そしてコロナの次は炭素問題(3)(再掲載)

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そしてコロナの次は炭素問題(2)、投稿日:2023年3月31日

これは丁度1年前のエントリーであります。

そしてここにきて「EVブーム」の終焉となるのでありますが、これを端的に表すのがテスラの株価なのであります。

 電気自動車(EV)メーカー、米テスラの株価は今年に入ってからの極端な下落からここ数日は持ち直しの兆しも見せているが、投資家に持続的な回復を確信させるために必要な明確な展望は開けていない。

 テスラは4月初めに1-3月(第1四半期)の引き渡し台数を発表する予定だが、予想はここ1カ月で急激に引き下げられた。最近のニュースの流れが、テスラ車需要の今後数カ月の低迷を示唆していることはさらに重要だ。

 データトレック・リサーチの共同創業者ニコラス・コラス氏は「納車予測が大幅に下方修正されたことで、テスラに対する投資家の信頼は失墜した」と指摘。「バリュエーションは往々にして、その企業の最も弱い部分に連動する。テスラの場合、それは自動車事業だ」と述べた。
テスラ株投資家の熱狂、戻るのか-最大の暗雲はEV需要の鈍化、2024年3月29日 20:56 JST

こうした状況の中で気になりますのが、日本のメーカーの動向なのであります。
 一方で、日本ではホンダの三部敏宏社長が「脱エンジン」を宣言し、2040年までに新車をEVとFCV(燃料電池車)に100%切り替える方針を打ち出したものの、「敵は脱炭素であり、エンジン車ではない」(豊田章男トヨタ会長)とするトヨタの「マルチパスウェイ(全方位)」戦略を筆頭として「EV普及に後ろ向きだ」との批判を浴びてきたのも事実だ。
「アップルカー開発断念」はEVブーム終焉のサイン?トヨタら日本勢はチャンスを活かせ、佃 義夫:佃モビリティ総研代表、2024.3.8 7:00
ここで重要となりますのが豊田章男トヨタ会長のこの発言であります。

「敵は脱炭素であり、エンジン車ではない」

まさに脱炭素こそ問題なのであります。

何が問題なのかと言えば、国連をはじめとした脱炭素を「ビジネス」とする勢力が世界中にいるからであります。

(そもそも地球温暖化と二酸化炭素との関係は「因果関係」ではなく「相関関係」なのであります。)

そうした中で欧米はEVシフトを、日本車たたきの道具にしてきたのであります。

これに対して皮肉なことに、二酸化炭素排出量の削減で欧米に比べて日本は群を抜いているのであります。

 日本は諸外国に比べて、CO2排出削減が進んでいるというデータもある。日本自動車工業会の資料では、2001年を100としたときの保有全体のCO2排出量が、アメリカ9%増、ドイツ3%増、フランス1%減、イギリス9%減と並ぶなか、日本は23%減となっている。
EVブーム終焉? 米で販売急失速…充電や消費電力の課題どう解決? 「日本は出遅れたと言われるが、10年後には評価されているのでは」、3/29(金) 19:46
まさにこうした状況の中での「EVブーム」の終焉なのであります。

今後なんらかの事情で石油価格が長期的高騰とならない限り、再びEVに回帰することはあり得ないし、トヨタの「マルチパスウェイ(全方位)」戦略こそ世界の潮流となると、KAIは考えるのであります。 KAI