August 07, 2007

天海の言葉とコトの本質

物事の本質は、常に一つです。

気は長く 勤めは堅く 色薄く 食は細く 心広かれ 天海
(産経新聞、きょうの言葉、2007/8/6、p.3)

天海は、ビッグコミックのあずみに登場してからKAIにとってより身近な存在になったのですが、こんな言葉を残していたとは知りませんでした。

なるほど108歳まで生きただけのことはあると、感服します。

気は長く、勤めは堅く、色薄く、食は細く、心広かれ、すべて長生きのコツとも言えるもので、これはすなわち人が生きることの本質を極めた言葉です。

一つ一つは説明するまでもありませんが、今の世の中、これに反することばかりにあふれています。

気長に経営なんかやってたらたちまち株主から文句を言われ、勤めと言えばいつでも気軽に転職のすすめがよってくるし、ネットには色欲を刺激する情報にあふれて未成年者なんか抑制がきくのでしょうか。おかしな食品が巷にあふれてまともな食事もままならず、異常者の隣人に心を開いてばかりもいられません。

であるからこそ長生きしたくば、気は長く、勤めは堅く、色薄く、食は細く、心広かれ、に徹せよと言うことだと、得心するKAIであります。

そしてもう一つ、コトの本質に迫るお話しです。

河野 その見方は表面的です。自民党が参院選で負けた本質はもっと深いところにある。一言で言えば、安倍政権と自民党は小泉改革の流れに“逆行”しているということです。安倍政権は小泉政権の継承者であるはずなのに、やっていることは一昔前の自民党と何も変わっていない。そこに気づいた有権者が「ノー」を突きつけたのです。

 「郵政選挙」と呼ばれた2年前の衆院選で、自民党は「歴史的大勝」を収めました。郵政民営化に象徴されるように、既得権益に鋭く切り込んだ小泉改革を国民が圧倒的に支持したからです。

 官民を問わず、既得権益を押さえている組織や団体がそれに安住しているような社会構造は変えていかなければいけない。国民もメディアも、そうした小泉改革を圧倒的に支持したのです。今でも国民の多くはその改革の方向性を支持しているはずです。

 ところが、今回の参院選で自民党は何をやっていたのか。

小泉改革がぶっ壊したものに再び頼った愚

 例えば、青木(幹雄、前自民党参院議員会長)さんは「組織を引き締めて」とおっしゃっていたでしょう。この発言に象徴されるように、自民党の参議院は「組織や団体をいかに引き締めるか」といったことばかりを議論していました。

 でも、もうそんな時代ではないんですよ。組織や団体は自民党のために動いてくれません。当たり前でしょう。既得権を持っていた組織や団体に対して、小泉改革は「既得権は認めない」と言って“ぶっ壊して”きたわけですから。

 実際、無駄な公共事業を減らしてきたことで建設業協会は昔のように動かなかった。郵政民営化に反対していた「大樹(特定郵便局長OB会)」も全く動かなかった。医師会も同じです。高齢化で膨張する医療費の削減を進めてきたからですよ。比例代表で医師会が推していた武見(敬三、前厚生労働副大臣、日本医師連盟推薦)さんが落選してしまったことは、もはや組織では票を集められないことを象徴しています。

 しかし、逆風と言われる中でも、世耕(弘成)や林(芳正)や山本(一太)ら、小泉政権時代から頑張ってきた若くて意欲のあるヤツらはみんな当選したんですよ。日頃、彼らは一般有権者にメッセージを伝え、そういう人たちの間に自分の支持者を少しでも増やそうと努力してきたからです。

 そういう地道な政治活動をせずに、今さら“動かない組織”に頼ってそれを一生懸命に引き締めようとしたところに最大の敗因があったのだと思います。

 いいですか、思い出してください。2年前の郵政選挙で自民党を大勝に導いたのは、既得権を持つ組織や団体ではなかったでしょう。まさに、一般有権者でした。だから、今回の選挙でも国民の多くが納得できるような政策を作って、それを一般有権者に向けて堂々と訴えていけばよかったんです。
自民大敗、本当の理由(日経ビジネスオンライン)


ほとんど全文引用になってますが^^;、この河野とは衆議院議員の河野太郎です。

言われてみればもっともで、選挙民の間の胸の内にくすぶる憤懣やるかたない思いは、民主党大勝といえどもいまだ解消されてはいません。

この憤懣のうねりはいつなんどき津波がごとく大波となって、あらたなる陸地を襲うやもしれません。

しかし、よくよく考えるとこれらはすべて安倍さんはとうの前から見越していたのかもしれません。

なぜならひとつ前の2004年の参院選、自民党は議席を50から49に一つ減らし民主党は12増やして50議席を獲得しており、その自民党の幹事長こそ安倍さん本人であったわけです。その時の自民党参議院議員会長が橋本派竹山裕で、安倍さんにとって彼らのやり方では選挙に勝てないことはこのときいやと言うほど思い知らされたはずです。

ひるがえって今回の選挙。竹山裕の後に座ったのは同じ津島派(橋本派)青木幹雄。この青木は全く聞く耳を持っていません。安倍さんにとって河野太郎の指摘を待つまでもなく3年前と同じ轍をふむつもりは毛頭ないけれど、青木が言うことをきかないのでは手も足も出ません。

と言うことは、今回の人事に今後の命運がかかっていると言うのも、あながち外れた見方ではないと言うことです。

で、冒頭の、物事の本質は、常に一つです。

改革を止めるな。自らの手で止めようとする自民党こそ、コトの本質であったわけです。 KAI

投稿者 kai : August 7, 2007 08:30 PM | トラックバック
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