さて今回米国中間選挙から2週間が経たんとするも、いまだ最終結果が出ないのでありますが、すでに大勢は判明しておりますので、KAIの予想を検証することにするのであります。
とその前にこちらの面白い記事が、KAIの目に留まったのであります。まずはこちらからお話を始めさせていただきたいと思うのであります。
筆者と同じようにトランプ大統領当選を予測した有識者・ジャーナリストが共和党の上下両院過半数維持を予測していたと耳にするが、当て勘と逆張りだけで二度も当てるのは流石に難しいと思う。しっかりと選挙に関する基礎的な数字を見た上で分析する勉強をやり直した方がいいだろう。いかにもたいそうな自信たっぷりな記事であるのであります。
(大統領選挙に続いて中間選挙も的中させて頂きました(特別寄稿)、2018年11月08日 11:31、渡瀬裕哉)
■渡瀬裕哉氏予測
上院 共和党(53) 民主党(47)
下院 共和党(214) 民主党(221)
これが渡瀬裕哉氏の予測であったのでありますが、では実際の結果はと言いますれば、NHKのサイトによる速報結果は以下の通りなのであります。
■結果(2018年11月18日現在)
上院 共和党(51) 民主党(47) 残(2)
下院 共和党(201) 民主党(230) 残(4)
(残数についてトランプ陣営の見解を考慮すると以下の通りとなる)
上院 共和党(53) 民主党(47)
下院 共和党(203) 民主党(232)
確かに上院、共和党勝利(議席数も的中)、下院、民主党勝利につきましては、渡瀬裕哉氏の予測的中であったのであります。
しかしながら、ここで改めて米国メディアの事前予測を見てみますならば、まったく別の視点が見えてくるのであります。
返信先: @nhk_newsさんそうです、下院において米国メディアの大半が接戦と報じた選挙区について、結果はほぼすべての選挙区を民主党が制したことになるのであります。
各社中間選挙予測 本日時点上院(現在:共 51 民 49)
CNN 共 49 民 45 接 6
FOX 共 50 民 45 接 5
RCP 共 50 民 44 接 6下院(現在:共 236 民 193)
CNN 共 197 民 207 接 31
FOX 共 199 民 207 接 29
RCP 共 196 民 203 接 36共:共和党
民:民主党
接:接戦
(Twitter、@TrumpTrackerJP、11:47 - 2018年11月5日)
今回のこの予測と結果から見える事実こそ、2018年中間選挙がどういったものであったのかを知る、重大なるヒントを与えていると言うことなのであります。
それはつまり、渡瀬裕哉氏の予測とは、接戦予測の選挙区を五分五分にしたものであり、のちほど述べさせていただきますKAIの現状維持予測が、10割共和党が制するものとなっていたのであります。
しかし結果はと言いますれば、すでにご説明の通り、ほぼすべての接戦選挙区を民主党が制したことになるのであります。
ここで、これに対するメディアの原因分析の一つをご紹介するのであります。
アメリカのトランプ政権への審判と位置づけられた中間選挙は、上院は与党・共和党が多数派を維持した一方、下院は野党・民主党が8年ぶりに多数派を奪還しました。専門家のグループは、若者の投票率が大幅に上昇したことが下院での民主党の躍進につながったという見方を示しています。同様の分析を、以下のサイトでも述べているのであります。アメリカ議会の中間選挙の結果、連邦議会上院は、改選されない議席も含めて、これまでに与党・共和党が51議席、野党・民主党が46議席を獲得し、共和党が多数派を維持することになりました。
一方、下院は、共和党が201議席、民主党が224議席を獲得し、民主党が8年ぶりに多数派を奪還しました。
結果について若者の政治意識を調査しているタフツ大学の研究所は7日、出口調査などを基に、18歳から29歳の若者の投票率は前回、4年前の21%から今回は31%と大幅に上昇したと推計されると発表しました。
研究所では「銃規制を求める高校生が投票を訴える運動を起こしたり、民主党が若者への呼びかけに力を入れたりしたことが若者の行動に大きな影響を与えた」と分析しています。
そのうえで、いずれも接戦の末、民主党候補の当選が確実になった西部 ネバダ州の上院選や中西部 ウィスコンシン州の知事選を例に挙げ、それぞれ、若者の民主党候補への投票が共和党候補への投票より37ポイントと23ポイント上回っていたとして、民主党候補を支持した若者の投票行動が下院の多数派を奪還し、接戦州の知事選で競り勝つ原動力になったという見方を示しています。
各州の知事選では民主が伸ばす
今回の中間選挙では、各州の知事選挙も全米50州のうち36の州で行われ、ABCテレビによりますと野党・民主党が選挙前よりも7人増やして16人、与党・共和党が7人少ない、19人が当選を確実にしました。選挙が行われなかった州を合わせると、州知事は、共和党は26人、民主党は23人となります。
アメリカの州知事は2020年の国勢調査をうけて行われる選挙区の区割りでも拒否権を発動するなど大きな権限を持ち、大統領選挙に向けて影響力があることから結果が注目されていました。
(米中間選挙 若者の投票率の大幅上昇で下院の民主躍進か、2018年11月8日 12時10分)
若年層、民主党を後押し 女性の共和党離れも浮き彫り、2018.11.8 12:44
と言うことで、本題のKAIの予想検証なのであります。
・下院の239対194と言う数字は、大きく変わらず上院は、ほぼ的中、下院は、大外れ、と言う見事な?結果とあいなった次第であったのであります。
・上院の51対49は、54対46と差がさらに開く
(さて(暇なので)米国中間選挙の予想でもしますか)
その原因を一言でご説明しますならば、2016年民主党大統領選候補の一人、バニー・サンダース候補の支持者の投票行動にそのすべての結果を導く原因があったと言えるのであります。
すなわち、上記接戦選挙区においての、2016年と2018年の、バニー・サンダース支持者の投票行動の違いが、この今回の中間選挙の結果を生んだとの仮説なのであります。
ご説明いたしますならば、以下の通りであるのであります。
■2016年大統領選挙
・サンダース支持者 棄権ないし多くの支持者が共和党候補に投票
↓
・接戦選挙区 すべて共和党候補勝利
■2018年中間選挙
・サンダース支持者 前回棄権者も含めてすべて民主党候補に投票
↓
・接戦選挙区 すべて民主党候補勝利
いかがでありましょうか。この仮説を訝しく思われる方々には、ぜひ以下の事実をご覧いただきたいのであります。
■2016年アメリカ合衆国大統領民主党予備選挙における獲得代議員数
・クリントン 2,204
・サンダース 1,847
(2016年アメリカ合衆国大統領民主党予備選挙)
民主党におきましては、サンダース支持者の影響力がいかに大きいかがお分かりいただけるのではないかと思うのであります。
さてさて、いかがでありましょうか。
KAIにとってこの視点は、まったくもって新鮮であったのであります。
すなわち、2016年大統領選挙時から、この仮説が成立していたとすれば、KAIの予想は、重要なポイントをすっかり見落としていたと言うことなのであります。
ここで一言申しあげますならば、上掲の渡瀬裕哉氏ご指摘の、「当て勘と逆張りだけで二度も当てるのは流石に難しい」とのことでありますが、さすがにこれは失礼と言うものなのであります。
とは言え、KAIも初心にかえって、勉強をやり直したいと思うしだいなのであります。 KAI
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