いやはや、これはなんと申しましょうか、大外れとしか言いようがないのであります。
そこで今回は、なぜ大外れとなりましたのか、そのあたりを考えてみたいのでありますが、ここから透けて見えてきますのが、安倍さんの頭の中であり、第4次安倍再改造内閣の今後についてであるのであります。
まずは麻生太郎財務金融大臣の留任であります。
大方の見方によれば安倍政権の大黒柱である麻生大臣留任は既成事実であり、事実結果はそうなったのでありますが、KAIはこれはないと予想したのであります。
つまり、具体的には、財務大臣の麻生太郎と外務大臣の河野太郎の「太郎チェンジ」、財務大臣に河野太郎、外務大臣兼副総理に麻生太郎を起用し、消費税増税の失敗の責任を事前に麻生太郎にとらせる作戦と、KAIは見るのであります。ここに「消費税増税の失敗の責任を事前に麻生太郎にとらせる作戦」と書いたのでありますが、麻生がこれを拒否して留任となったか、あるいはそもそも安倍さんの頭の中にはそんな作戦はなかったのか、いずれかの結果であると考えられるのであります。
(さて(暇なので)参議院選挙の予想でもしますか(4)、投稿日:2019年8月31日)
もちろんKAIは前者と考えるのでありますが、麻生が拒否するのにも明白な理由があるのであります。
それは、消費税増税が失敗かどうかはまだわからないからであります。
責任とは事前に取るものではないと言うのであります。
なるほど、これはごもっとも。
では、明白に増税失敗と判明する年明けの経済報告後は、いかがなことになるのでありましょうか。
KAIは、この時点で安倍さんは、消費税増税の取消しの是非をテーマに国民に信を問いたいとして衆院選に打って出るのではないかと考えるのであります。
その結果として麻生太郎に責任をとらせる。これなら麻生にとっていかなる方法をもってしても抵抗のしようがないのであります。
そのとき、満を持して河野太郎を財務大臣に起用するために、河野を防衛大臣にして温存させたのではないかと、KAIはかように考えるのであります。
防衛大臣起用にも格好の理由があるのであります。対韓国姿勢で優柔不断との批判を受けてきた岩屋前防衛大臣に変わって、外務大臣として韓国へ強硬姿勢を貫いてきた河野太郎を起用することは、韓国政権に対する強烈なメッセージとなるのであります。
さて、続いては小泉進次郎の入閣についてであります。
KAIは小泉氏の入閣は、まずないと見ているのであります。これを覆したのは、菅義偉。その理由は、彼は無派閥であり、しかも石破茂支持者であったからであります。
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安倍さんにとって、確かに小泉人気は捨てがたいものがあるものの、上記に述べさせていただきました通り今後政権の危機が予想される状況においては、心情的に志を一つにする仲間を、まずは優先して引き入れたいと思うのが自然ではないかと考えるのであります。
(さて(暇なので)参議院選挙の予想でもしますか(4)、投稿日:2019年8月31日)
国会議員の育休発言で入閣はほぼないと見られていた小泉進次郎に助け舟を出したのは、小泉と同じ神奈川を地盤とする菅義偉であったのであります。
安倍さんにとって菅義偉の意向を無視するわけにもいかず、といったところではないかと思われるのであります。
(今回石破派からの入閣はゼロとなり、完全に決別であります)
続いて、憲法改正についてであります。
■「一連の人事では、首相が目指す憲法改正を進めるためにどういう布陣を敷くかも焦点となる」これは、ほぼ的中といってよろしいのではないでしょうか。残念ながら、憲法改正のための人事は焦点にならないと、KAIは考えるのであります。
理由は簡単で、今回の参院選で、憲法改正派が3分の2を割り込んだからであります。
もちろん今後の状況次第で再び3分の2を超えることがあるかもしれないのでありますが、早急に状況が大きく変わる見込みがあるわけでもない中で、しかも国会で議論さえ始められず、これでは憲法改正もその人事も焦点になりようがないのであります。
かといって、安倍さん、憲法改正をここであきらめたわけではないことを、KAIはひとこと付け加えておくのであります。
(さて(暇なので)参議院選挙の予想でもしますか(4)、投稿日:2019年8月31日)
人事的に憲法改正を見据えて特化した、具体的な布陣はなかったということであります。
しかも「かといって、安倍さん、憲法改正をここであきらめたわけではないことを、KAIはひとこと付け加えておくのであります」と書きました通り、記者会見では次のように述べているのであります。
安倍晋三首相は11日夕、第4次安倍再改造内閣発足を受けて記者会見し、憲法改正について「必ずや成し遂げていく」と述べた。「衆参両院で第1党の自民党が憲法審査会でリーダーシップを発揮すべきだ」とは、安倍さんとして、もはやなす術なしといったところでありましょうか。また、憲法改正論議について「自民党は憲法改正の議論を強く推進していく」とし、「衆参両院で第1党の自民党が憲法審査会でリーダーシップを発揮すべきだ」と述べた。
与野党がそれぞれの改憲案を提起することも求めた。
(【内閣改造・安倍首相会見】(2)首相、憲法改正「必ず成し遂げる」)
そして、最後、二階氏の処遇でありますが、予想通りの続投であります。
以上の考察の通り、安倍さんの危機意識には変わりはないことを、KAIは確信するのであります。
と言うことで、来年年明け早々から波乱含みの政局となることをKAIは強く予感するのであります。 KAI
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