はたしてプーチンは核を使用するのでありましょうか。
そして、ウクライナ戦争の行方は今後いかなることになるのでありましょうか。
今回はこの二つの問題について考えてみたいと思うのであります。
そこであらためて、ロシアがこの戦争を始めるにあたって何を考えていたのか、これを考えてみますと、以下のプランAとプランBが想定されるのであります。
■プランA
ゼレンスキー政権を倒してウクライナを実効支配する。
■プランB
プランAが失敗した場合、東部州を制圧し、ウクライナとの停戦に持ち込む。その後東部州をロシアに併合する。
この二つのプランの内、プランAは大失敗したのであります。
現在は、プランBが進行中と言うことなのでありますが、一部東部州の制圧に成功しているかの報道がある一方、ウクライナ軍も激しく反撃し、状況は必ずしも東部州の完全制圧には至ってはいないと言うのが真相ではないかと思うのであります。
更に、たとえもし東部州の一部の完全制圧できたとしても、ゼレンスキーがロシア側からの停戦を受け入れるはずもないのであります。
ゼレンスキー政権にとって、欧米からの軍事支援によって、今後ますますロシア軍への反撃を強めていく体制にあり、停戦などまったくもって頭の隅にもないのであります。
すべてのロシア軍をウクライナ領から追い出すまで、ゼレンスキーは戦い続けるのであります。
もちろんこれはクリミアも含めてでありますが、クリミアからロシアを追い出す口実を、今回は結果的に与えることとなったのであります。
このウクライナのロシアを追い出すまでの反撃がいつまで続くのか、これが今後の展開を考える上で重要になってくるのであります。
プーチンがこのまま黙ってウクライナからの撤退を受け入れることができるのか。
ここで問題となりますのが、プーチンの核使用であります。
この問題について、以下、二つの記事をご紹介したいのであります。
【ジュネーブ=森井雄一】核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のベアトリス・フィン事務局長が6日、読売新聞のインタビューに応じ、ロシアのウクライナ侵攻を巡る核兵器の使用について「(第2次世界大戦後)最も危険な状態にある」と懸念を示した。プーチン露大統領が核戦力を念頭に置いた発言を繰り返している状況について、偽情報やサイバー攻撃などをきっかけとして一気に不測の事態に発展する可能性があると指摘。「核兵器が使用されるリスクが高まっている。非常に深刻だ」と述べた。
露軍の苦戦を受けてプーチン大統領が戦術核を使う可能性については、「ロシアの戦術核は小さなものでも、広島に投下された原爆と同程度だ。人口密集地で使用されると壊滅的だ」と警鐘を鳴らした。
核使用をちらつかせて脅迫しているロシアに対し、フィン氏は「国際社会における立場を自ら破壊した。もはや核兵器を保持したままのロシアを信用することはできない」と批判した。その上で、「ロシアは核軍縮なしで国際社会に復帰すべきではない」と述べ、欧米や日本が科す経済制裁を解除する際にも、核軍縮を条件にすべきだとの考えも示した。
(後略)
(ロシアの核「使用リスクが高い」「一気に不測の事態も」…ICAN事務局長、2022/05/08 12:0)
また、プーチン大統領が核兵器の使用も辞さない構えを見せていることについて「われわれは真剣に受け止めなければならない。通常兵器が使われている戦場で、ロシアが核兵器を使うことは起こりうる」と述べ、警鐘を鳴らしました。そして、プーチン大統領は何年も前から核兵器の使用に言及し、脅すことで欧米の行動を抑止しようとしてきたと指摘したうえで「欧米諸国は今、ウクライナでの行動をほぼ完全に抑え込まれてしまっている。われわれが『ウクライナに入って戦わない』とか『これもしない、あれもしない』と言っているのはすべて、プーチン氏による核兵器の使用を恐れているからだ」と述べました。
そのうえで「相手に主導権を握られ、その対応に追われるのではなく、自分たちが主導権を握り、相手に対応を強いるべきだ。懸念すべきことは第3次世界大戦ではなく、犯罪的な指導者が率いる『ならず者国家』をいかに阻止するのかということだ」と述べ、欧米が脅しに屈せず、より強い行動をとるべきだと強調しました。
(NATO元最高司令官「すでにわれわれは第3次世界大戦のさなか」、2022年5月9日 9時08分)
この二つの記事にもありますように、プーチンは核を使用する可能性が極めて高いのであります。
そしてそのタイミングは、ロシアがウクライナから撤退以外ない状況に追い込まれたときではないかと考えるのであります。
すなわち、そのタイミングでの核ミサイルによる首都キーウのゼレンスキー暗殺なのであります。
プーチンが考えるプランCであります。
■プランC
首都キーウを廃墟にすることで、占拠する東部州のひとつを首都とする。ウクライナ軍の反撃はゼレンスキーの死去により鎮静化し、東部州の完全制圧を続けることができる。
いやいやいや。
たとえゼレンスキーがいなくなったとしても、今のウクライナ軍の士気が衰えることはあり得ないし、必ず第2、第3のゼレンスキーが現れ、ロシアへの抵抗を続けることは間違いないのであります。
そしてプーチンの核使用と言う暴挙に対する欧米の反応であります。
一番考えられるのは、NATO軍によるモスクワミサイル警告であります。ロシアが直ちにウクライナから撤退しない限り、何月何日未明モスクワを複数基地からミサイル攻撃する、という警告であります。
まさに第三次世界大戦であります。
この暴挙を止めることが、はたしてできるのでありましょうか。
このキーポイントとなりますのが、ロシアの盟友ベラルーシ大統領の以下の発言なのであります。
ベラルーシ大統領がロシアの核兵器使用について容認できないと述べた。核兵器の使用について聞かれた際、недопустимо【容認できない】が3回出てきました。盟友ベラルーシ大統領の言葉さえに聞く耳を持たぬとなりますれば、もはやプーチンは認知症を発症しているとしか考えられないのであります。
よほど焦ってるんだと感じました。
Президент Белоруссии считает, что применение ядерного оружия на Украине может «сорвать наш земной шарик», который «улетит неизвестно куда». При этом он выразил мнение, что Путин не хочет глобального столкновения с НАТО(Twitter、青柳敬@kei1380、午前10:00 ー 2022年5月6日)
http://amp.gs/jldNg
(Twitter、РБК@ru_rbc、午後10:00 ー 2022年5月5日)
ただただ最悪の事態にならんことを願うばかりなのであります。 KAI
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