どこかの不良タレント復帰の話ではない。
結局,目当てのライブ・チケットは,家族のソフトバンク携帯からモバイル版Yahoo!オークションにアクセスし,無事無料で入札した(落札はできなかったが)。久しぶりに普通の携帯電話からWebを利用したが,こんなに使い勝手が悪いものだったかと眼を疑った。月346円の特典がなくなったことに文句を言いつつも,iPhoneでインターネットを体験してしまうと,もう元に戻れそうにない。
(便利だが,少しいじわるなiPhone)
これぞ「ユーザーイクスペリエンス」の勝利。
しかし、それにしてもです。いったいiPhoneの「ユーザーイクスペリエンス」と、携帯のそれとは、どこが、どう違うのでしょうか。
これは、KAIも実際に体験して驚いたことですが、まさに「イクスペリエンス」。「経験」してみないことには、言葉だけではまるで理解できないことなのです。
もちろん、残念ながらKAIの体験とは、iPhoneではなく、すべてのアプリケーションをブラウザで利用することでしたが、この「経験」は、このKAIのコンピュータ技術者としての経歴を根底からくつがえすものになりました。
以前、「ユーザーイクスペリエンス」のことを「世界観」と呼ぶべき(ユーザーエクスペリエンスとは世界観のこと)と書きましたが、まさにこのKAIの「経験」はコンピュータアプリケーションの「世界観」を見事に変えてしまったのです。
それは、なにもブラウザでネットの「あちら側」を体験できるといった操作上の問題を意味しているわけではありません。そうではなく、いま自分の目の前にある「こちら側」の世界の中に、「あちら側」のルールや風景、すなわち「世界観」が、まるごと一挙に飛び込んだ来たことなのです。
iPhoneと携帯の「ユーザーイクスペリエンス」の違いも、これとまったく同じこと。
ネットの中のより自由な空間を、iPhoneは「ケータイ」の中にそのまま持ち込んできた。この「経験」は、それまで慣れ親しんできた、携帯の「経験」とはまるで違う世界。この世界にあって、いままでの階層化されがんじがらめにからめとられていたメニュー空間が、いかに私たちの思考空間を矮小化し、創造性を制限していたことに気がつくのです。
しかし、これはまた「体験」してみないことには、始まらない。つまりつべこべいわず買って使ってみろってことであります(笑)。 KAI