しかし、それにしても正恩くん、今回はあまりにも手の内が見えすぎてしまったようであります。
韓国大統領府は、27日の南北首脳会談で、先に北朝鮮が表明していた、核実験場の廃棄について、来月中に実験場を閉鎖し、閉鎖の際にはアメリカや韓国の専門家、それにメディアに対して公開することを北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長が表明したと明らかにしました。そうです、この実験場の閉鎖は、核開発中止のための行動でもなんでもなく、ただ単に実験場が使用不能に陥り、廃棄せざるを得ないだけだったのであります。
(北朝鮮 キム委員長 核実験場5月中に閉鎖の意向 韓国大統領府、4月29日 11時27分)
【4月26日 AFP】中国科学技術大学(University of Science and Technology of China)の地震学者らは、北朝鮮北東部・万塔(Mantap)山の地下にある豊渓里(Punggye-ri)核実験場が昨年の実験による大規模な爆発の後に一部崩壊し、使用不能となっているとの見解を示した。この核実験場が崩壊し使用不能と知らされた正恩くん、これ幸いと、これを経済制裁緩和交渉に利用しようと考えたのであります。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長は先週、同国政府は核実験および長距離ミサイル実験を中止し、豊渓里核実験場を閉鎖すると宣言していた。
北朝鮮は過去6回の核実験のうち5回を同実験場で実施した。昨年9月3日の最大規模の爆発はマグニチュード(M)6.3の地震を引き起こし、北部国境の中国側でも揺れが感じられた。北朝鮮は同日、水爆実験を実施したと発表した。
中国の専門家らによる2件の研究論文によれば、最初の地震の8分半後に起きたマグニチュード4.1の余震で山の内部の岩が崩落した。
中国科学技術大学は、このうち1件の論文の要約を同大ウェブサイトに掲載し、「崩落により放射性物質が漏れた可能性があり、引き続き観測が必要」との見解を示した。
また、同サイトの別のページに掲載された英語版の論文要旨は、崩落により万塔山の地下施設が今後の実験で使えなくなったとしている。
この論文は米地球物理学連合(American Geophysical Union)の学会誌「地球物理学研究レター(Geophysical Research Letters)」に掲載される予定。ただ、中国語版の要約には施設が使用不能になったとの記述がなく、該当部分が同誌に掲載されるかは不明。
もう1件の論文は、中国地震局(CEA)の専門家を含む中国の科学者らが率いた研究チームによるもので、同誌に先月掲載された。この論文も、9月の余震で崩落が起きたと結論付けているが、実験場が使用不能となったか、放射能漏れがあるかは断定していない。(c)AFP
(北朝鮮核実験場、昨年の実験で使用不能に 中国の地震学者が発表、2018年4月26日 6:29 発信地:北京/中国)
もちろん正恩くん、すでに新たな実験場建設を開始したのでありますが、これが完成するまでの間、時間稼ぎをする必要に迫られることとあいなったのであります。
さっそくトランプとの直接対決を控えての、条件闘争の一環としたいとの思惑が見え見えなのであります。
ところがどっこいトランプ、そうは問屋が卸さないのであります。
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長が、歴史的な1歩を刻んだ。金委員長は27日午前9時半ごろ、65年間、朝鮮半島を分断してきた軍事境界線を越えた。トランプは、こうした正恩くんの目眩しは一切通用しないよと、言明していたのであります。こうした中、アメリカ側が米朝首脳会談が決裂した場合、武力行使に踏み切るしかないとの意向を日本側に伝えていたことが、FNNの取材でわかった。
アメリカが武力行使という選択肢を維持する中、政府関係者は、27日の会談で金正恩氏が本気で非核化のプロセスを話し合う姿勢を示すかどうかに注目している。
菅官房長官は「拉致、核、ミサイルといった諸懸案の包括的な解決に向けた前向きな議論が行われることを期待しています」と述べた。
政府関係者は、南北首脳会談を「米朝首脳会談に向けた橋渡しだ」と位置づけていて、金正恩氏が非核化にどの程度言及するのか、拉致問題が議題になるのかどうかに注目している。
また政府は、対話ムードが先行することを警戒していて、安倍首相は文在寅(ムン・ジェイン)大統領に、「非核化に向けた北朝鮮の行動を検証できなければ、圧力をかけ続ける必要がある」とくぎを刺している。
一方、先週行われた日米首脳会談で、アメリカ側の出席者が、「米朝首脳会談が決裂すれば、軍事攻撃に踏み切るしかない」と日本側に伝えていたことが、FNNの取材で明らかになった。
日本政府は、27日の会談と米朝首脳会談の結果を見極めつつ、将来の日朝首脳会談実現も模索していく考え。
(米「米朝会談決裂すれば“北”攻撃」と日本に説明、4/27(金) 12:44配信)
正恩くん、トランプとの直接交渉で、えらそうに、私は実験場廃棄という行動に出ました、ではトランプさんあなたはどんな行動を示してくれますかって言いたかった。
トランプ、ばかを言うんじゃない、核実験場が崩落して使えなくなったのは知っている、しかも君はあらたな実験場を開発し始めているじゃないか、こんなこどもだましな話で私を騙せるとでも思っているのか!プンスカッ。
ってな具合で交渉決裂が見えてきたのであります。
正恩くんね、あなたには、米軍による核ミサイル開発施設の管理を受け入れるしか、あなたが米軍の武力行使を阻止する手段は残されていないのよ。
正恩くんにとって、これが痛いほど思い知らされる米朝首脳会談になるのは、まず間違いないのであります。
さて、あと1ヶ月。いかなる展開となりますやら、予断を許さない状況が続くのであります。 KAI
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