話し合ってみました、リキと。
「ねえリキ、散歩行きたくないの?」
「行きたいんだけど、お父さんが引っ張るから」
「だってリキ、おんなじとこにいつまでもいて、動こうとしないからでしょう」
「ううん、お父さんがすぐ引っ張るからだよ」
「なんでそんなに時間がかかるの?」
「だって気になるニオイが最近増えちゃって」
「どういうこと?」
「新しいニオイっていうのかな、でも昔からのニオイがなくなってるよ」
「それはお前が歳取ったってことだよ、もう7歳だよリキ」
「そうか、犬は早く歳取るって言うからね」
「わかったよリキ、新しいニオイが確認できればいいのね」
「そうだよ」
話し合いの後、リキ出かけるよと言ったら、すなおに階段を下りていく。
最初のオシッコをする場所まではいつもどおり。問題はそのあと、まわりのニオイをさかんに気にするリキ。行くよって引っ張ろうとして、いけないいけない。さっき話し合ったばっかり。なるほどね、確認できればいいわけね。
しかしこれじゃリキ、1時間かかっちゃうよ。今日は休みだからいいけれど。
約束は約束でしょうとおかまいなく時間をかけるリキ。
いつものマクドナルドの前にさしかかる。お、スムーズに歩き始める。ここは公衆便所の前でもある。そのトイレの前に男一人仰向けに眠り込んでいる。
平和な国である。
リキとどきどきしながら一緒に通り過ぎて、オシッコ区間終了。
この後、スローモーションのように我が家に戻ってくる。
とりあえずわかった、リキ。お父さん考えてみるよ。
要するにリキにとって散歩とは、たった1日1回の外界とのコミュニケーションの時間であるというわけです。余命を予感するリキにとってこの時間が大切でないはずありません。当面4時半過ぎにスタートすれば1時間かかっても7時までにオフィスに出ることが可能です。リキの言うことをきかないわけにはいきません。
なんだかすっきりして、午前中のテニスに出かける。
なんですかこの快晴は。
これじゃあ今年は空梅雨、水不足に悩まされそうです。しかも湿度が異常に低い。のどが渇いてゲーム前からお茶がなくなりそう。予備にもう1本買ってゲームスタート。
結果は6-3、6-3、3-0の3連勝。
なぜかこのあと熟年コンパの話が盛り上がるのですが、これは次回に。 KAI