この問いを、今は既になくなった六本木の金谷ホテルのバーで、とある女性から受けたのが25年前。
某R社専務のパートナーであるこの女性は、KAIの技術指向型未来論にするどく迫ってくる。
以来、このときの会話が片時もKAIの脳裏から消えることはありませんでした。
本当に人類はその心のレベルにおいて賢くなったのであろうか。
車を捨てよ、テレビを捨てよといっても、所詮無理な話です。しかし一度南アルプスの山小屋で明け方3時の空を見上げた人間は、それが古代から人類に与えられた自然の宝石であることに、間違いなく感動します。
いまや自分の心さえ、リモートのマジックハンドで操作しかねない状況にあって、彼女の言うとおり確かに、今の私たちの心は、自らが感動し自らがその心の中にあると言えるほど、進化充実した状況にはありません。
その後ホテルのバーから移動して二人で行ったのが、元防衛庁横にあるたんや又兵衛と言うお店。
KAIはここで閻魔大王になります。
うそをついた人間の舌が目の前の冷蔵庫の中に、何百本とある。目の前のそれを見ながら飲む酒は、まるで閻魔大王です。
みなさん、くれぐれもうそを、つくことがありませんように。 KAI