シアトルの前回同様、ホテルに着くなり、携帯電話もネットも東京の事務所状態です。今回は例の体幽離脱を避けるために、あえてメールはチェックしないでいます。
しかしこの体幽離脱現象がなぜ起きるのか、今回改めて理由が理解できました。
それは、前々回久しぶりにPCSと言うエントリーの中で説明したように、私たちの仕事がすべてメールと言う形でPCS化されていることが、この原因でした。
以前もどこかでこのお話をしたかと思いますが、私たちのオフィスでは、年間を通してもほぼ社内の会議はゼロです。これは、すべての問題がPCS化されているため、その問題解決のための必要な情報は、メンバー全員がリアルタイムに共有していて、まるで会議の必要性など皆無であるためです。
つまり、社内で何が起きているのか、このメールを見さえすれば、すべてを把握できると言うことです。すなわち私たちの仕事と言うものが、実際のオフィスの空間上にあるのではなく、オフィスのパソコンの中のメール空間の中で遂行されていると言うことであり、メールさえ読めればその物理的な位置はまったく無関係と言うことです。
この結果、シアトルにいようがロスにいようが、メールを開いたとたん、物理的身体が瞬く間にメール空間の中に移動してしまうのです。このことは、東京のオフィスにいる間は、東京オフィス空間=メール空間であるために気がつかないだけだったのです。
と言うことで、今回はあえてメールをチェックしないことにしました。緊急なら携帯に電話がつながるのでまったく問題ありませんが、実はこんな状態は一昔前の海外出張では当たり前のことだったはずです。
私たちの物理的身体が、すでにこの物理的空間とは別の、もう一つの世界に居住し始めたことを示すのが、体幽離脱の真相だったのです。 KAI