映像配信サービスビジネスは、はたして儲かるビジネスとなるのかどうか。今週は、これに関する話題が2件続いた。
GyaOをはじめとした映像配信サービスのビジネスモデルについて、すでにここでさんざん議論してきたので繰り返さない。
広告モデル考
ビジネスモデルの悲劇と勝利
腐っても鯛とビジネスモデル(3)
腐っても鯛とビジネスモデル(2)
腐っても鯛とビジネスモデル
映像配信サービスが情報単価モデルであることは、これ以上の議論の余地はありません。むしろこの問題の本質は、映像配信サービスにおける「情報単価モデル」の「情報」とは具体的に何を指すのか、この詳細な検討がなされていないことにあります。
つまり検索広告ビジネスとは、なんの情報の検索であるかと言うことであり、Googleによって実現されているのは「テキスト」情報以外の何ものでもないと言うことです。
これに対して映像配信サービスにおける検索情報とは、何か。もちろん映像添付の属性情報としての「テキスト」がこれにあたるのですが、これ「だけ」と言うのが、いまだにこのビジネスがうまく行っていない根本原因なのです。
すなわち、この「テキスト」に加えて、映像および音声が持つ、顔情報、セリフ情報、カンバン情報、オブジェクト情報、背景文字情報、楽曲情報等々、これらすべてが検索対象としてテキスト化されて初めて、映像配信サービスが映像「情報」としての必要十分な付加価値を持つようになるのです。
さてこの作業(映像「情報」のテキスト化)をいかに行うか。もちろんこれ自体をソーシャルサービスとして組み込む方法もあるでしょうが、いかんせん情報量が多すぎる。やはりプログラムによる完全自動化の方向が妥当と思われます。
とすれば、完全自動化には、まだしばらく時間がかかる。時間がかかるけれど、これを達成して初めて映像配信サービスの黒字化を果たすことができるし、唯一これを実現したサービスだけが生き残る。
すなわちこれが、KAIの結論であります。 KAI