April 12, 2005

インターネット時代を支えるサーバーの技術要件(4)

本日もYAHOO!は障害を起こしています。

本当にYAHOO!技術陣は、もしYAHOO!の仕掛けを利用してミッションクリティカルなビジネスをやろうと考える人たちがいて、彼らから見れば、YAHOO!は「とても怖くて使えない」システムと思われてもしかたがないと言う事実に気づくべきです。

なぐさめではありませんが、確かに、銀行システムも筆者の現役当時毎週のように障害が発生していたのも事実です。言ってしまえば昔も今も進歩していないと言うことです。

しかし一方Googleの安定性をどう考えるかです。

もしGoogleがGmailやGoogleニュースだけでなく、例えば今日YAHOO!で障害のあったオークションにまで触手を伸ばし始めたら、最終的に消費者はどちらを選ぶのか、あっという間にGoogleに軍配が上がると言う可能性があると言うことです。

このことは、現に欧米ではGoogleのシェアがYAHOO!を超えている事実と無縁ではありません。

YAHOO!とGoogle、一方は手作業の最大限の発展形、一方は自動化の最大限の発展形。どちらもインターネットの技術を活用してアプリケーション機能を進化させてきていますが、ここにきて両者の基本的な「アーキテクチャ」の違いが顕著になってきたとも言えます。

もう少し具体的に言えば、YAHOO!は「ヒエラルキー型」アーキテクチャであり、Googleは「自己組織型」アーキテクチャです。

「ヒエラルキー型」技術の典型は原子力発電であり、スペースシャトルです。こう言った技術の特徴は、「すべて計算可能(想定内)」と言う前提の下に将来起こる事象と言う不確定な問題を、技術的に制御する、できると言う思想です。

一方の「自己組織型」技術は、将来計算外の事象が発生することを前提に、これに対してできるだけの機動的、ダイナミックな仕組みのつくりかえ、再編成を実現することに技術の中心をおくと言う思想です。

この思想の実験の取り組み結果は、すでに勝負あったと言ってもいいのではないでしょうか。 KAI

投稿者 : April 12, 2005 11:41 PM | トラックバック
コメント
コメントする









名前、アドレスを登録しますか?