いよいよ2015年も、残すところあと1日。
と言うことで、さて来年の展望はいかなることになりますやら。期待と希望を込めまして、これを考えてみることにするのであります。
まずは、この1年の総括でありますが、これは言うまでもなく、前回取り上げましたところの「第二次維新戦争初戦勝利」であります。
なぜ、こんな一地方の首長選挙が、1年の総括たりうるのか、そのご説明はのちほどさせていただくといたしまして、この影響度たるや、計り知れないものがあったのであります。
まずは、共同通信12月27日発表の政党支持率であります。
自民党 36.9%なんと、おおさか維新の会と言う、結党2ヶ月足らずの政党の支持率が、民主党に次ぐ第三位に躍り出たのであります。
民主党 9.7%
おおさか維新 5.1%
公明党 4.6%
共産党 3.5%
社民党 1.1%
維新の党 0.4%
(最近のマスコミ世論調査と同時選挙について)
この支持率の急激な立ち上がりが、冒頭に記しました「維新戦争初戦勝利」から来ていることはまず間違いないのであります。
もちろん、橋下徹大阪市長退任直後に行われた、安倍・橋下会談も直接的に影響しているのでありますが、「維新戦争勝利」がなければ、この会談もありえないことであったのであります。
すなわち、橋下徹とおおさか維新の会は、この「維新戦争勝利」によって、計り知れない強力な政治力を獲得することができたと言えるのであります。
これを受けて2氏の方が、来年の見通しについて、コメントしているのであります。
ただ、安倍&菅コンビは敵前突破を平気でやれる人たちだ。橋下氏を担ぎ出して憲法改正を突き進めたいという思いは安倍首相の中で非常に強い。菅氏はそれを実現するためには手段を選ばない人である。橋下氏が選挙で貢献すれば、安倍首相は彼を閣内に迎えて厚遇するかもしれない。だが、自民党内にはダブル選や橋下氏の厚遇に反発する人も多いに違いない。安倍構想の実現には課題が多い。
(蜜月の安倍、橋下両氏 「憲法改正」の中身にズレがあるのでないか)
いずれにせよ安倍、菅両氏と橋下、松井両氏が党派を超えて息を合わせたのは間違いないだろう。ずばりいえば、おおさか維新の会は連立政権にまで踏み込みかどうかはさておき、いずれ実質的に与党化するとみていいのではないか。この大前研一、長谷川幸洋両氏による見通しに共通しているのは、おおさか維新の「与党化」の問題であります。
(橋下維新いよいよ与党に!? 安倍首相と会談3時間半。2016年の政界はこうなる)
確かに、3時間半にも及ぶ安倍・橋下会談の蜜月ぶりを見せられれば、そう考えるのも当然と言えば当然なのではありますが、この8年間に亘る橋下徹の「苦闘の歴史」を目撃してきたKAIにとって、「与党化」なるものとは、余りにもうわっつらしか見られない、傍観者の言葉であると言わざるを得ないのであります。
それは、橋下徹のツイッターに書き込まれた内容を、最初から最後まで読めば明らかになるのでありますが、徹頭徹尾、首尾一貫した、イデオロギーではなく現実、評論ではなく提案、批判ではなく実行、これこそが、橋下徹であり、おおさか維新の会の考え方であるからであります。
具体的には、おおさか維新の会の目指す政治とは、官僚支配による中央集権政治からの脱却であり、地方分権政治の実現に他ならないからであります。
その意味で、橋下徹は、安倍政権が自民党の中にあって、この官僚支配に抵抗している、この一点において、安倍と共闘できると考えていると、KAIは思うのであります。
すなわち、橋下徹にとっての政治とは、中央官僚との権力闘争に他ならないと言うことなのであります。
もちろん、ご本人の口からこれが明確に表明されることは、この権力闘争の勝利の結末を得た、その後になることは明らかなのでありますが、まだまだ先のお話になるのであります。とはいえ、5年後の政権奪取はすでに言明されているのも、事実なのであります。
と言うことで、かように考えますれば、2015年が大きな歴史の流れから見れば、官僚軍対維新軍の戦いの始まりの年であるとの位置づけは、決して誇大妄想とはいえないのであります。
11月22日、東京から大阪へと大挙して幹部連中が押しかけてきた、官僚軍の走狗である自民党および他のすべての走狗政党に勝利したことこそが、この全ての始まりであると記憶されることになるのであります。
でありますから、2016年がいかなる年になるのか、これも容易に想像することができるのであります。
つまり、それは、おおさか維新の会の「与党化」への道とはまったくもって真逆の、政権を担える2大政党の一角への道であります。
この、2016年、きわめて重要な戦いとなるのが、参議院選挙。
おおさか維新の会は28日、大阪市内で10月の結党以来初の常任役員会を開き、来夏の参院選に向けた公約づくりに法律政策顧問を務める橋下徹氏(前代表)が参画することなどを決めた。松井一郎代表(大阪府知事)は記者団に「(橋下氏に)アドバイスをもらい、考え方も入れ込んでいく」と語った。この戦いに、維新の会の男と女たちが、命をかけて臨むのであります。 KAI松井氏によると、公約の柱は「行財政改革」。国会議員の報酬3割削減といった「身を切る改革」や、統治機構改革のための憲法改正を盛り込む。
(おおさか維新、参院選公約づくりに「橋下氏のアドバイスも」…初の役員会合)
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