さすがの正恩くん、守りに入ったようであります。
今回突然実現した中朝首脳会談、その目指す先にあるのは、5月に予定されている米朝会談にあったのであります。
つまり、この米朝会談で、正恩くん、とてもトランプをだまくらかすことは不可能とみたのであります。米朝会談決裂となればたちまちトランプによる軍事行動が予定されるわけでありまして、これをいかに防ぐか、正恩くん、あらためてよく考えてみたのであります。
そこで得た結論とは、中国に助けを請うことであったのであります。
要するに、トランプに軍事侵攻しないと約束させて欲しいと、習近平に直々お願いに出かけていったのであります。
【北京・河津啓介、ソウル渋江千春】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が中国を訪問し、26日に北京の人民大会堂で中国共産党の習近平総書記(国家主席)と会談した。中国政府が発表した。金委員長は「(祖父の)金日成(キム・イルソン)主席と(父親の)金正日(キム・ジョンイル)総書記の遺訓に従い、朝鮮半島の非核化実現に尽力する」と表明した。ただ同時に見返りとして米国と韓国による「和平実現のための段階的な措置」に言及し、米国に圧力路線からの転換を求めた。金委員長の外遊は2011年12月の最高指導者就任後初めて。そもそも、なんで正恩くん、こんな弱気になってしまったのか、そのきっかけがこちらであったのであります。
(中朝首脳会談 「非核化」見返り要求 正恩氏、米韓に、毎日新聞2018年3月28日 21時54分(最終更新 3月29日 04時22分))
アメリカのトランプ大統領は、北朝鮮に過去最大の制裁を科し国際社会に圧力の一層の強化を求めるとともに、北朝鮮が非核化に向けた行動を取らず制裁の効果がないと判断した場合「第2の局面」に移行するとして、軍事的な手段を含む強硬な措置を取る考えを強調しました。思いのほか、追加の経済制裁が効いたと言わざるをえないのであります。アメリカ政府は23日、国連安全保障理事会の決議で禁止されている北朝鮮との密輸のため、石炭や石油などの物資を洋上で積み替えるいわゆる「瀬取り」に関与したとして、56に上る北朝鮮や中国、台湾の運輸会社などを新たに制裁の対象に指定しました。
ホワイトハウスで行われた記者会見の場で、トランプ大統領は「北朝鮮に対し、これまでで最も強力な制裁を科した。残忍な独裁国家の核の脅しに共に立ち向かい続けなければならない」と述べ、国際社会に圧力の一層の強化を求めました。
そのうえで、「制裁の効果がなければ、『第2の局面』に行かなければならない。それは、とても手荒なものになる。世界にとって非常に残念なことになるだろう」と述べ、北朝鮮が非核化に向けた行動を取らない場合、軍事的な手段を含む強硬な措置を取る考えを強調しました。
トランプ大統領は、「第2の局面」への移行を判断する時期については触れず、「われわれは世界中から支持を受けている。制裁が効果をもたらすことを期待する」と述べ、当面は、みずから主導する圧力の強化を通して北朝鮮の対応に変化が出てくるのかどうか注視する考えを示しました。
(制裁効果なければ軍事的手段含む強硬措置に 米大統領が強調、2月24日 9時13分)
とにもかくにも、とりあえず米朝会談を言い訳に、当初想定されるかもしれない3月の米軍軍事侵攻を2ヶ月引き伸ばした、正恩くん。
なんとしてもこの難局を乗り越えたいと思うのであります。
過去の米国大統領をだまくらかしたと同様の作戦は、トランプには通用しない。
その思いあまっての作戦こそ、今回の中朝首脳会談であったのであります。
もし会談決裂即軍事侵攻なら、中国は米国と戦わざるを得ないと、米国に伝えて欲しい、こう正恩くん、習近平にお願いにあがったと言うわけであります。(もちろん中国側の条件をすべて受入れる交換条件であります)
さて、5月の米朝会談決裂で、いかなることになるのでありましょうか。
考えられる首脳会談のシナリオとは。
・正恩くん、核ミサイル開発放棄を表明。
(しかし本心は微塵も放棄するつもりはない)
・トランプ、核ミサイル開発放棄の具体的行動プランを要求。
(どうせごまかしで終始するはず)
・正恩くん、まずアメリカが経済制裁をやめればプランを提出する。
(条件闘争)
・トランプ、一切の譲歩を拒否。
(交渉決裂)
・正恩くん、ここで中国の介入を期待する。
(中国、トランプに貿易摩擦で脅されていて、不介入を表明)
・トランプ、米軍による核施設、ミサイル施設の管理を要求。要求を受入れなければ直ちに軍事侵攻する。
いかがでありましょうか。
ついに、ついにであります。
あと2ヶ月で北朝鮮の運命を決するときを迎えようとするのであります。
はてさて、いかなる展開となりますやら。 KAI
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