このところの頻発する出来事に、KAIはまるで追いつけないでいるのでありますが、まずはひとつひとつコメントしておくのであります。
と言うことで、まずはこちらから。
北朝鮮は、予想通りミサイルを発射したのでありますが、さいわいKAIが予想した「核」ミサイルではなかったようであります。
しかしながら、この「核ミサイル」を北朝鮮が発射する可能性がますます高まっているとの情報が、次々とレポートされているのであります。
政府は4度目となる今回の核実験に関し、地震の規模や地震波の形状、大気中の放射性物質の状況などを分析。高度な技術が必要となる水爆の可能性よりも、原爆と水爆の間に位置するブースト型原爆の技術が使われたとの見方を強めている。「ブースト型原爆は核弾頭の小型化にもつながる」とは、先のレポートに追記しました通りであります。ブースト型原爆は、重水素と三重水素を使って核融合反応を原爆の中で部分的に用いて威力を高めるのが特徴。主に核融合のエネルギーで爆発させる水爆と比べて技術的な壁は低い。
専門家は、ブースト型原爆の技術は水爆開発に必要な技術でもあることから「北朝鮮の核開発は一段階進んだということができる」と指摘する。
ブースト型原爆は核弾頭の小型化にもつながる。ミサイル技術の向上と合わせて、威力の高い長距離弾道ミサイルの開発を可能とし、北東アジアだけでなく米国にとっても大きな脅威となる。
(北の核実験はブースト型 政府分析 小型化核のミサイル搭載で高まる脅威)
年明け早々の核実験は、予想しました通りミサイルの核弾頭を想定したものである可能性がきわめて高いと言うことであります。
そしてもうひとつの問題が、こちらであります。
クラッパー氏はさらに、北朝鮮が大陸間弾道ミサイルをイランやシリアを含む数カ国に輸出していると指摘。「北朝鮮の核・ミサイル計画は、16年の米国の国益と東アジアの安全保障に深刻な脅威をつきつけるだろう」としている。これは、2月9日米国上院公聴会での、国家情報長官クラッパー氏の証言であります。
(「北、核兵器最大20個」米公聴会 プルトニウム抽出可能、産経、2016.2.11、p.6)
こちらもまた、北朝鮮が国家ビジネスとして、核ミサイル開発を推進していると言う事実が、明確に指摘されたのであります。
まさに、前回KAIが指摘しましたとおり、資金不足による飢餓が人民から兵士にまで及んでクーデターの危機にさえあった北朝鮮が、なぜいま俄然元気に見えるのか、その明確な理由こそ、中東からの莫大なキャッシュの流入があったからに他ならないのであります。
そして、一時、日本からのキャッシュ獲得の口実にした拉致問題。
日本政府が、北朝鮮による事実上の長距離弾道ミサイルの発射を受けて、独自の制裁措置を決定したことに対し、北朝鮮は12日夜、拉致被害者を含む日本人の行方不明者の調査を12日から全面的に中止し、調査を行う「特別調査委員会」を解体すると発表しました。なんとも都合のよい取って付けた理由でもって、ちゃらと言うわけでありますが、キャッシュ問題が解決したことがみえみえなんであります。
(北朝鮮 拉致被害者の特別調査委員会解体を発表、2月12日 23時23分)
ことほどかように、北朝鮮にとって、この「核ミサイル」ビジネスこそ、北朝鮮、いえ、金王朝が生き残るために残された、たったひとつの道であると言えるのであります。
かように考えますれば、当面の間、北朝鮮は「ビジネス」のために直接「核ミサイル」の使用はないと思われるのであります。
もちろんこれは、もし直接「核ミサイル」を使用しようものならば、世界中を敵にまわすことになり、たちまち「ビジネス」自体が中止に追い込まれるからに他ならないからであります。
と言うことで、今後の北朝鮮問題の焦点は、この「ビジネス」をいかに潰していくのか、すなわち、具体的にはこの「ビジネス」の取引先であるイランを始めとした中東各国への、北朝鮮との取引の締め付けであります。
この具体的な実行を左右するのが、今年の秋の米国大統領選挙の結果なのであります。
もし民主党候補が勝利しましたならば、まったくもって期待できないと思われるのでありますが、共和党候補なら、いかなることになりますのか。
これは、劇的な改善が期待できると、KAIは考えているのでありますが、このあたりの理路につきましては、後日ゆっくりとご説明したいと思うのであります。 KAI
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