October 03, 2006

それを解決するにはソフトウェアのサービス化しかない(2)

それを解決するにはソフトウェアのサービス化しかないと書いたけれど、この話のポイントはすでに2年前のエントリーソフトセクターとは(その7)の中で議論しています。

しかし、これも既に議論してきた通り、ソフトセクターの流れはこの業界全体の業務ノウハウの獲得と実装と言う次元に移っており、これは1ユーザー企業にできるものではないのです。もちろん相も変わらず多大なるコストを負担する自社開発、自社メンテナンスを選択する企業は残りますが、これは4800に含まれない機能の業務ノウハウを持つユーザー企業に限られてくると思います。

物流サービスが物流専門会社による全国ネットワークに集約されていったように、ネット社会では、ユーザー企業=業務ノウハウと言う図式ではなく、ネット社会の専門企業=業務ノウハウと言う構造に収斂していくというのがKAIの推論です。

つまりサービスを提供するソフトセクター側にこそ、業務ノウハウと言うアセットがあって、この業務ノウハウを実装できないサービスは、ソフトセクターとしても生き残っていくことは不可能だと言うことです。

今自らSaaS(Software as a Service)とサービスを名のっている製品に、果たしてどれだけのアセットとなる業務ノウハウが実装されているか、はなはだ疑問符だらけです。

そして、一方のユーザー企業はと言うと、自らのアセットがもちろんこの業務ノウハウにあるのはわかっていても、それがソフトウェアオブジェクト側と人間オブジェクト側の両方にあることを理解していません。

ソフトウェアオブジェクトの差別化と称して自社開発に走る理由は、ここにあります。差別化は、必要十分のソフトウェアオブジェクトを前提にすれば、人間オブジェクト側の差別化しかあり得ないのです。

名人が名人である要件は、名人が使用するその道具にはない、と言うことは、誰が考えても明らかなことです。 KAI

投稿者 kai : October 3, 2006 08:06 PM | トラックバック
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