しばらくのご無沙汰の間に、とうとう今年もお仕舞いであります。
と言うことで、やはり今年の締めは、懸案でありますところの北朝鮮情勢なのであります。
いよいよ最終局面といい続けて、半年あまり。
ここにきて、ついに最終局面に一歩近づく決定的動きがあったのであります。それが、こちらであります。
国連安全保障理事会は22日、北朝鮮による11月の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を受けた同国への新たな経済制裁決議を全会一致で採択した。もちろんこれまでも国連による経済制裁は続いてきたのでありますが、この石油精製品90%削減および原油年間供給量の上限400万バレルは、北朝鮮にとってきわめて重い決定であったのであります。北朝鮮に対する国連決議は過去1年1カ月で4回目。ティラーソン米国務長官は1週間前、ロシアと中国が、金正恩朝鮮労働党委員長率いる北朝鮮の現体制を支援していると非難していた。
新たな制裁は、来年1月1日以降のディーゼル燃料や灯油を含む北朝鮮への石油精製品の年間輸出量の上限を50万バレル相当に設定し、海運制裁も同時に強化する。一方、「海外の北朝鮮労働者を1年以内に本国に送還する」としていた当初案の規定は2年以内に修正された。
石油精製品の年間供給量の上限は、9月の国連安保理決議で200万バレルに設定されたが、さらに制限する。北朝鮮の年間輸入量は450万バレルと推定され、90%近い削減となる。原油の年間供給量の上限も400万バレルという明確な数字を示した。
さらに禁輸品を積んでいることが疑われる船舶について、加盟国が港で拿捕(だほ)や臨検、押収・凍結を行える規定も盛り込んだ。
(国連安保理、北朝鮮への追加制裁決議を採択?石油精製品90%削減、2017年12月23日 5:11 JST)
【北京共同】北朝鮮外務省は24日、国連安全保障理事会が新たに採択した北朝鮮制裁決議について「朝鮮半島や地域の平和と安定を破壊する戦争行為」だと非難し「全面的に排撃する」とした報道官声明を発表した。朝鮮中央通信が伝えた。すぐさま北朝鮮は、この国連の決定を「戦争行為」、すなわち国連による宣戦布告であると位置づけ、反発したのでありますが、北朝鮮にとって宣戦布告に相当するほどの重い決定であったことを意味しているのであります。「米国と力の均衡を成し、米国の核の威嚇を根本的に終わらせるための自衛的核抑止力をさらに固めていく」とし、核戦力を強化する姿勢も改めて強調した。北朝鮮が新決議に反応を示したのは初めて。
国際社会は制裁強化で北朝鮮を非核化に向けた対話に応じさせたい考えだが、北朝鮮は強硬姿勢を崩していない。
(安保理決議は「戦争行為」、2017年12月24日 / 17:20)
実のところ、この展開は、半年前のKAIの予想通りの展開なのであります。
まさに、キューバ危機の再来であります。この展開予想の中の「中国による再びのパイプライン全面停止」こそ、今回の国連の制裁に相当するものなのであります。はてさて、このあといかなる展開になりますやら。
可能性がもっとも高いのは、かねてより計画されてきたトランプによる金正恩の斬首作戦の強行であります。
もちろん、作戦実行の国際社会への口実は、これまで積み上げてきた中国による説得であります。
更には、斬首作戦強行には、100%成功の確証を得て行われると思うのであります。すなわち失敗はない。
万が一、この確証がなければ、斬首作戦は強行されないのであります。この場合はと言いますと、ここで再び中国の出番となるのでありますが、中国による再びのパイプライン全面停止であります。
今回のパイプライン停止は、これまでの交渉とはまったくもって意味が違ってくるのであります。
すなわち、金正恩にとって死なば諸共、中国への核攻撃実行は不可能なのであります。中国への核攻撃は、あくまで脅しであり、相打ちの意味があったのでありますが、今回は、トランプが前面に立ちふさがり、到底相打ちにはならないのであります。
つまり、金正恩の降参であります。
ここでいままでと完全に異なるのが、米軍の北への平和的軍事的侵攻であります。
米軍によるあらゆる核施設の破壊、その見返りとしての中国、米国による経済支援、これらをすべて受入れての、金正恩の降伏であります。
(北朝鮮崩壊のシナリオ(3))
これまでさんざん中国によるパイプライン停止が求められながら、なぜ中国はこれに踏み切れなかったのか。それは北朝鮮による中国核攻撃の脅しがあったからであります。
中国は、すでに中国からのパイプライン経由の石油に全面的に依存する北朝鮮に対して、このパイプラインを制限し始めているのであります。ところが今回は、北朝鮮にとって相手は中国ではなく、アメリカと国連。まさか国連相手に核攻撃の脅しは、まったくもって通用しないのであります。しかし、金正恩が簡単にはこれに屈しない。
もし全面的にパイプラインを停止したならば、中国への核攻撃を行うとの脅しなのであります。
金正恩ならやりかねない。
なぜならパイプライン停止は、そのまま北朝鮮経済の崩壊を意味するからであります。いわば死なば諸共、なのであります。
でありますから、金正恩は、中国はパイプライン全面的停止には踏み切れないと、冷徹に計算しているのであります。
(北朝鮮崩壊のシナリオ(3))
では、KAIの予想通り、「金正恩の降参」はあるや否や。
これを考えるうえで重要となりますのが、兵糧攻めは長引くの掟であります。長期戦となるのであります。
もちろん長期戦となった場合、困窮するのは北朝鮮ではあるのでありますが、それはそのまま金正恩の困窮ではないところが問題なのであります。これが100%のパイプライン全面停止でないところがそうさせてしまうのであります。
でありますから、恐らく金正恩は、国民の半分が餓死するまで降参しないと思われるのであります。
かように考えますれば、KAIの予想でありますところの「金正恩の降参」は否定せざるを得ないのであります。
となりますれば、考えられるのは、トランプによる軍事攻撃であり、短期のきっかけは、北朝鮮の核実験、長期であれば北朝鮮国民の餓死報道、このいずれか以外には考えられないのであります。
いずれの場合も、トランプによる奇襲攻撃ではなく、韓国にいる米国人約20万人、日本人約6万人が韓国脱出を決行、完了した上で米軍の軍事侵攻が開始されることとなるのであります。
金正恩もこれを想定し、核実験を冬季オリンピック開催中に行うのでありますが、トランプはこれに動ぜず、オリンピック終了後ただちに韓国脱出作戦を開始するのであります。
はてさて、2018年、いかなる世界情勢が待ち受けているのでありましょうか。
来年も、よろしくお願い申しあげます。 KAI
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