いよいよ2019年も、大晦日とあいなったのであります。
さて、本日期限とトランプを挑発してきたわれらの金正恩くん、さすがにこれがこけおどしであったことが明らかになった、2019年の最後の日となったのであります。
これは前回のエントリーで「北朝鮮の篭城戦」と表現させていただきましたとおりの展開となっているのであります。
今回はそれを、今月1ヶ月間の動きから確認してみたいと思うのであります。
まずはこれをご確認いただくために、この前回のエントリーで書かせていただきましたKAIの所見をご覧いただきたいのであります。
トランプにとってこの所見がいかに的確であったか、順を追って以下述べさせていただきたいのであります。
・現時点で米国本土への核攻撃の可能性がほぼなくなった
・これにより米国本土を射程にしたミサイル以外の発射を容認
・北朝鮮の非核化交渉を急ぐ必要性がなくなった金正恩くんにとって
・米国の軍事的脅威(金正恩くん暗殺を含む)がほぼなくなった
・ミサイル発射が容認されたことで、核開発を含めた軍事開発推進への拍車がかかった
・もとから非核化は毛頭なく、過去続けてきた見せ掛けの非核化を交渉材料にする方針を確認
(北朝鮮崩壊のシナリオ(13)、投稿日:2019年11月30日)
ワシントン(CNN) トランプ米大統領は8日、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長に対し、敵対的な行動を取れば自身との「特別な関係」を損なうことになると警告を発した。この記事のポイントは、<トランプ氏はツイッターに、正恩氏は敵対行動のせいで「事実上全て」を失う恐れがある>の部分であるのであります。北朝鮮の朝鮮中央通信は同日、西海衛星発射場で「極めて重要な実験」を成功させたと発表した。
これに対してトランプ氏はツイッターに、正恩氏は敵対行動のせいで「事実上全て」を失う恐れがあると投稿。「米大統領との特別な関係をふいにする」ことは望まないはずだと書き込んだ。
CNNが先週入手した衛星写真では、北朝鮮が同発射場でミサイルのエンジン試験を再開する可能性が指摘されていた。7?8日に民間衛星から撮影された写真にも、エンジン試験を実施した形跡がみられた。
北朝鮮の外務省高官は10月、正恩氏がトランプ氏との「特別な」関係をたたえ、両首脳は「互いへの信頼」を維持しているとの声明を出していた。
トランプ氏も7日の時点で記者団に、正恩氏との関係は「非常に良い」と語ったが、同時に「一定の敵対関係があることは確かだ」とも認めていた。
トランプ氏は8日のツイートで、北朝鮮は約束通り非核化を実行しなければならないと強調した。一方、北朝鮮の金星(キムソン)国連大使は7日、米国との交渉のテーブルから非核化は消えたとする声明を発表していた。
(トランプ氏、正恩氏に警告 「特別な関係をふいにする」、2019.12.09 Mon posted at 10:22 JST)
つまり、金正恩くん、もしなにかやらかせば容赦しないと、トランプが言い放ったと言う事実なのであります。
すなわち、これ以降、いくら北朝鮮が何を言おうが、米国は聞く耳もたずを貫くのであります。
アメリカのトランプ大統領は、北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長に対して、「アメリカに敵意を示したらすべてを失う」と述べました。これについて北朝鮮は談話を発表し、われわれはこれ以上失うものはないと反発したうえで、アメリカに対して「安全への脅威が大きくなっていく現実を見守るしかないだろう」とけん制しました。挑発すれども、米国反応せず。あせる北朝鮮であったのであります。北朝鮮がかつて事実上の長距離弾道ミサイルを発射した発射場で「重大な実験」を行ったことを発表するなど、ミサイルの発射を再開する可能性を示唆する中、トランプ大統領は8日、ツイッターに「キム・ジョンウンは賢く、アメリカに敵意を示したらすべてを失うことを知っている」と投稿し、キム委員長をけん制しました。
これについてキム委員長の側近で朝鮮労働党のキム・ヨンチョル副委員長は談話を発表し、「われわれはこれ以上失うものはない」としたうえで、トランプ大統領の発言について「老いぼれのもうろくだと言わざるをえない」と反発しました。
そして、アメリカに対して「勇気と知恵がなければ、過ぎていく時間とともに、安全への脅威が大きくなっていく現実を見守るしかないだろう」とけん制しました。
北朝鮮は、アメリカとの非核化交渉をめぐって一方的に「年内」という期限を設けて譲歩を迫っていて、米朝双方の駆け引きが激しくなっています。
(北朝鮮 「安全への脅威大きくなる」と米をけん制、2019年12月9日 20時36分
【ソウル=恩地洋介】非核化交渉で米国に譲歩を迫る北朝鮮が強硬姿勢を強めている。年末が交渉期限だと主張し、下旬に開く党会議で「重大な問題」を決定すると予告する。大陸間弾道ミサイル(ICBM)関連とみられる実験を繰り返し、米高官の対話呼びかけにも応じなかった。日米韓の防衛当局は弾道ミサイル発射などの挑発を警戒している。さらにここにきてトランプは決定的発言をするのであります。米国務副長官への昇格が決まったビーガン北朝鮮担当特別代表は15?20日に韓国、日本、中国を訪れた。韓国では北朝鮮に対話を呼びかけ、板門店での接触を探ったが反応はなかった。北京で北朝鮮高官と協議するとの観測も浮上したが、実現しなかったもようだ。
トランプ米大統領は20日、中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席と電話協議し、米中貿易交渉の進展を確認したほか、北朝鮮情勢についても意見交換した。
他方、北朝鮮はミサイル開発を再び活発化させるような行動を次々と公開しており、2回目の「重大な実験」を13日実施したと明らかにした。専門家は強力なICBMエンジンの開発実験とみている。朝鮮中央通信によると実験時間は7分間で、エンジンの燃焼時間だった可能性がある。北朝鮮が2016年9月に実施した実験時間は200秒だった。今回はその2倍を超える。
金正恩(キム・ジョンウン)委員長は16年のエンジン実験を「革命」と呼び、17年11月には米本土に到達する能力を持つICBM「火星15」の発射へと至った。エンジンの出力が向上すれば、ミサイルの弾頭の重量も増やせる。韓国国防研究院が最近出した報告書は、複数の核弾頭を搭載する「多弾頭ICBM」の開発が進められていると指摘した。
北朝鮮外務省高官は3日、「クリスマスプレゼントに何を選ぶかは米国次第だ」との談話を出した。米太平洋空軍のブラウン司令官は北朝鮮が長距離弾道ミサイルを発射する恐れがあるとの見方を示した。韓国国防当局は「宇宙開発」の名目で人工衛星を発射する可能性に注目している。北朝鮮はかねて人工衛星と称してミサイル発射実験を重ねてきた。
10月2日に発射した潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の実験を繰り返すとの観測もある。米戦略国際問題研究所(CSIS)は北朝鮮西岸の南浦港で、水中発射試験台近くの活動が再開されたと分析している。米軍は警戒を強めており、聯合ニュースによると21日には空軍偵察機「E8ジョイントスターズ」が朝鮮半島上空を監視飛行した。
国連安全保障理事会が17年12月に決議した対北朝鮮制裁には、北朝鮮がICBM級のミサイルを再度発射した場合、石油の供給制限をさらに強める条項がある。ただ、圧力強化で国際社会の足並みをそろえられる保証はない。追加制裁にはすべての常任理事国の賛成が必要だからだ。
11日の安保理会合で、米国のクラフト国連大使は北朝鮮のミサイル発射を「決議違反だ」と非難したが、中国とロシアは16日に対北朝鮮制裁を一部停止するよう求める決議案を提出した。22日に期限を迎える北朝鮮出稼ぎ労働者の送還措置の撤廃や、南北経済協力の容認をうたっている。
(北朝鮮、「交渉期限」年末へ強硬 米高官と対話応じず、北朝鮮 朝鮮半島 北米、2019/12/21 19:30)
「北朝鮮に対して軍事力を行使する」
北朝鮮が一方的に設けた非核化交渉の期限が年末に迫り、新たな挑発行為への警戒が高まる中、アメリカのトランプ大統領は北朝鮮の出方を見極めたうえで、どのような事態にも適切に対処する考えを示しました。まさに金正恩くんにとって、フラッシュバックとなったのであります。北朝鮮は、アメリカとの非核化交渉の期限を一方的に年末だとしたうえで「クリスマスのプレゼントに何を選ぶかはアメリカしだいだ」とけん制していて、新たな挑発行為への警戒が高まっています。
こうした中、トランプ大統領は24日、年末の休暇を過ごしているフロリダ州の別荘で記者団に対し「ミサイル実験ではなく、すてきな花瓶のようなよいプレゼントかもしれない。何が出てくるか見てみよう」と述べ、北朝鮮の出方を見極める考えを示しました。
そのうえで「北朝鮮のプレゼントが何であれ、うまく対処する」と述べ、どのような事態にも適切に対応する考えを示しました。
トランプ大統領は先に、北朝鮮に対して軍事力を行使する可能性を示唆する発言もしていて、非核化交渉をめぐる米朝の駆け引きが続く中、北朝鮮の行動とともに、アメリカ側の対応にも注目が集まっています。
(トランプ大統領 北朝鮮の出方見極め適切に対処する考え、2019年12月25日 5時36分)
みなさまには思い出していただきたいのでありますが、なぜ金正恩くん、懸案の両国の首脳会談に応じざるを得なかったのか。それはトランプによる一連の軍事圧力により、対応せざるを得なかったからであります。
北朝鮮が「クリスマスのプレゼントに何を選ぶかはアメリカしだいだ」として何らかの措置をとる可能性を示唆していることについて、トランプ政権の高官は北朝鮮が長距離弾道ミサイルの発射などを強行すれば「非常に失望する」と指摘したうえで、アメリカの対応には多くの選択肢があるとして、北朝鮮を改めてけん制しました。いかがでありましょうか。金正恩くん、あらためて軍事力行使をほのめかされ、現在のあらゆる篭城作戦が無力であることを思い知らされた年末なのであります。北朝鮮はアメリカとの非核化交渉をめぐり、一方的に「年末」を期限として制裁の解除などの譲歩を迫り、「クリスマスのプレゼントに何を選ぶかは、すべてアメリカの決心にかかっている」として、打開策が示されなければ何らかの措置をとる可能性を示唆しましたが、これまでのところ挑発的な動きは確認されていません。
これについて、ホワイトハウスで安全保障問題を担当するオブライエン大統領補佐官は29日、アメリカのABCテレビのインタビューで「北朝鮮は考え直したのかもしれないが、様子を見る必要がある。状況の注視を続ける」と述べ、引き続き北朝鮮の動向を監視する考えを示しました。
そして北朝鮮が長距離弾道ミサイルの発射や核実験を強行すれば「非常に失望し、その失望を表明するだろう」と指摘したうえで、「われわれには多くの選択肢があり、北朝鮮にさらなる圧力をかけることもできる」と述べ、北朝鮮を改めてけん制しました。
(米大統領補佐官「われわれには多くの選択肢」北朝鮮をけん制、2019年12月30日 6時31分)
と言うことで、年明け早々何が起きるか。
恐らく、金正恩くんは核実験を再開するとKAIはみているのであります。
もちろん米国に向けたミサイル発射もありうるのでありますが、これは米国の軍事行動へ直結しやすいため、まずは核実験と、考えるのであります。
その交渉の中で、金正恩くん、篭城戦に活路を見出す作戦なのであります。
なかなかしぶとい金正恩くんではありますが、それではみなさまよい年をお迎えください。 KAI
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