ロシアの歴史的愚挙に思う(5)

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なぜ今プーチンは、予備役30万人の動員を行うのでありましょうか。

ロシア 予備役30万人動員へ 戦闘で効果発揮可能性低い指摘も、2022年9月22日 19時31分

もっとも考えられる理由は、ロシア国民の戦意高揚ではないかと思うのであります。

これについてイギリス国防省は22日「ロシアは30万人を動員するための管理や補給面で苦労する可能性が高い。今後、数か月の間、動員された兵士による新たな部隊が戦闘で効果を発揮する可能性は低いだろう」と分析しました。

(中略)

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」も21日の分析で「ロシアの部分的な動員は、今後、数か月の間、戦いの方向性に実質的な影響を与えないだろう」と指摘しています。
ロシア 予備役30万人動員へ 戦闘で効果発揮可能性低い指摘も、2022年9月22日 19時31分

上掲の記事の中で指摘されております通り、動員による戦力補強の効果はほとんど見込めないのであります。

にもかかわらず、今動員をかけるのはなぜなのか。

開戦以来半年がすぎ、ウクライナの予想外の激しい反撃を前に、いまだはかばかしい戦果が得られないために、前線の兵士だけではなく国民全体の著しい戦意の低下があるのではあるまいか。

これに対して、30万人といえども動員による戦争当事者に仕立て上げることで、家族を含めて、戦意を戦場に繋ぎとめることを、プーチンは目論んでいるのではないかと思うのであります。

しかしながら、この目論見は真逆の結果を招くことになるのではないかと、KAIは考えるのであります。

それは、今回の動員に応じなければ、懲役10年の刑が科せられるために、いやいや戦地に赴くことになるからであります。家族もまた同様であります。

プーチンの目論見とは逆に、この動員で、一部の国民の中に、厭戦気分が拡散されることになると思うのであります。

さらには、動員した兵士が戦力になるより前に、ウクライナは奪われた領土を奪還し、ロシア軍のさらなる撤退が、厭戦気分に拍車をかけることになるのであります。

万が一、ロシア軍がウクライナから完全撤退に追い込まれた暁には、プーチンは相当苦しい立場に追い込まれることになるのであります。

自ら退任するか、クーデターで追い出されるか、いずれにせよ急速に求心力を失うのであります。

ここ2、3カ月で、大勢が決することになるのではないかと思うのであります。 KAI