今週は、ビジネスショウの、UBAのフォーラム「オープンシステム アライアンス・コラボレーションコーナー」にパネラーとして参加します。
その準備も兼ねての議論です。
IT業界に未来はあるのか−少々刺激的な題ですが、日本のIT業界に限って言えば未来はないと思っています。世界に拡げれば、無限の可能性がまだまだあると思います。そもそもIT業界って何かと問えば、コンピュータをとりまくハード、ソフト、サービスをビジネスにしている業界だと思いますが、逆にITを利用していない業界は、あったとしてもほんの数えるほどしかないでしょう。
日本のIT業界の特殊性の議論にあまり意味はないと思いますので、ここでは取り上げません。
世界のITの流れの本質は、インターネットで互いに接続されたアプリケーションとコンテンツが、いかに人々の生活や考え方を変えていくかであり、その変化のフィードバックが、再びITの流れを生み出していくというポジティブスパイラルの構造にあると考えます。
従来の微分化された技術としてのアプリケーションではなく、積分され、より高次元のアプリケーションが、われわれの生活レベルに浸透し始め、ビジネスはもちろん生活そのものがアプリケーションを不可欠のものとして受け入れていくことでしょう。
この、社会を支える技術こそITであり、IT業界の未来だと思うのです。
これを、車社会を例えに考えてみましょう。
今、車のない社会を想像することは不可能です。鉄道を無視すれば、どこどこへ行こうと言った場合、移動時間は車で何分です。徒歩何分は駅からの距離にしか使いません。
これは何を意味しているかというと、私たちの時間軸というものに今や車というものがアプリオリに組み込まれており、無意識に車という「アプリケーション」を前提に生活していると言うことです。ただ、人々がこういった生活をする上で車そのものに関心を持つことはあっても、車業界のことには全く意識を働かせることはありません。
ITも全く同様のことが成り立ちます。
ITにより供給されるアプリケーション(サービス)やコンテンツがよりリアリティを持って普通の社会のインフラの一部となって、私たちの生活を支えていく。そこでは、大都会で次々と生み出される高層ビルがごとく、ダイナミズムに満ちた開発が繰り広げられるのです。
当然こういった開発を支える技術も進化しより高度化していくことは間違いありません。
まさに、IT業界の未来はあるのかどうか疑うどころか、バラ色そのものだと、思いませんか。 KAI