FかVQか
まずおなじみの引用から^^;。
PQ=VQ+F+G
M=F+G
PQ=VQ+M
Q(損益分岐点)=F/(P−V)
(P:売上単価、Q:売上数量、V:変動費単価、PQ:売上、VQ:変動費、M:付加価値、F:固定費、G:利益)
自分たちのサービスのPQ(売上)が、顧客であるユーザーのビジネスモデルの中でF(固定費)であるのか、VQ(変動費)に分類されるのか、重要なポイントになります。FとするかVQとするかは、この費用がPQに連動しているかどうかで区別します。商品であれば、当然仕入が発生しますので、VQ以外に分類しようがありません。逆にいくら購入が発生しようが、直接PQに連動しなければFの分類になります。
この分類が何に影響を与えるか、これから説明します。企業のビジネスモデルの目的は、G(利益)の最大化ですから、PQ一定でGを大きく(G↑)するシミュレーションをやってみましょう。すると二つのパラメタしか動かしようがないことがわかります。F↓かV↓です。この両者の違いは、Fが総額であり、Vが単価と言うことです。
つまり企業が自社のビジネスの利益を大きくするためには、仕入商品の単価を低く抑えるか、固定費の総額を低く抑えるか、のいずれしかないと言うことです。従って、ASPサービスで販売する「機能」が取引先にとってVQ要因であれば、V(変動費単価)に対応する自社のP(売上単価)を低く抑えることが、ASPサービス側のPQ↑に貢献し、F要因であれば売上単価は関係なく、トータルの絶対額をおさえることが自社のPQ↑につながります。
ここで、これをB2Bではなく、B2Cで考えてみると、面白いことが見えてきます。B2Cとは顧客が一般消費者と言うことですから、例えばサラリーマンの家計を上記ビジネスモデルにむりやり当てはめるとPQとはサラリーマンの毎月の給料で、Qはあの困ったちゃん^^;の人月になります。当然自分自身ですからVQは発生しないことになり、サラリーマンが使う携帯の電話代は当然Fに分類されます。つまり電話代をいくら使っても、電話代は家計におけるPQに全く貢献しないと言うことです。
もしここで、電話代が定額制になるとどうなるか考えてみてください。電話をいくら使っても家計のGに影響を与えないとすれば、これは誰だってこちらのモデルを選択します。かくしてここに、ADSLやauの急拡大の秘密があったのです。当然、これは電話サービス側で、定額制に対応できるビジネスモデル(VQ=0)があってのことです。
定額制モデルはP=「機能単価」、従量制モデルはP=「情報単価」と言う仮説
さてここで、前回のエントリーで得た結論であるM=「機能」について、もう少し検討を進めることにします。
と、書いたところで、メチャオモ本に出会ってしまいました。続きはそのあとで。 KAI