ある一定以上の「大量」の情報「すべて」を、メンバー全員が共有する意味とは
これは主従関係の逆転が起こっていると考えると全てうまく説明できます。すなわち情報を扱う人間(組織関係)と情報との主従関係の逆転です。
今までの組織の中で情報を扱うことは、あたかも野球選手がボールという情報をキャッチボールしているようなものでした。それに対して、大量の情報を共有するとは、情報という水で満たされたプールの中で泳ぐ水泳選手のようなものと言えばいいでしょう。
もう少し正確な表現をすると、今までは組織の都合に合わせた限られた情報を取捨選択して流していたと言うことであり、これがメンバー全員で大量の情報を共有するようになると何が起こるか。
それは、大量の情報が今度は主になって、これに合わせるかたちで、メンバー自体のネットワークが変化を遂げていくと言うことなのです。つまり、情報自体のダイナミックな変化に合わせて、この溢れかえる大量の情報を効率的に意味解釈できる組織(ネットワーク)に、つぎつぎと自分たちの組織形態を変化させていくと言うことです。まさにこれこそ自己組織化ではありませんか。
なるほど、自己組織化はある一定以上の量を超えないと発現しませんが、オープンソースムーブメントと自己組織化がこういう形で繋がっていると言うのも不思議な話ではありません。もう少しこのあたりの詳細な検討も面白そうですが、また長くなりそうですから、自己組織化アプリケーションを終えてから取り組むことにしましょう。 KAI