ソフトセクターの競争戦略(3)KAIモデル
とうとう8月もお仕舞いになってしまいました。
前回のエントリーからずいぶん時間がたってしまいましたが、ソフトセクターの競争戦略の議論の続きをやります。今回は前回書きましたKAIモデルを説明します。
KAIモデルは本来定量化可能モデルですが、ここでは定性モデルとして説明します。
基本的なパラメタは、「業界」、「業務」、「業務機能」、「機能」の四つだけです。これですべて説明できます。機能の集合が業務機能です。業務機能の集合が業務です。業務の集合が業界です。更にこの機能とプログラムは一対一で実装レベルで結びついています。
このタームを使用して前回の議論の補足をします。
まず儲ける仕組みとは、企業がモノやサービスの売買を通して利益を上げるためのビジネスのやり方です。これは更に、B2B、B2Cのいずれであるのか、販売するのはモノであるのかサービスであるのか、モノであればどう言った種類のモノであるのかなど、業態、業界などに細分化されていき、それぞれの中でのビジネスのやり方があると考えるのが普通です。しかも同じ業界の中では概ね同じようなビジネスのやり方をしている(はず?)と考えます。その前提で、実現する仕掛けも、業態、業界毎に共通した仕掛けを適用できると考えるわけです。
つまり、世間の常識では、上記定義における集合間において明確に集合と集合の間に線を引けると言うことですが、実際はそんな単純ではありません。業界内の業務の中身がすべて同じ業務機能であり、機能であるか、冷静に考えればまったく考えるまでもないことです。
このことからの結論は、業界や業務とは確率レベルで分類できる概念であると言うことです。もう少しわかりやすい表現をすれば、業界内部であっても業務も業務機能も機能もよりどりであり、その組み合わせには見かけ上一般性があるとは思えません。
ここでKAIモデルでは、ある仮説を導入します。それは、最上位集合である業界ごとにその部分集合の最大値を持つと言うことです。これもわかりやすく書くと、業界にある機能は定義できない(厳密に書けば定義できます)が業界にない機能は定義できると言うことです。
更に一番最初のエントリーに書いたようにソフトアセットとはこの業務ノウハウであることと組み合わせるとおのずとソフトセクターの競争戦略が見えてきます。 KAI