November 28, 2009

世間はなぜデフレの恐怖が理解できないのか

ぬけぬけとデフレ宣言とは。

「政権交代」が現実となったあの晩、ここにすでに書いたことであります。

もうこれは間違いなく、再びデフレ突入です。
ずっしり重い、塩焼き用鯛の切り身が398円

そもそもデフレとは、いったいなんなんでしょうか?

デフレーション(deflation)とは、物価が持続的に下落していく経済現象を指す。 デフレとも呼ぶ。物価の下落は同時に貨幣価値の上昇も意味する。同じ金額の貨幣でより多くのものを買えるようになるからである。なお、株式や債券、不動産など資産価格の下落は通常デフレーションの概念に含まない(参考:物価)。
デフレーション、Wikipedia


マスメディアを含めた世間は、恐らくこのデフレの意味を「言葉」としては理解していても、それが実際に何が起きているのか、まるで分かっていないと思うし、事実デフレとは非常にわかりにくい。

つまり、デフレの反対のインフレは、モノの値段が高くなると言う「痛み」を伴うから、具体的な実感があるのに対して、デフレにはこの「痛み」がない。

これは一見、消費者には都合が良いように見えるけれど、事態はまったく逆。デフレで貨幣価値が上がっても、この貨幣自体の手取り、すなわち収入は逆にじりじりと下降する。手持ちの減ったお金でやりくりしなくてはいけないから、結果的に物価の下落の恩恵は減じられるか、あるいはまったく恩恵とはならないのであります。

これを人間の身体にあてはめれば、物価とは体温であり、収入とは血圧です。この体温も血圧も両方低下すると言う、身体にとって生命を維持できるかどうかの危機的状況にあると言うことであります。

先の衆院選挙の前から、この傾向は顕著であり、いずれの政権にとっても最重要課題であったわけですが、この認識を著しく欠く民主党が政権を取った瞬間、運命は決したのであります。

とは言え、処方箋がないわけではないと、KAIは考えています。

人間の身体であれば、体温を上げようとすれば、まず血圧を上げるしかない。同様に消費者の収入を増やすことが、物価の下落に歯止めをかけることに繋がることになります。当然消費者の収入を増やすことは、その源泉である企業の収入を増やすことであり、これ以外に方法はありません。

こんなことは、当たり前。みな企業の収入をいかに増やすか、これに頭を悩ましているんだよ、ボケ。なんてお叱りを受けそうですが、はたしてほんとうに「このこと」にみなさん頭を悩まして努力しているんでしょうか。

そもそも、「一律に」企業の収入を増やす方法なんて、あるわけないじゃありませんか。

あるのは、「個々の」企業の収入を増やすことであり、しかもこれを考えてやるのは、その個々の企業の経営者であり、従業員であります。国や銀行は、この一点に集中してこれを間接的に支援する。ただこれだけであります。

しかし、ただこれだけであるにもかかわらず、これが全くできていない。できていないどころか、思いっきり足を引っ張ってばかりいる。例えば、規制緩和ないし撤廃。驚くことにこの発想自体が、皆無。次々と事業凍結や事業仕分けで、企業の収入となるはずの事業をカットする。どいつもこいつも、まったく分かっていない。

いまのところ「個々の」企業の収入に貢献する政策は、唯一モラトリアム法案だけ。これのどこが企業の収入に貢献するのか、亀井エライ大臣以外は誰もまったく理解できていない。

中小企業にとって、収入とは、単に売上だけではありません。マイナス支払もそのまま立派な収入となります。銀行への返済は、毎月発生するもの。これが3年間猶予されるだけで、毎月の返済分の収入が3年間保証されたことになる。

こんな直接的に実効性のある方法は、他にはまったくないのであります。

それにしてもであります。

一体全体、日本経済は、どうなっていくんでありましょうか? KAI

投稿者 kai : November 28, 2009 08:30 PM | トラックバック
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