やっと半年来の疑問が解けた

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KAIは、橋下徹が、豊洲移転問題について、なぜポイントを外し続けるのか、ずっと疑問であったのであります。

策士橋下徹が通る(ってちょっとダジャレ)

橋下徹は、なぜ小池百合子の心が理解できないのか?

この一連のエントリーにも書かせていただいたのでありますが、豊洲移転問題の本質が、築地や豊洲の安全安心問題などではまったくもってなく、東京ガスからの用地取得の手続きに始まり、環境アセス承認手続きに至るまでの、数々の不透明な疑惑に満ちた都庁の手続き問題に、その本質があるのであります。

であるにもかかわらず、橋下徹は、豊洲移転問題の本質が安心安全問題にあるとして、小池氏に早期移転の決断を迫り続けてきたのであります。

維新の国会議員の方々においても、この橋下徹の見解を踏襲する形で、小池氏の豊洲問題への対応を批判し続けるのであります。

この風向きが、突然変わり始めたのであります。

このきっかけが、こちら。

 築地市場(東京都中央区)から豊洲市場(江東区)への移転問題をめぐり都議会全会派は20日、強い調査権限を持つ百条委員会設置に合意した。議会運営委員会理事会で確認した。都議会開会日の22日の議決を目指すが、主要4会派が求める設置手法には隔たりがある。思惑が交錯する中、「都議選を見据えた各会派のアピールにすぎない」(都議会関係者)との冷めた意見も出ている。

 用地取得当時の知事で移転を決断した石原慎太郎氏と取得交渉役の元副知事、浜渦武生氏に証言を求めることに関しては、各会派の方向性はほぼ一致する。

 ほかの部分ではずれが大きい。設置消極派だった最大会派自民、第2会派公明はいずれも取得の経緯を調査の中心とし、汚染が問題視される豊洲の地下水モニタリングは含めていない。また、特別委員会とは別に百条委を設けることを求めている。一方、東京改革議員団(民進)と共産は、調査項目にモニタリングを含め、特別委を百条委に切り替えることを主張する。

 自民が設置に傾いた背景には「豊洲は都議選の争点」と公言する小池百合子都知事の存在がある。会派内で「小池氏と対立するままでは都議選を戦えない」との考えが広がるからだ。ただ、移転を推進してきた立場から「追及が本格化すれば自民にも火の粉が及ぶ」(都議会関係者)との声もあり、調査内容を絞ったとの観測が出ている。
各会派、百条委設置で合意 都議選見据え主張にずれ

これに呼応するかのように、橋下徹は、自身の番組で、こんな話を披露するのであります。
20日放送の「橋下×羽鳥の番組」(テレビ朝日系)で、元都知事の石原慎太郎氏が、参考人招致が決まる前に橋下徹氏へ電話していたことが明らかとなった。

番組では、豊洲市場移転問題で石原氏が都議会の特別委員会による参考人招致に応じ、日程が決定したことを話題にした。

橋下氏によると、招致が決まる以前に石原氏から電話連絡があり「これからどうしよう」「逃げているイメージは悔しくてしかたがない」と心中を吐露したという。

これに橋下氏は「世間の逃げているイメージを払拭するのであれば公開の場で小池さんと議論やったらいいじゃないですか」と意見したそうだ。

また石原氏は、議論の前段階でTwitterを利用し弁明すべきかとも橋下氏に相談を持ちかけたという。

これに橋下氏が「石原さんほどの人がTwitterでちょこまか言うよりもフルオープンの所で堂々とやったらいいじゃないですか」と伝えると、石原氏は「弁護士と相談して考える」と答えたようだ。

橋下氏の助言により招致に応じたのかは不明だが、石原氏は8日、取材に応じ、参考人招致について「喜んで応じる」と話している。
石原慎太郎氏が橋下徹氏に電話で心中吐露「悔しくてしかたがない」

なんだ、そうだったのか。

半年前、小池知事が誕生して、豊洲移転問題に焦点があたるようになったとたん、橋下徹が、このポイントを外し続けていたのは、石原慎太郎隠しが目的であったのであります。

一連の問題が東京ガスからの用地取得に移っていけば、当時の知事であった石原慎太郎に飛び火するのは、間違いないと言うことで、この問題への言及を意図的に避けてきたのであります。

もちろん、石原から橋下への働きかけがあったわけではないのでありましょう。

あらゆる事態を想定して行動する習性を身につけた橋下徹にとって、当然の戦略であり、戦術であったのであります。

しかし、百条委員会への石原慎太郎招致が決まった以上、もはやこの戦略は必要なくなった。

改革を進めるには「劇場型」の政治だって必要だ!

大阪都構想法案は、2012年8月29日成立した。各党国会議員の皆さんが成立させてくれて、これは感謝、感謝なんだけど、でも大阪からお願いしただけで全てこちらの思う通りにやってくれる、なんて甘いもんじゃない。

(中略)

全国の有権者に関心を持ってもらうには、劇場型と言われようがエンターテイメント性を醸し出した政治状況を作ることも必要になる。これを自称インテリはポピュリズムと批判するが、じゃあ組織も金もない中で、国政に政治力を持って自らの政治的思いを実現するのに他にどんな方法があるのか。

口を開けばポピュリズムしか言わないちょび髭藤井なんかは、口ばっかりで自ら実現することを全く考えていない。だから、政治力を持つ方法についてはノーアイデア。批判はするけど代替案については何も持ち合わせていない。まあ彼は権力の犬だから、自民党の二階俊博さんや西田昌司さん(京都選出の参議院議員)にへばりついてモニョモニョ言っていることで自己満足しているんだろう。

僕はちょび髭藤井のような人生はまっぴらごめんなので、民主政治のルールの中で政治力を獲得しながら、自らの政治的思いを実現する道を選択した。それがポピュリズムでダメだと言うなら他の方法を教えてくれよな。

東京大改革を合言葉に今度の都議会議員選挙に乗り出す今の小池百合子都知事も同じ。スケールは違うけど、トランプのおっちゃんも同じ匂いがするね。もちろん、僕も、小池さんも、トランプのおっちゃんも神じゃないんだから、常に絶対的に正しいわけじゃない。

(中略)

今のところ、小池さんが進めようとしている東京大改革は、中身がよくわからない。それでも、小池さんの改革姿勢や都政の進め方の雰囲気に有権者は強い期待感を抱いている。

そりゃそうだ。小池さんのことを劇場型だ、ポピュリズムだと批判したところで、じゃあ都知事選に出た他の候補者(鳥越俊太郎さん、増田寛也さん)でここまでのことができたか、これまでの歴代東京都知事がここまでのことをやったか。このような比較優位の視点で考えたら、僕を含めた自称インテリがぶつぶつ、ぶつぶつ細かなことで批判をしたところで、有権者の支持は揺るがない。

政治・行政に100%完璧なものはない。常に比較優位の視点で考えなければならない。今の小池都政とこれまでの東京都政との比較。有権者は小池都政に、これまでの都政よりも優位性を感じているんだろうね。

それでも有権者にしっかりと考えてもらうために、僕は、ポピュリズム! などの抽象的なフレーズを用いることなく政策や改革の中身について批評し、そして批判するならしっかりと他の解決策を示した上で批判していきたいと思います。ここが、ちょび髭藤井との決定的な違いです。
橋下徹「小池さんの東京大改革と大阪都構想の政治姿勢はここが似ている」

橋下徹の、ちょっとしんみりな敗北宣言なのでありました。 KAI