さて、北朝鮮情勢でありますが、きわめて危険な領域に突入してしまったようであります。
きっかけは、先日同時に発射された4発のミサイルであります。これについて北朝鮮は、「在日アメリカ軍基地を攻撃目標」に想定したものと発表してしまったのであります。
北朝鮮は、今月6日の弾道ミサイル4発の同時発射について、軍の談話を発表し、「在日アメリカ軍基地を攻撃目標に想定して行われた」と強調し、北朝鮮への対応をめぐる日米韓3か国の連携をけん制しました。この談話発表は、北朝鮮にとっていかにも拙かったのであります。北朝鮮軍で弾道ミサイルの運用を担う戦略軍は、9日夜、国営の朝鮮中央テレビを通じて報道官談話を発表しました。
この中で、弾道ミサイル4発の同時発射について、現在韓国で行われている米韓両国の合同軍事演習に対処した訓練だとしたうえで、「訓練は、有事の際の在日アメリカ軍基地を攻撃目標に想定して行われたことを隠さない」とも強調し、北朝鮮への対応をめぐる日米韓3か国の連携をけん制しました。
そして、国連安全保障理事会が今月7日に出した発射を強く非難する報道機関向けの声明の発表は、日米韓3か国が主導したと反発し、「わが軍の訓練が世界平和の脅威になるというのは話にもならない。通常の訓練に言いがかりをつけることは、ぬすっとたけだけしい」と反発しました。
そのうえで、アメリカの最新の迎撃ミサイルシステム「THAAD」の韓国への配備に言及し、「くず鉄以下の無用の長物だ」としたうえで、「わが軍は精密化されたミサイルで完璧に武装し、ミサイル攻撃戦法をさらに完成させていく」と主張し、核・ミサイル開発を推し進める姿勢を強調しました。
(北朝鮮 「在日米軍基地目標」と強調 日米韓けん制)
それは、攻撃目標を「在日米軍」であると、はじめて明示したからであります。
すなわち、いままでも米国への攻撃は言うものの、あくまで実現性のとぼしい米国本土への攻撃であったのであります。
それを「在日米軍」と言ってしまったのでありますから、今日明日の直接的脅威として、トランプ政権が反応しないはずはないのであります。
そして、トランプは動いた。
米国が「北朝鮮への直接的な軍事行動の検討」に入ったと米紙ウォールストリート・ジャーナルや、経済専門サイトのビジネスインサイダー(BI)が伝えた。北朝鮮が米国に到達可能な大陸間弾道ミサイル(ICBM)を開発しているという脅威に対応するものだ。もし軍事行動(作戦)が実行に移された場合、米国の圧勝は間違いないという点で米軍事専門家の見方は一致しているが、作戦実行には「深刻なリスクが伴う」とBIは指摘する。「韓国はもちろん、日本への被害も避けられない」というのだ。(岡田敏彦)この記事にあるとおり、直接的な軍事行動にはさまざまなシナリオが想定されるのでありますが、KAIが思うに、すべてのシナリオのポイントは、いかに正確に「金正恩斬首」を行うかどうかにかかっているのであります。
(北朝鮮をめぐる“危険”米は武力行使まで言及も「日本も無傷では済まない」内部崩壊の可能性も)
この意味はのちほどご説明させていただくといたしまして、金正恩を暗殺する方法はきわめて限られているのであります。
米軍による攻撃を警戒している金正恩は、地下150メートル程度の地下居宅など複数の強固に防護された施設を転々としているようだ。米軍は、その所在をキャッチしたうえで、“隠れ家”そっくりの施設をつくり、特殊部隊による突入訓練を繰り返していた。──『週刊文春』3月30日号よりつまり、2011年5月、ウサマ・ビン・ラディンを殺害したときのように、特殊部隊を派遣しようと言うのでありますが、ビン・ラディン殺害の映画にもあるように、本人かどうかの同定がきわめて難しいのであります。
(●「米軍は斬首作戦をいつ実行するか」(EJ第4487号))
しかも、ビン・ラディン殺害時と違って、金正恩がどこにいるのか、正確な位置を衛星で捕捉する必要があるのであります。
しかしこれがきわめて難しい。
車による移動時はもちろん、あらゆる場所で替え玉を用意していると思われ、はたして殺害に成功したかどうかの確認の手段もないのであります。
残された方法は、特殊部隊ではなく、遠隔地からの集中的なピンポイントのミサイル攻撃ないし無人ステルス機によるミサイル攻撃しかないのであります。
それも居住区への攻撃ではなく、移動中の車ないし視察先へのピンポイント攻撃であります。
車も替え玉も含めたすべての車両への、ピンポイント攻撃であります。
その上での軍隊による首都制圧。これしかないと、KAIは思うのであります。
もちろんこれには、上記引用の記事にあるとおり、「深刻なリスク」を伴うのであります。
すなわち、韓国や日本へのミサイルによる反撃であり、もし実際にこれが発射、着弾すれば人的被害は免れず、トランプ政権は一気に日米韓の世論を敵にまわすことになってしまうのであります。
このために重要になってきますのが、口実としての軍事行動開始のきっかけなのであります。
これが、冒頭の北朝鮮による「在日米軍」へのミサイル攻撃なのであります。
万一、これが行われた場合、金正恩斬首へ一直線で軍事行動が行われることになるのであります。
そして、もし、この「金正恩斬首」に失敗した場合は、これはもう第2次朝鮮戦争に発展していくしかないのであります。
そうならないようにするためにも、絶対正確な「金正恩斬首」が必要となるのであります。
その場合、北朝鮮軍の一部による反撃のリスクはあるものの、その可能性は低いとKAIは見ているのでありますが、その鍵を握るのが、中国の存在なのであります。
もし有事の際、中国が米国と連携して北朝鮮に軍事侵攻すると、事前に北朝鮮軍に知らされているならば、恐らく北朝鮮軍の兵士にとって反撃は無駄死となることは明らかであり、反撃にでることはないと考えられるのであります。
すなわち、米軍と中国共産党による共同統治であります。
これを話し合うのが、来月行われる予定の米中首脳会談なのであります。
アメリカのトランプ大統領と中国の習近平国家主席は、来月の6日と7日に、アメリカ南部フロリダ州にあるトランプ大統領の別荘で、就任以来初めての首脳会談を行うことで最終的な調整に入っており、核とミサイルの開発を加速させる北朝鮮への対応や、両国の貿易不均衡などをめぐり意見を交わすものと見られます。ト「もしアメリカが北朝鮮に軍事侵攻したとして、中国はどうなさるおつもりですか?」複数の外交筋によりますと、トランプ大統領と習近平国家主席は、来月6日と7日にフロリダ州にあるトランプ大統領の別荘で首脳会談を行うことで、最終的な調整に入っているということです。
トランプ大統領と習主席が直接会談するのは初めてで、会談が行われるのは、先月、安倍総理大臣とトランプ大統領が会談した別荘です。
首脳会談でトランプ大統領は、弾道ミサイルの発射を繰り返し、再び核実験を行う兆候も見せている北朝鮮への対応を最優先の議題にしたい考えで、北朝鮮と歴史的にも経済的にも結びつきの強い中国に、国連安保理決議に基づく制裁を着実に実施するよう求めるものと見られます。
またトランプ大統領は、最も重視しているアメリカ国内の雇用を保護するためにも、中国との貿易不均衡を解消する必要があるとしており、貿易赤字や為替の問題について、習主席との間でどのようなやり取りを交わすのかも焦点です。
米中両政府は、トランプ大統領と習主席の初めての首脳会談について、近く正式に発表する見通しです。
(トランプ大統領と習主席 来月6・7日会談で調整、3月30日 4時32分)
習「もちろん中国も出て行かざるを得ませんな」
ト「では協調介入ということでよろしいか?」
習「共同統治の主導権はこちらでいただいてよろしいかな?」
ト「主導権を持つほうが経済支援の責任があるとしましょう」
ってな具合に話し合いが行われるのであります(想像)。
この結果、北朝鮮には、米中傀儡のあらたなる指導者の元、軍事政権が樹立されることになるのであります。
はてさて、これは現実となるや、否や。KAIはあと半年以内に起こると予想するのであります。 KAI
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