大阪春の陣の命運や如何に?

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大阪維新の会にとって、いよいよ最終決戦のときとなるのであります。

4月7日に投開票が行われる大阪府知事および大阪市長のダブル選挙と大阪府議会および大阪市議会の議員選挙。これらの結果によっては、大阪の政局はきわめて流動的、波乱含みの展開となることが予想されるのであります。

そこで、今回のエントリーでは、この選挙の結果で予想される展開について考察してみたいと思うのであります。

まずはダブル選挙でありますが、知事選挙につきましては、おおかたの見方は吉村氏の圧勝であります。これにKAIはまったくもって異論はないのであります。

問題となりますのが市長選挙のほうでありまして、こちらは意見の分かれるところとなるのであります。

反維新勢力に支配された関西メディアが報じるところであります「松井苦戦」情報は、眉に唾つけて聞き流せばよろしいかと思うのでありますが、比較的まともな情報が、こちらであります。

来月7日に投開票が行われる大阪府知事選・大阪市長の「大阪ダブル選」は、大阪維新の会の前職と、自民・公明両党が推薦し立憲民主党や共産党などが自主的に支援する「反維新」の候補が争う一対一の構図となっている。報道ベンチャーのJX通信社では、21日から24日までの4日間、大阪府内の18歳以上の有権者を対象とした電話世論調査を行い、定性的な情報も加味して序盤の情勢を探った。調査の概要や実施方法は、本稿末尾の記載の通りだ。

府知事選は吉村氏先行 小西氏追う
大阪府知事選の序盤情勢は、大阪維新の会の吉村洋文前大阪市長が先行し、自民党と公明党大阪府本部が推薦する元副知事の小西禎一氏が追う展開となっている。ただ、有権者の3割弱が態度を決めておらず、情勢は流動的だ。

吉村氏は大阪維新の会支持層の9割弱、自民党支持層の約2割に加え、無党派層の3割台半ばから支持を得ている。また、小西氏を支援する立憲民主党や共産党の支持層にも一部食い込んでいる。対する小西氏は、推薦を受ける自民党支持層の半分弱と公明党支持層の7割のほか、支援を受ける立憲民主党、共産党の支持層からそれぞれ過半の支持を集めている。また、無党派層からも2割強の支持を得ている。

大阪市長選は松井氏が一歩リード 柳本氏猛追
大阪市長選では、大阪維新の会代表の松井一郎前大阪府知事が一歩リードし、自民党と公明党大阪府本部が推薦する柳本顕元大阪市議が猛追している。なお、有権者の約2割台半ばが態度を決めておらず、情勢は流動的だ。

松井氏は大阪維新の会支持層の9割弱、自民党支持層の約1割と無党派の2割台半ばから支持を得ている。また、公明党支持層にも一部食い込んでいる。対する柳本氏は、推薦を受ける自民党支持層の6割強と公明党支持層の7割のほか、立憲民主党支持層の7割超、共産党支持層の8割からもそれぞれ支持を得ている。また、無党派層からは約3割の支持を得ている。

なお、府知事選の動向を大阪市内に絞って見ると、有権者のうち、府知事選で吉村氏に投票するとした層の8割強は、市長選では松井氏に投票するとしている。また、府知事選で小西氏に投票するとした層は9割超が市長選では柳本氏に投票するとした。このように、ダブル選の「維新対反維新」の構図に合わせて、有権者が府知事・市長候補をセットで選ぶ傾向が見られる。
大阪ダブル選序盤情勢 知事選は吉村氏先行 市長選は松井氏一歩リード=JX通信社情勢調査、米重克洋、3/25(月) 18:10

この記事で重要な指摘は、<ダブル選の「維新対反維新」の構図に合わせて、有権者が府知事・市長候補をセットで選ぶ傾向が見られる>とのことであり、知事候補の吉村氏圧勝予測と合わせて考えますれば、KAIは松井氏も圧勝するのではないかと考えているのであります。

すなわち、投票日当日、NHKいだてん放送開始と同時の、ダブル当確テロップが流れると見ているのであります。

さて、もういっぽうの府議会市議会の議員選挙なのでありますが、議会の過半数を占めたい維新にとってこちらの選挙には大きな問題が横たわっているのであります。

大阪市議会は、中選挙区制です。24区すべて議席は3人以上(注)。維新が出馬するまでは、この議席を、自民、公明、民主、共産が1議席ずつ分け合ってきた。ここに維新が参戦し、すべての区で議席を確保しても24議席にしかならない。議席の過半数を取るために無理して同じ選挙区に候補を2人立てれば間違いなく共倒れになる。

結局、第1党になることはできても、安定多数を占めることは永遠にできない。

その仕組みを考えたのも、もちろん役人だったのです。

結局、与党と言えども、役人による調整と言う談合行政を受け入れざるを得なかったのです。

この仕組みを壊すには、大阪市の解体による以外にはない、と言うことだったのです。

都構想では、区議会の、一つの選挙区の議席は10議席以上になりますので、十分過半数以上の議席を取ることが可能になる。

この結果、維新のような政党が過半数の議席を得ることで、公約となる「政策」を次々と実現することができるようになる。

そして、その政策が失敗と判断されれば、次の選挙で議席を失うことになるのです。
(注)一部議席2人の選挙区があります。
情報戦とは--孫子の兵法応用編・シーズン2(7)、投稿日:2014年4月 8日

この引用のエントリーにありますとおり、問題となりますのが大阪市議会の選挙区別議席数なのであります。

この議席の大半が3人以上であり、大阪市議会の過半数を維新が占めるためには、3人区において2人の当選が必須となるのであります。

この関門を突破するために、今回の選挙には、維新は複数の候補を擁立しているのであります。

つまり3人区では2人の当選、5人区では3人の当選を目指しているのであります。

もちろん2人区や4人区では、最低半分の当選が必須となるのであります。

そして、この見通しはと言いますれば、きわめて厳しい結果とならざるを得ないのであります。

吉村氏や松井氏と違って、地方議員の知名度はきわめて低いと言わざるを得ないのであります。

そこで効いてきますのが、組織票なのであります。

若者の投票率が伸び悩む中、高い投票率を持つ老人票に支えられた組織票に、維新はひとたまりもないのであります。

こういった情勢の中にありまして、もし可能性があるといたしますならば、維新の子育て政策を支持する子育て世代による応援なのであります。

もういっぽうの府議会議員選挙でありますが、こちらは小選挙区である区が多くを占め、2人区も多く、かつて維新が過半数をとった実績があるのであります。

果たしてその再来となるやいなや。

しかしながら、今の維新には、当時の勢いはないと言わざるを得ないのであります。

と言うことで、今回の選挙の結果を申しあげますならば、2勝2敗の引き分けとなるのであります。

では、肝心の「都構想」の行方は、いかなることになるのでありましょうか。

もはや「都構想」は風前の灯となるのでありましょうか。

これに起死回生となるのが、衆参同時選挙であると、KAIは考えているのであります。

すなわち、大阪夏の陣再び、なのであります。

すでに勘のいいみなさまにはご察しの通り、衆議院選挙における公明党との戦いなのであります。

公明党にとって選挙談合と批判されようがなにより、大阪3区、5区、6区、16区の議席を落とすなど、絶対あってはならないのであります。

当然維新はこの選挙区に対抗馬を投入してくるのであります。

もうお分かりでありましょう。

大阪公明党とて、本部には逆らえないのであります。

かくしてこの秋の、大阪都構想の住民投票が実現する。

かようにKAIは考えるのであります。 KAI

p.s. なぜ衆参同時選挙となるのか、そのわけはまた次回と言うことで。