呉克烈の陰謀

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今回の粛清の黒幕は、呉克烈(オ・グッリョル、1931年 - )であります。

呉克烈とは、いったいいかなる人物であるのか。

いまのいま、この人物を理解することが、これから起きる出来事を明確に理解するための礎となるのであります。

ここで、これを超簡単にご説明させていただきますならば、この男こそ、金正恩政権を倒してクーデターを企てている張本人なのであります。

と、唐突にこれを申しあげましても、わけわかめでありましょうから、順を追ってご説明することにするのであります。

いまのいまの現在、北朝鮮のNo.2と言えば、崔竜海(チェ・リョンヘ、1950年 - )。直近の金正恩映像にも側近として登場しているのであります。

この男の役職が、軍総政治局長、軍の最高位であります。

ところがであります。

崔竜海は、まったくもって軍人としての経験のない人物であったのであります。

これを国防委員会副委員長として支えているのが、生粋の軍人、呉克烈であったと言うわけであります。

では、なぜ今回、この男が張成沢(チャン・ソンテク、1946年 - 2013年)の粛清に動いたのか。

そのわけを握る第三の男がいるのであります。

元総参謀長李英鎬(リ・ヨンホ、1942年 - )

この男こそ張成沢を後ろ盾に、かつて、呉克烈を25位に降格し、かわりに、張成沢の妻であり正恩の父、正日の妹金敬姫(キム・ギョンヒ、1946年 - )を呉克烈にかわって5位に登用した張本人であったのであります。

このことからも、呉克烈にとって、彼が支える崔竜海軍総政治局長と強いつながりのある金敬姫とは、明確に一線を画す関係であると言えるのであります。

と言うことで、このところの報道には、張本人である李英鎬の名前は一切出てこないのでありますが、張成沢とともに粛清されたとみて、まず間違いないのであります。

―――――――――――――――――――――――――――――――――2013.12.15追記
スミマセン。勉強不足でした。
李英鎬は、すでに昨年7月総参謀長を解任されていました。
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でありますから、金敬姫につきましても、銃殺まではされないものの、完全に排除されたものと考える必要があるのであります。

かように考えますれば、金一族で政権の中枢にいるのは、正恩、ただ一人。

これが何を意味しているかは、明明白白であります。

いまや、金正恩は、呉克烈の傀儡と成り果てたのであります。

もちろん、これが長く続くわけもないのであります。

それは、軍内部の、困窮に対する爆発であります。

そのための、呉克烈による崔竜海を頭にした軍部のクーデターと言うわけであります。

張成沢の処刑理由に、この「クーデター」と言う言葉が登場したのも、これは決して無縁のことではなかったのであります。まさに無意識のなせる「予知能力」の世界であります。 KAI

(追記)
金敬姫が健在であるとのNHKの報道がありましたので、引用しておきます。後日この点についての考察をレポートする予定です。(NHKの記事はすぐ消えてしまいますので全文引用しています)

北朝鮮が発表した朝鮮労働党の幹部の葬儀を行う委員会の名簿に、死刑を執行されたチャン・ソンテク前国防委員会副委員長の妻でキム・ジョンウン第1書記のおばのキム・ギョンヒ書記が含まれており、政治的に健在であることが確認されました。

北朝鮮は朝鮮労働党の検閲委員長を務めていた89歳の古参幹部が死去したのに伴って、14日夜、国家葬儀委員会の名簿を発表しました。
メンバーはキム・ヨンナム最高人民会議常任委員長を筆頭に54人で構成されており、名簿の6番目には、クーデターを企てた罪で今月12日に死刑を執行されたチャン・ソンテク前国防委員会副委員長の妻でキム・ジョンウン第1書記のおばのキム・ギョンヒ書記の名前が挙げられています。
これによって、夫のチャン氏が粛清されたあともキム書記は政治的に健在であることが確認されました。
ただ、キム書記は健康問題が取り沙汰されており、ことし9月10日を最後に動静が伝えられていないだけに、今後、公の場に姿を見せるのかどうかが注目されます。
このほか、葬儀委員会の名簿には、チャン氏に近かったことで知られ、中国に逃れて亡命を申請したという観測が一部で出ていたロ・ドゥチョル副首相も含まれています。
北朝鮮は、死去した幹部の葬儀をキム・ジョンイル総書記の命日の前日に当たる16日、国葬として執り行う予定で、指導部の結束を内外にアピールしようとするとみられます。
チャン氏の妻 政治的に健在、12月15日 7時0分