クラブ選手権をリアルタイムに観戦しながら、現代とはまことに贅沢な時代であると思う。
今現在、最高のプレイをタダで観ることができるのです。まるでスピードが違う。正確なボールコントロールで、ミスがない。
KAIがテニスに興味を持ったのは高校生のときです。硬式ボールで中京大出の体育の先生相手にストロークを挑んでまるで横綱が小学生を抱き上げるかのような無残な結果になったことはこれ以上書くまでもありませんが、これがKAIのなにくそ魂に火をつけました。
以来40年たって、一番役に立ったのは、トッププレイヤーのプレイを観ることに尽きます。
トッププレイヤーのプレイには、えもいえぬ流れるような美しさがある。
これを自分のマナコで見る。
この歳になってもこれは変わりません。バランスを崩したりリズムを取れなくなったときは、とにもかくにもトッププレイヤーの映像を見て流れるようなプレイをイメージすると覿面です。
これはテニスに限ったことではないような状況で、いつもの週末テニス。
土曜、O谷さんが年末進行につきピンチヒッターのネモトくん。
結果は6-0、4-6、3-6、1-5の1勝3敗の完敗。3敗はすべてコーチのネモトくん相手。4ゲーム、3ゲーム、1ゲームと順番に取れるゲーム数が少なくなっていくのは、ネモトくんの本気度のせいです。まあ彼を本気にさせたことだけでも満足としよう(負け惜しみだけどね)。
日曜。天気はいいけれど風が強い中で、6-4、7-6、1-3と2勝1敗。この第2試合のタイブレークを取ったのが大きかった。
今日はほんとはテニスどころじゃなかった。
朝から、仕事が休みの娘がお腹が痛いと言っていて、テニスに出かける頃になって訊くと我慢できないと言う。いまから病院に連れて行くにも救急病院を探している暇はない。119番に電話して6分後に救急車が来る。娘が救急車の中に入って、救急隊員がお父さんもどうぞと言う。いやちょっと用がありまして終われば駆けつけますといって断る。
これをきいた実の妹からは人非人とののしられ、心配した姉夫婦が搬送先の昭和医大に駆けつけてくれたから助かったけど、テニス仲間には心配かけてしまいました。
テニスが終わって、楽しみのアンジェロの生ビールをぐっと我慢して病院へ駆けつけたら、娘が姉夫婦に付き添われてけろっとして病院から出てきた。娘と一緒に姉夫婦を、ついこのあいだ結婚式をあげたともちゃんちまで送る。娘がお腹がすいたと言うのでお寿司を二人分買って自宅に戻る。お父さんもお腹すいたよと一緒にぺろっと平らげる。
期せずして、なんだか娘とはずいぶん久しぶりの、水入らずの休みになった。 KAI