北朝鮮崩壊のシナリオ(13)

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久々の金正恩くんなのであります。

ここにきて金正恩くん、ずいぶん強気に出てきているのであります。

[ソウル 18日 ロイター] - 北朝鮮は18日、トランプ米大統領が成果を誇示するだけの意味のない協議にもはや関心はないとし、米国が対話を望むのなら北朝鮮敵視政策を撤回すべきと主張した。北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)が金桂冠・外務省顧問の声明として報じた。

それによると「米国がわれわれとの対話を本当に放棄したくないのであれば、敵視政策の撤回を決定すべきだ」とした。

トランプ大統領は17日にツイッターで、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長に対し、「迅速に行動しディール(取引)を成立させるべき」だと呼び掛けた。また「すぐに会おう」と書き込み、新たな会談の可能性を示唆した。

金桂冠氏は、トランプ氏のツイッターを読んだとした上で、昨年6月から3回にわたる首脳会談にもかかわらず、進展はほとんどないと指摘。「われわれに得るものがない協議には、もはや関心がない」とし「われわれに見返りがないため、われわれは米大統領が自慢できるような贈り物をするつもりはない」とした。

北朝鮮側の反応について、ある米国防総省の高官は、北朝鮮との対話の門戸は開いているとした上で「北朝鮮の態度は(事態の改善に)役立っていない。北朝鮮には歴史的なチャンスが到来していることを理解してもらいたい」と述べた。またエスパー国防長官が18日、バンコクで中国の魏鳳和国防相と会談し、北朝鮮が「問題解決に臨む姿勢」で交渉のテーブルに着くよう中国側に働き掛けを要請したと明らかにした。

10月の米朝実務者級会合は成果なく終わった。北朝鮮側は米国が手ぶらで交渉のテーブルにやってきたと批判していた。

北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)第1外務次官は18日、ロシアに向かった。アナリストは、米国との交渉戦術について話し合うための訪問とみている。

北朝鮮は今月、米国からの新たな協議提案を、「北朝鮮の懐柔」を目的とする協議に応じる意思はないと拒否した。
北朝鮮、トランプ氏の呼び掛けに冷ややか 「無意味な協議せず」、2019年11月18日 / 19:05

同じタイミングで、以下の記事も発信されたのであります。
【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮の金英哲(キム・ヨンチョル)朝鮮労働党副委員長は19日未明、米国が今月予定していた韓国との空軍合同訓練の延期を決めたことに対して「要求しているのは演習の完全中止」だと談話で明らかにした。

 金英哲氏は、訓練を延期しても「朝鮮半島の平和と安全が保証されるわけではない」とし、エスパー米国防長官が呼び掛けた非核化をめぐる再協議について「核問題の根源の敵視政策が完全に後戻りできないよう撤回されるまで論議する余地もない」と主張した。

 米側の動きを「時間稼ぎ」とも批判し、現状では「対座する考えは全くない」と強調。北朝鮮のこれまでの措置への「対価」も求めた。この直前にも金桂寛(ゲグァン)外務省顧問が敵視政策の撤回を要求しており、金正恩(ジョンウン)党委員長が交渉の再考期限として示した年末が迫る中、米側から譲歩を引き出そうと圧迫を強めている。

 一方、朝鮮中央通信によると、米朝実務協議を担う金明吉(ミョンギル)巡回大使は19日、米側が12月の再協議を提案したのはスウェーデンを通してだと明らかにし、「第三国を立たせる」米側のやり方を批判。「敵視政策を撤回しない限り、対話の開催は困難だ」と念を押した。
北朝鮮高官「敵視政策撤回まで非核化論議せぬ」、2019.11.19 08:28

この二つの記事を読む限り、米朝交渉は膠着状態に陥ったと言うのは、まず間違いないのであります。

すなわち、

トランプにとって
・現時点で米国本土への核攻撃の可能性がほぼなくなった
・これにより米国本土を射程にしたミサイル以外の発射を容認
・北朝鮮の非核化交渉を急ぐ必要性がなくなった

金正恩くんにとって
・米国の軍事的脅威(金正恩くん暗殺を含む)がほぼなくなった
・ミサイル発射が容認されたことで、核開発を含めた軍事開発推進への拍車がかかった
・もとから非核化は毛頭なく、過去続けてきた見せ掛けの非核化を交渉材料にする方針を確認(上記引用がそれ)

といったところなのであります。

とはいえ、北朝鮮にとって米国と日本および国連による経済制裁は深刻なのであります。

本来でありますならば、北朝鮮は、これだけの経済制裁を受けているのであれば、つぎつぎとしたミサイル発射など、まったくもって不可能であるはずなのであります。

ところが、どうでありましょうか。

いまだに、金正恩くん、意気揚々なのであります。

実は、これは不思議でもなんでもなく、影で北朝鮮を支援する国、あるいは組織が存在するからに他ならないのであります。

うわさでは、これが米国の民主党を支持するグループであるとか、あるいは韓国の現政権であるとか、いずれにせよ北朝鮮が、このきわめてきびしい経済制裁の中で、いまだに弱音を吐くこともなく強気を続けている、この一点においては事実であると言えるのであります。

と言うことで、北朝鮮の今後の展開なのであります。

この状況は、ある意味、北朝鮮の篭城戦なのであります。

トランプにとって、今行っている経済制裁を一歩たりとも後退させる理由は、微塵もないのであります。

これに対して、金正恩くんが振りかざすカードとは、「北朝鮮のこれまでの(非核化の)措置」、たったこれだけであるのであります。この措置と、「敵視政策の撤回」と言う「対価」とはあまりにも隔たりがおおきいことに、金正恩くんは気付くことができないのであります。

この篭城戦、結局は北朝鮮の兵糧がつきるまで続くことになるのであります。

あるいは、影で経済支援を続ける組織か韓国をトランプがたたくことができたとき、そして業を煮やしたトランプが再び軍事行動にうってでることになるのか。

まだまだ北朝鮮情勢から目は離せないのであります。 KAI

p.s.思わぬ情報を得ましたので、追記するのであります。

なぜトランプがここにきて、「北朝鮮の非核化交渉を急ぐ必要性がなくなった」のか、そのわけを窺わせる情報がでてきたのであります。
米国による金正恩斬首作戦が来年9月末、オリンピックのふた月後に実行されることが決まったようだ。作戦名は「ワームビア作戦」。北朝鮮に拘束され17年に死亡した。空爆によるものかCIAと金正恩の側近との協同斬首かわからないが、日本は今度こそこの機会に乗じて拉致被害者を奪回すべきである。
Twitter、高橋三千綱@EgwJk0eo1xFkX1G、午後3:35 2019年11月29日