July 12, 2006

松下幸之助の言葉(3)

格す(ただす)とは

物理法則が格すとはどう言うことか。これはいいかげんなビルや橋を設計すると、ビルや橋が壊れて人が死ぬことを意味しています。つまりハードウェアの技術者の仕事は物理法則によって担保されていると言うことです。

もう少し別の言い方をすると、物理法則とはモノの運動の法則です。モノを設計するあるいは製造する人間は、このモノの従う法則に逆らうことができません。これを格すと言うのです。

刀と人の関係も同様の考え方ができます。刀をいい加減に扱うと自分自身が傷つくばかりでなく他人の命さえ奪いかねません。ウチダ先生が書くように、正しく扱わないと身体を痛めることにもなります。これが何を意味しているのかと言うと、刀には刀の運動の法則と言うものがあって、刀を扱う人間は、この刀の法則から逃れることができないと言うことです。更には、刀を超えてその刀を扱う人間の生き方、考え方にまで、この刀の法則は支配が及びます。

ですからこの関係は共生などと言う対等の関係ではなく、ましてや人が主である関係でもありません。刀が人を支配する関係であるわけです。これを刀の法則が人を格すといいます。前回“刀を格すことができるのは「全身の構造的安定」による”と表現しましたが、格すのはあくまで人をです。つまり人が力で刀を支配するのではなく「全身の構造的安定」と言う形で刀の法則によって人が格されるのです。

さて問題のIT業界です。

IT業界の刀とはアプリケーションのことです。このアプリケーションと言う刀は、一体人の何を切るのか。続きはあした。 KAI

投稿者 : July 12, 2006 02:53 PM | トラックバック
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