ロシアの歴史的愚挙に思う(7)

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戦争が始まって10カ月。とうとう年越しであります。

ここ2、3カ月で、大勢が決することになるのではないかと思うのであります。
ロシアの歴史的愚挙に思う(5)、投稿日:2022年9月25日
このコメントが、まだ間違いだったと確定したわけではないのでありますが、戦場が過酷な冬場となって、物資不足に陥っているロシア軍にとって戦況はますます不利なものになるのは間違いないのであります。

ここにきて秀逸なる記事がありましたので、ご紹介させていただくのであります。

プーチン大統領がミスを犯した?

孫子の言葉に「敵が間違いを犯しているときには決して邪魔をするな」というのがあったと思いますが、ロシアの敵はご存じのように数多くの間違いを犯していました。

アフガニスタンで失敗し、NATOは弱体化し、ヨーロッパ各国は防衛費を使おうとしませんでした。アメリカにはトランプ前大統領がいて、アメリカ第一主義の立場でした。「なぜNATOが必要なのか」というところにまでいったのです。フランスのマクロン大統領は「NATOは脳死状態で我々は戦略的自治を求める」と言っていました。NATOはあらゆる面で弱体化し、アメリカは独自の道を歩んでいました。

まさにそんな中、プーチン大統領はヨーロッパを攻撃するというとんでもない行動に出て、そのたった1つの行為がNATOを団結させることになりました。彼は地上戦を始め、ポーランドに、そしてNATOに直接流入する何百万人もの難民を生み出したのです。

プーチン大統領の行動がNATOを団結させ、NATOを強化したのです。彼はチェスの名手でありロシアの偉大な戦略家だったはずですが、最も重大な戦略的ミスを犯しました。世界の舞台においてこれまでで最悪の戦略家の1人になってしまったのです。
プーチン大統領の判断ミス? 「ロシアは“ならず者国家”に」、2022年12月27日

なるほどであります。この結果がNATOや米国による強力なウクライナ支援となったと言うことなのであります。

それにしてもプーチンであります。

プーチンの頭の世界を想像するのは簡単なんであります。

■ウクライナを侵略し、ウクライナ全土をロシアの支配下におけると確信していた
■これに失敗し、軍の今回の最高司令官に命じて、ウクライナの部分的領土侵略に切り替えた
■この戦況がプーチンに正しく伝えられることなく、プーチンは、長期戦を覚悟した
■そのためにプーチン自らロシア同盟国への働きを強めることで、持久戦を有利に進めようと考えた
■あわせて前戦とは別に、ウクライナ各地のインフラの破壊を意図し、ミサイル攻撃を指示したのであります。

ところがであります。ミサイルは有限であります。これはやがて限界を迎えるのであります。

すでに申し上げました通り、ロシアの地上戦力は疲弊の一途をたどっているのであります。

ここにきて、ロシアにとって戦況が有利になる情報は皆無といってよろしいのであります。

しかしながら、冷静にこの状況を考えますならば、恐らくこの戦争は泥沼の様相を呈する危険性を、ここにきましてKAIは感じざるを得ないのであります。

はたして来年は、どのような展開になるのでありましょうか。

みなさま、良い年をお迎えください。 KAI