欠な平衡感覚を養うのに有効です。おんぶをされることが、成長後の運動能力に影響を与えます。
5.幼児語を使わない
赤ちゃん言葉を覚えることは赤ちゃんの脳の無駄遣い。正しい言葉を覚え直さなければならないので、最初から正しい言葉で話しかけることが言語力を高める秘訣です。
6.箸や鉛筆などはいきなり持たず、まず正しく使っているのを何度も見せる
ミラーニューロンシステムを鍛えることになります。ミラーニューロンシステムとは、動作、駆動を見て、理解して、真似をするシステムで、真似をすることは創造性の発達を促し、前頭連合野の発達につながっていきます。
7.どっちが好き?と、質問する
人生はどちらを選ぶかということの連続で、決断は前頭連合野の最も重要な働きのひとつと言われています。
(脳科学に基づく0歳児教育 久保田メソード)