November 22, 2005

オンライブテクノロジーとは

ながらく中断していた自己組織化アプリケーション問題が、ここにきてやっと繋がってきました。オンライブテクノロジーとは、この自己組織化アプリケーション開発のためのアーキテクチャーであり、オンラインサービスを開発しその成長発展を支える技術全般を指してオンライブテクノロジーと呼ぶことにします。

オンラインサービスの要は、もちろんアプリケーションですが、このアプリケーションの開発とは、従来からの考え方では、これを開発しサービスインするまでが中心で、以降をメンテナンスあるいは改造と呼び、アプリケーションの開発と切り離して考えてきました。

これを、オンライブテクノロジーの考え方では、初期の開発はアプリケーションの開発の準備期間と位置づけ、サービスイン以降の開発こそメインとして、アプリケーションを成長発展、進化させていくことを主眼とします。

オンライブテクノロジーの技術的特徴は、人間コンポーネントをデフォルトでアプリケーションの中に組み込むことです。人間コンポーネントには二種類のコンポーネントがあり、開発者コンポーネントと使用者コンポーネントです。そして、この人間コンポーネントは、超多重コンポーネント(スーパーマルチプルコンポーネント)であり、多機能を超える(ただし定義可能)機能コンポーネントと言う性格をもっています。

詳細な説明は追々やることにして、このオンライブテクノロジーの意味を説明することにします。従来からのアプリケーションの開発は、その「完成」を目的とした開発です。これがオンライブテクノロジーではその「進化」が目的になります。進化させるための土台をどう設計するか、進化させるメカニズムをどう設計するか、そして進化そのものの目的をどう設計するかが技術の中心のテーマです。

またこの進化の過程で、人間コンポーネント(特に使用者コンポーネント)によってその進化の方向性が大きく変わってくる可能性があります。更には人間コンポーネントの多重面が、次々とプログラム化されプログラムコンポーネントに置き換わっていくのは、まさに進化そのものの流れです。こうして進化していくアプリケーションが次々と生み出され、お互いが有機的に結ばれていく、まさにT1APの目指す世界と一致するのです。

このオンライブテクノロジーと言う立場に立ってみると、あのWeb2.0の意味合いがよく見えてきます。梅田さんがBlogでこう書いている。

「Web 2.0」は概念なんだという話は数週間前にした。

ではその概念に含まれているエッセンスは何か。色々なエッセンスの抽出の仕方はあると思うが、僕は「1995年以来進化してきたウェブ世界に、これまでよりもさらに一歩進んだ開放性をもたらそうと希求する考え方や行動」が「Web 2.0」の本質なのではないかと思う。

たとえば「Web 2.0」の文脈でよく語られる「サービスのAPI公開」というのは、ネット上の有象無象の連中を対象に「どうぞ自由に使って何をやってくれてもいいですよ」と自ら(データベースを含むサービスの機能)を「開いていく」ことである。ネットに本来備わっている「開放性」よりも、さらにいちだんと開放的である。

この「開放性」は、ネット上の「不特定多数無限大」に思いを馳せ、その連中の力を侮らず、警戒感よりは信頼感のほうにより重きを置いた発想をしなければ生まれない。「不特定多数無限大」を警戒しつつも、開放による実利を求める冷静さを、サービス提供者が持たなければ「Web 2.0」は実現されない。

そしてこの「開放性」は、ネット全体の「資源の有効利用」を促す。誰かが何かを作って(たとえばグーグルがMapsを作って)APIが公開されれば、その上で自由に誰もが新しいサービスを作れるとなれば、もう誰もわざわざゼロからMapsのようなサービスを作らなくなる。大物部分を作らなくても面白いサービスが開発できるネット上の「個」にとって、「Web 2.0」は朗報である。サービスやアプリケーション開発コストが恐ろしく下がるからだ。それが「資源の有効利用」の意味である。

これは、人間コンポーネントと言うかたちで地球上のすべての人を取り込んで進化していくアプリケーションを、人間側からとらえて「不特定多数無限大」的と説明していると、筆者は解釈します。筆者が言う内なるものと外なるものの関係の問題です。

やっとスッキリしてきました。 KAI

投稿者 : November 22, 2005 09:23 AM | トラックバック
コメント
コメントする









名前、アドレスを登録しますか?