衆議院京都3区補選の結果は、まことにもって残念至極なのであります。
とはいえ、KAI的には、すでにツイートいたしましたように、以下の通りの大きな成果があったと考えているのであります。
・国政レベルで、橋下抜きの戦い方を経験
・森なつえという、国政議員候補の逸材を発掘
・投票率を上げれば勝機があることを証明
この3つの項目それぞれ、今後の維新躍進にとって、きわめて大きな意味を持っているのでありますが、これについて、まずは3番目の問題について、ご説明したいと思うのであります。
そこで、こんな記事がありましたので、ご紹介するのであります。
上は出口調査の結果です。森さんの得票数は20710票。上記の結果から考えると、おおさか維新の会(以下おおさか)支持者からの得票数は一万以下であったことになります。これについてなぜかを考えてみます。なかなか興味深い、選挙結果の分析なのでありますが、その内容への賛否は別にしまして、この引用させていただきました一節についてであります。
(京都3区補選の総括)
つまり、森なつえ候補の獲得票数2万票の内、おおさか維新支持者の票はその半分もなかったというのであります。
しかしながら、この文章は、そのまま受け取るわけにはいかないのであります。
それは、今回の補選と同じ日である、23、24日に実施された世論調査を見れば、単純に理解できることであります。
民進党の支持率は、結党直前の前回調査(3月19、20両日実施)を5・5ポイント下回る7・3%となり、「ご祝儀相場」すらない窮状を印象づけた。すなわち、補選で投票所に来た人の中で、おおさか維新支持者は8%あり、対して、世論調査の支持率は4.1%。と言うことは、支持者の2倍の人々が投票所に足を運んでくれた結果の1万票であったと言うことなのであります。
(中略)
民進党以外の政党支持率は、自民党39・0%(前回36・7%)▽公明党3・8%(同4・6%)▽共産党5・2%(同3・0%)▽おおさか維新の会4・1%(同4・4%)▽社民党1・5%(同0・8%)▽生活の党と山本太郎となかまたち0・5%(同1・1%)▽日本のこころを大切にする党0・2%(同0・2%)▽新党改革0・0%(同0・2%)。
(内閣支持率49.4%↑ 民進党支持率は急落7.3%↓ 「現行憲法で平和と安全守れない」52.1%)
そもそもにおいて、全体の投票率がきわめて低い中で、民進党に至っては、7.3%に対して23%、3倍強もの人員を動員していたのであります。
しかも、このような状況の中でも、自民党が候補者を擁立していなかったとはいえ、維新以外の支持者から1万票以上の票を獲得した事実は、きわめて重要となるのであります。
ここで、もし全体の投票率が上がる選挙となれば、果たして結果はどうなるのか、これを考えてみればよろしいのであります。
まずは民進党でありますが、その3倍強の動員率から言えることは、投票率が上がっても、それに比例した得票を得ることはできないと言うことであります。
さらに、他党支持者からの得票も、その割合は小さく、全体の得票数への貢献は大きくなることはないのであります。
これに対して、おおさか維新はどうなるのでありましょうか。
確かに動員率は2倍あるものの、支持率自体はいまだ4%であり、これを大きく伸ばすことを前提に考えますならば、投票率の増加は、支持率に伸び代がある分だけ、獲得票数の大幅な増加を見込むことができるのであります。
また、他党支持者同様、無党派層からの得票も、投票率の伸びとともに大幅な増加を期待できるものとなるのであります。
これこそが、「投票率を上げれば勝機があることを証明」していると言えることなのであります。
そこで問題となりますのが、肝心要の支持率をいかにすれば上げることができるか、であります。
ここで思い出していただきたいのは、「支持率」とはなにか、であります。
さきほど、支持率とは「信頼」と「期待」であると申しあげたのでありますが、この「信頼」と「期待」とは、他者との比較による、つまり他者よりはより「信頼」できる、より「期待」できるとなるのが、相対的価値観による「信頼」と「期待」なのであります。まさに、支持率とは「信頼」と「期待」であるのであります。一方、絶対的価値観による「信頼」と「期待」とは、政党としての過去からの一貫性であります。別の言葉で簡単に言うと、公約を守る、言行一致の姿勢であります。これを徹頭徹尾、徹底して履行するのであります。
かように考えますれば、維新の党の支持率を上げるにはどうすればいいか、おのずと答えは見えているのであります。
(なぜ維新の党は「揺れる」のか?)
このエントリーにも述べましたことではありますが、支持率とは他党との比較ではなく、一貫して政党として「信頼」と「期待」の獲得なのであります。
そして、これにいまのいま、なお、最も貢献しているのが、橋下徹であることに、みなさん気づいて欲しいのであります。
もはや、おおさか維新にとって必要なことは、橋下徹のタウンミーティングでもなければ、街宣車からの神演説でもないのであります。
そうです、いま、毎月地方で開催されている、地域政党維新の会と連携した講演会であり、新しく始めたメルマガによる、維新スピリッツへの認知活動に他ならないのであります。
あの橋下・羽鳥の新番組でさえ、橋下徹と言うタレントをとおした、全国的維新スピリッツの認知活動であると、かように位置づけていると、KAIは考えているのであります。
5年後の、政権奪取のために、いま、何をなすべきか。
それは、目の前の派手な議席獲得競争ではなく、目の前に迫る大戦(おおいくさ)の勝利に、地道に備えることに他ならないのであります。
まさに、これこそが、冒頭に述べさせていただいた、今回の補選の、最初の二つの成果に他ならないのであります。
・国政レベルで、橋下抜きの戦い方を経験
・森なつえという、国政議員候補の逸材を発掘
来る参院選挙に、いかに勝利するか。
もちろんこれは、国政レベルであります。
今回以上に、全国に、戦力が分散されるのであります。
しかし、これをまったくもって悲観する必要はないのであります。
なぜなら、今回の補選を、全国のおおさか維新の志士が体験したからであります。参院選は、単純に志士の地元で、これを繰り返すことができるからであります。
さて、そうは言っても、目の前の問題が気になって仕方がない人々がいるのも、事実でありまして、最後に、この「おおさか」党名変更問題について考えてみるのであります。
なんと、うわさによれば、今回の補選中、松井代表以外、「おおさか」を極力隠していたとの情報があるのであります。もちろんこの真偽をネット映像で確認すれば済む話ではありますが、おそらくこれは間違いないと思うのであります。
なぜ、「おおさか」を出したくないのか。
どう呼ばれるかは、やはり大事である。つまり、「堺のことは堺で」と言って、堺市長選挙での、維新政治の敗北の記憶であります。
京都で「おおさか」はさすがにまずかっただろう。
多分、名古屋でもそのはずだ。誰にも受け入れられるような呼び名に変えるのがいい。
(おおさか維新の会はいつ党名を変更するのだろうか)
実は、この論理は、今回の京都補選においても、すでに述べましたとおり、明確に否定されているのであります。
え?
どこが否定されているの?
かように疑問に思われるみなさまは、今一度、この言葉を読み返してほしいのであります。
支持率とは「信頼」と「期待」
問題は、「おおさか」や「京都」などではなく、支持率である。支持率、すなわち「信頼」と「期待」がおおさか維新にあったかどうか、この一点を外しては議論がなりたたないことに、党名変更賛成論者は、気づく必要があるのであります。
すなわち、京都3区の有権者のみなさまにとって、もっとも重要なこととは、「おおさか」なる党名などでもなんでもなく、おおさか維新が「信頼」かつ「期待」できるのか、この一点にしかなかったのであります。
そして、この意味において、選挙で敗北した。信頼と期待を勝ち得ていなかった。
ただ、これだけの意味に過ぎないのであります。
そして、ここで重要となるのが、今回の松井一郎の戦い方であります。
来る参院選。
「おおさか」否定派は、いかなる戦い方をすればいいと思っているのか。
例えば「日本」に戻したとして、あなたは、参院選でいかなる演説をするのか。
「日本」は、日本を改革します。
え?それってみんな言うてることと何が違うの?
まさに、ここで維新スピリッツを表すことば、「おおさか」が必要となるのであります。
もちろん、情報戦に巻き込まれた「おおさか」否定派のみなさんも、ここで考えを改めるに、まさにはばかることなかれ、であります。
「おおさか」こそ、情報戦における、敵方にとって脅威であることを、今一度ご理解いただきたいのであります。
これから行われる地方選挙。野火のごとく「おおさか」が燃え広がる様が、KAIには見えるのであります。 KAI
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