北京酢豚
この料理は、以前取り上げた広東酢豚とペアとなる料理です。大好きな炒めものの、p.30。
ここでは北京でポピュラーな肉だけのバージョンをご紹介しますが、パイナップルの入らない酢豚は酢豚じゃない、という読者のために、広東バージョンも次ページで。
とウェンさんがコメントしているように、前回は広東バージョンで、今回が豚肉だけの北京バージョンの酢豚です。これが、またまた秀逸なんです。ポイントはやわらかさ。それもゆるゆるの、やわらかさでなく、ぱりぱりのやわらかさ、です。
筆者は昔から、女のやわらかさと言う快感は24色のクレヨンである、と言う学説^^;を唱えているのですが、ウェンさんの料理はまさにこの学説を立証するものです(キッパリ)。17番目のクレヨンで描かれた豚肉のやわらかさとは。
作り方はきわめてオーソドックス(と言いながらウェンさんのノウハウ満載)。
豚肩ロース肉を、切れ目を入れながら、角切りにしていきます。これに、ボールで、酒、こしょう、塩の順でもみこみ、20分ほどおきます。この肉を片栗粉でまぶして、炒め鍋で中温のサラダ油であげます。このあげる感覚はてんぷらのそれではなく、おおめの油で炒めると言ったほうが、より適切です。
炒め鍋を空にして、合わせ調味料(黒酢、砂糖、塩、酒)を中火で煮立てます。これにさきほどの豚肉を入れ、照りが出る汁気がなくなるまで炒めて、半ずりの白ごまをふり入れてひとまぜして、できあがり。
なんでぱりぱりしているのに、こんなにやわらかいのか。食べれば食べるほど、未知なる世界にミチびかれる料理が、酢豚、です。 KAI