「数学を使わない数学の講義」の続きです。
この本を翌日には読み終えました。三日経って、いまなお余韻が残っています。うまい表現ができませんが、何とも言えない強いメッセージを持った本であります。
このジレンマ(引用者注:循環論)から脱出して、筋の通った経済学を十九世紀後半につくりあげたのが、フランスのレオン・ワルラスだった。つまり彼は、経済現象は「すべてがすべてに依存しあっている」という相互連関関係を認めるところからスタートして、「一般均衡論」という学問体系を樹立させたわけである。(p.223)
ところで、経済理論を作りあげることが、なぜ困難かというと、それは経済的変数(要因)が相互連関しているからである。たとえば国民所得、消費、投資、賃金率、物価などの変数は、どれか一つが決まれば他のものも決まるという因果関係にあるのではなしに、おたがいに依存しあっているのであり、ここに困難がある。(p.224)
この記述は、今考えている自己組織化アプリケーション自体の相互依存関係に通ずる話です。この経済理論の解法が「連立方程式」モデルと言うのも、結局アプリケーション自体がある意味の「連立方程式」の構造になっていると言うことを示唆しているのでしょうか。
「批判」とは、一種の「継承」である(p.232)
マイナスの商品数量とは何を意味するか(p.248)
どちらのテーマも、今の筆者の脳にビンビン響いてくる内容でした。
で、その成果が、次のエントリーになります。 KAI