鶏胸肉の細切り炒め
料理と言うものがきわめて戦略的なものであると、前、書きました。今回も、最後まで発見と感動の連続です。大好きな炒めものの、p.48。
レシピの下ごしらえに以下の記述があります。
1 赤唐辛子は種を除いてぬるま湯に30分ほどつけて柔らかくもどし、半分に切る。
えー?こんなん初めて。なんの意味があるのって思いながら、食べてみて、理由がわかる。
とにかく柔らかい。そして鶏肉がめちゃくちゃ、うまい。なるほどこれを演出するために、この赤唐辛子のぬるま湯漬けだったと言う訳です。更にこの鶏肉。『鶏の胸肉は脂が少なく、ぱさぱさして扱いにくい』とウェンさんがコメントしているように、脂分の少ない胸肉が、どうすればこんな、しっとり、やわらか、めちゃウマ、になるのか本当に不思議です。
これも下ごしらえに秘密がありました。とにかく細かくすることです。鶏肉は5mmの薄切りにして、これまた5mm幅に細切りにします。これに下味(塩、酒、しょうゆ、水でといた片栗粉、サラダ油)を順に加えてもみ込み、10分ほどおいておく。あと、きくらげはたっぷり水につけもどしてちぎる。しょうが、長ねぎはみじん切り、にんにく、薄切り。とにかく細かく、やわらかくです。
あとはこれらを炒め合わせるだけ。と言いながら、まだまだ気が抜けません。弱火がポイントと言うことで、炒め鍋で、サラダ油を熱し、しょうが、長ねぎ、にんにくと炒めて、これに赤唐辛子を加え、しっかり香りが立つまで、ずっと弱火です。香りが立ったところでここでやっと強火にして、鶏肉、きくらげ、肉に火が通って合わせ調味料(酒、しょうゆ、黒酢、砂糖、片栗粉、水)と、最後に全体を手早く混ぜて、できあがり。
まあ、これだけ丁寧に、下味、合わせ調味料と味付けして、しかも炒めすぎないように弱火で順に炒める、鶏肉のえもいえぬうまさに感動です。これはもう、やめられません。 KAI