November 05, 2007

小沢問題の整理

時事問題は出来るだけ避けたいと思っていますが、これは格好の思考実験の材料として使えると言うことで。

政権交代が現実味を帯びてきた民主党から大連立の賛成を得られるとは、誰も思わない。ましてや小沢自身もである。とすれば賛成を得られない話を持ち出すのは、もとから賛成を得られないことを前提にした筋書きであったことは間違いない。

つまり小沢辞任は当初からの筋書きであったと言うこと。

なぜ今辞任かといえば、ネガティブに考えた場合小沢自身の問題であってこれは巧妙に隠蔽する必要がある。ポジティブにとらえれば、衆議院選挙に「小沢」が勝つためである。これは両方あって、前者は昨日書いたとおり。

問題は後者。衆議院選挙で先の参院選のような大勝が望めないとすれば、あと6年は「ねじれ」が続く。(※)結局国民の批判はなんでも反対して法案を通そうとしない民主党に矛先が向くのは目に見えている。もちろん衆院選の結果を見てからだけど、このタイミングで小沢は離党によって、参議院の民主分裂を図る算段である。これがその時党首であっては身動き取れない。参議院民主も国民の批判が自分たちに向いてくれば、小沢新党にのっかるのは理にかなったこと。

もちろん衆院選で民主が勝てば、自民は文句は何も言えない。問題は自民が少しでも勝った時で、仮に保野比率が51:49なら49のうち7いれば、参議院をひっくり返すことが出来るわけである。立派にキャスティングボートを握って政権もとれる。おまけにこれを実現させた福田に誰も文句は言えない。自民に合流し福田と手を組んで長期政権の一翼を担っていくことになる。

更には小沢辞任で、仮に新テロ法案を自民が衆議院の3分の2で成立させたとしても、民主党は参議院で福田政権を問責決議してすぐに衆院選に追い込めなくなってしまった。

なんだかすべて福田自民が得するばかりにみえますが、そんなことはありません。

もし辞任がなく小沢党首のまま衆院選突入して民主が勝った場合、いずれかの野党と連立を組む必要が出てきます。共産党はあり得ませんから社民くらいです。さてこの政権がどれだけ持つか小沢が一番よく知っている。記者会見で小沢自身が評価したとおりです。もって1年。また野党転落しねじれが戻る。以下(※)に続くとなるわけです。

つまり衆院選で勝っても負けても党首で臨むよりフリーハンドでいたほうが「小沢」が勝てると読んだのです。ついでにプライベートも解決するし。で党首を辞任するには理由が必要と言うわけで、冒頭に戻る。

この絵を描いて持ちかけたのはもちろん福田。小沢のプライベートを餌に党首会談に誘い込んだ。安倍とは談合といって一瞥だにしなかった方がこれに応じた。火種をかかえる小沢にとっては助け船だったことは間違いありません。

どんなもんでしょうか。 KAI

投稿者 kai : November 5, 2007 03:26 PM | トラックバック
コメント
コメントする









名前、アドレスを登録しますか?