情報戦とは--孫子の兵法応用編・シーズン3

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朝日新聞の、慰安婦誤報記事取り消し問題。

今月初めの、この「事件」が、いったいいかなる展開となるのか、この2週間、KAIはこれをじっと注視していたのであります。

そして、案の定の展開をみせているのでありますが、今回は、この一連の動静とはいったいいかなる本質的意味があるのか、これをご説明したいと思うのであります。

と言うことで、まずはこちらの記事をお読みいただきたいのであります。

 平成23年3月の東京電力福島第1原発事故に関し、産経新聞は17日、政府の事故調査・検証委員会が事故発生時に所長として対応に当たった吉田昌郎氏(25年7月9日死去)に聞き取り調査してまとめた「聴取結果書」(吉田調書)を入手した。(後略)
吉田所長、「全面撤退」明確に否定 福島第1原発事故
この吉田調書を、先に入手した朝日新聞が、「所長命令に違反 原発撤退」と大々的に報じたのが、3カ月前の5月20日。

今回の産経新聞の記事は、この朝日新聞の記事が捏造報道であったことを暴露し、慰安婦報道と同じく朝日新聞に染み付いた捏造、誘導体質を糾弾するものとなっているのであります。

別の言い方で申しあげますならば、朝日新聞から発せられる「言葉」には、まったくもって信頼性と言う一片の欠片もないと、かように産経新聞に断じられたのであります。

これを見て、思い出したのが、橋下徹と朝日新聞が対峙した「週刊朝日事件」であります。

この事件についてKAIがこれを考察したのが、このエントリーであります。

情報戦とは−−孫子の兵法応用編・パート7

このエントリーでは、<今回の「事例」とは、かつてのメディアとの戦いがごとく、一方的メディアの権力に屈するのではなく、対等にメディア以上の力で反撃した、歴史上かつてない、これがまったくもって初めての出来事>として、個人が巨大マスメディアと対峙し、そして、勝利した歴史上初めての出来事であったと述べているのであります。

そしてその原動力となったのが、「言葉の信頼性」であります。

これが、メディアの、「言葉の信頼性」に対する「認識」であります。

彼らにとって、ツイッターによる「議論」などあり得ない。ツイッターに書かれる言葉は、すべて「感情」との認識であります。

ところがどっこい、そうではない。

すでに、いくつも引用した橋下徹のツイッターをお読みいただければ、ことごとくにおいて、これが「明晰」なる論理で貫かれていることがわかるのであります。

これに対する、メディアと言う「権力」はどうか。

もちろん、彼らが、ツイッターで反論することもなければ、記者会見の場に出て正々堂々と「議論」に応ずることもない。せいぜいがゴミブロガーに、キャンキャンと吠えさせるだけ。まともな「論争」記事の一つも、いまだかつて書いたためしがないのであります。

これで「言葉の信頼性」を、築けるわけがないのであります。

すなわち、これが何を意味しているのか。

この本質を、みなさんは徹底して理解する必要があるのであります。

そして、それは、「言葉の信頼性」とは、その言葉の「コンテンツ」の「信頼性」ではなく、「言葉」による議論と言う「プロセス」としての「信頼性」以外の、何者でもない、つまりはそう言うことだったのであります。

この事件以来、週刊朝日の言葉の信頼性は地に落ち、週刊朝日にとどまらず、その親会社である朝日新聞にまで波及しかかると見るや、あわてて編集長を更迭したのであります。

しかし、もはや、朝日新聞それ自体の「言葉の信頼性」には、ネットだけではなく一般の読者にまで暗雲が差し掛かり始めたのであります。

その結果、年間何十万部にもおよぶ購読者数の減少をまねく事態となってしまった。

そして、今月5日、これに歯止めをかけたいがためかの、慰安婦報道記事取り消し。

ところがであります。

火に油を注ぐとは、この記事のことを言うのであります。

いままで暗黙のうちに他社の報道批判をしないとしてきたマスメディアが、一斉にこれに飛びついてきたのであります。

これに追い討ちを掛けたのが、上掲のとおり、今朝の産経新聞の報道であったのであります。

かくして、これを報じないのは、脛に傷持つ毎日新聞(TBS)と張本人の朝日系列のみと、一人孤立に追い込まれてしまったのであります。

朝日新聞の幹部は、この事態を想定していなかったと、KAIは考えているのであります。想定していたとしても、乗り切れると考えていたと思うのであります。

しかし、そうは問屋が卸さない。

もはや、日本国民の誰一人として、永久に朝日新聞の「言葉の信頼性」を信じる者はいなくなってしまったのであります。

これが、一連の事態の本質であると、KAIは考えているのであります。

そして、もうひとつ。

朝日新聞の取り消し報道以来、のきなみテレビ報道に登場したのが、橋下徹。

これに対して、アンチ橋下徹が一斉にクレームをつけるのが、実に滑稽でありますので、アンチのみなさまには、なぜいま再び橋下徹であるのか、これをお教えしておくのであります。

つまり、以上の考察のとおりに、いま、メディアにおいてもっとも重要なのが、「言葉の信頼性」であります。

これを真に体現している人物こそ、橋下徹であります。

メディアは、橋下徹に、この「言葉の信頼性」を、無意識のうちに求めているのであります。

そして、この意味においても、大阪都構想と言う「言葉の信頼性」へと、大きく潮流が変わり始めたと、KAIは実感するのであります。 KAI