いかがでしたでありましょうか?
これこそが「ディベート」と言うものの、典型的事例となるのであります。このディベートに関して、ほとんどこの経験のない日本のメディアや橋下に批判的な国民のみなさんの目に、今回、午後1時から3時の2時間以上にも亘る「外国」特派員との間の「質疑応答」が、いかなる形に映ったのか、KAIはこれにきわめて興味深いものがあるのであります。そして、この結果は、「世界」が「一変」する。
(「言い方が悪い」と言う反論はなぜ最強なのか?)
その「反応」の典型が、こちらであります。
旧日本軍の「慰安婦」制度を容認するものと受け止められた日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長の当初の発言は、いったい何だったのだろうか。質疑応答には一切興味はございません、とばかりに、ひたすら「必要」発言にのみ拘り続けるわけであります。国際的な批判を浴びている渦中の橋下氏が27日、東京都内の日本外国特派員協会で記者会見した。前日に「私の認識と見解」と題する日本語版と英語版の文書を公表した橋下氏は、外国特派員らに向けてあらためて文書を読み上げ、「発言の一部が文脈から切り離され、断片のみが伝えられた」とメディア批判を繰り返した。
橋下氏は当初の発言内容から大きく軌道修正した。
今月13日、記者団に囲まれ、次のように語った。「銃弾の雨嵐のごとく飛び交う中で、命かけてそこを走っていくときに、そりゃ精神的に高ぶっている集団、やっぱりどこかで休息じゃないけども、慰安婦制度っていうのは必要だということは誰だってわかるわけですよ」
これに対し27日の会見で読み上げた文書では「戦場の性の問題は、旧日本軍だけが抱えた問題ではありません。『戦時においては』『世界各国の軍が』女性を必要としていたのではないかと発言したところ、『私自身が』必要と考える、『私が』容認していると誤報されてしまいました」とメディアに責任転嫁した。「誤報」と言い募る姿勢に説得力があるだろうか。
(社説[橋下氏会見]「不快感」だけが残った)
この思考方法が、くりかえしご説明しております「レトリック思考」であるとは、いまさら申しあげるまでもないのであります。
つまり、「レトリック思考」論者にとっては、「必要」発言を撤回させることにのみ「結論」があって、「ディベート」なるものに興味のかけらもないのであります。「不快感」などと言って、質疑応答など、これっぽっちも言葉どおり聞く耳をもたない方々であるのであります。
でありますから、普通にマスメディアの報道が、こうなるのであります。
橋下氏は今月13日には記者団に「銃弾が雨嵐のごとく飛び交う中で命をかけて走っていくときに、どこかで休息をさせてあげようと思ったら、慰安婦制度は必要なのは誰だってわかる」と発言したが、会見ではこうした発言自体は撤回しなかった。沖縄タイムズも朝日新聞も、13日の橋下発言を「引用」してまでして、この「必要」発言を撤回させるのに必死だったのであります。
(慰安婦問題、橋下氏「日本の過ち正当化するつもりない」)
こんな記者たちの願いもむなしく、実際の「ディベート」がどうなったかと言えば、
「私の一つのワード(言葉)が抜き取られて報じられたのが、騒動のきっかけ」と切り出した橋下氏は、「(慰安婦制度が)当時は必要だった」とする発言について、「戦時においては、各国の軍が女性を必要としていたのではないかと発言したところ、私自身が必要と考えて容認していると誤報された」と釈明した。「記者の質問では、この釈明への関心は示されず」であったのであります。しかし、記者の質問では、この釈明への関心は示されず、従軍慰安婦の強制連行の有無についての見解を尋ねる声が続いた。
米紙ニューヨーク・タイムズ東京支局の田淵広子記者は、慰安婦問題が人身売買にあたるかどうかを質問。橋下氏が「軍は慰安所の管理に関わったが、国家の意思として人身売買したかは歴史学の点から明確になっていない」と答えたことに対し、会見後、田淵記者は「国際的には女性の移送や管理を含めて人身売買と理解されている。橋下氏の主張は海外では受け入れられない。議論がかみあっていなかった」と話した。
(橋下氏会見 釈明2時間半 評価二分)
もはや、沖縄タイムズも朝日新聞も、この「必要」発言撤回を蒸し返すことが、不可能になったと言うことであります。
まずもって、この今回の外国特派員協会での橋下会見の「効果」となりますのが、これであります。
そして、続いてのもっとも大きな「効果」と言うのが、こちらであります。
デンマークのユランズ・ポステン紙のトーマス・デイビッドソン記者は、「自身のプライドを傷つけず、弁明で質問をかわした。まさに言葉による"合気道"。海外メディアにここまで長時間、対応する政治家も日本では珍しい」と、一定の評価を下した。反日メディアをも含めて、海外メディアに、橋下の「主張」が、それが偏向されようがされまいが、伝わったってことであります。韓国のインターネット通信「JPニュース」の李至鎬記者は、「自分なりの論理で明確に話した」と印象を語った。
台湾の中央通信社東京支局の楊明珠支局長は、「日本の慰安婦問題を海外の軍隊の問題にすり替えるのはいかがなものか」と話した。
これに対し、AP通信は配信記事で、橋下氏が「戦場の性の問題」は日本だけでなく他の主要国でも存在したとして、「日本だけを非難することで終わってはならない」とする同氏の見解を伝えた。
(橋下氏会見に海外メディア高い関心「すり替え、いかがなものか」)
「公式」の「ディベート」と言うチェックを受けた英文の「文書」がネットに載ることで、間接的にせよ、そこにリンクが張られたのであります。
でありますから、引き続いて、海外メディアがこれに関心をよせるかどうかは、まったくもって関係ないのであります。
結果を一言で言うと、海外では既にあまり関心がなく、ほとんどスルーされたいっても過言ではない。重要なことは、この時点で、日本と言う国から海外に向けて、慰安婦問題についてある種の「公式」見解が発信され、これを世界中の人々が「認識」することが可能になったと言うことであります。
(橋下記者会見、海外ではほぼスルー)
今後、世界中のどこかで慰安婦問題の煙が立ち上がるたびに、グーグルで検索して、この英文の「文書」にたどり着く。もうこれだけで十分なのであります。
この「文書」や、「メディアの記事」そのものが、韓国人および関係者の手によって、故意に書き換えられる恐れもなくなった。これは、絶対的に「強力」で「重要」なことであるのであります。
ご理解いただけましたでしょうか?
外国特派員協会の会見を境にして、「世界」が「一変」したことを。
もはや、世界から慰安婦問題を問われても、橋下「文章」を参照されたし。もうこの一言で十分となったのであります。
もちろん、国内も、同様であります。
いくら朝日新聞がこれを蒸し返しても、河野談話同様、橋下「会見」で決着済みとなるのであります。
そして、この「効果」は、来月英国で行われる、G8サミットにおいてさえ、同様となるのであります。
2013年06月17日(月)?18日(火)の2日間、ご想像いただきたいのでありますが、このサミットに参加する、日本以外の7カ国であります。
北アイルランド南西部の町 エニスキレン(Enniskillen)にある保養地
アーン湖にて「G8ロック・アーン・サミット」(主要8ヵ国首脳会議)が開催されます。
(イギリス:北アイルランド 6月17日?18日「G8サミット」開催に伴う影響)
どこをとっても、慰安婦問題に触れることは利益にならなくなったのであります。
へーグ英外相の、21世紀に入った今なお、紛争下において性的暴力という形で女性の人権が侵害されている状況を打開したいとの強い問題意識に各国外相が賛同し、 「紛争下の性的暴力防止に関する閣僚宣言」(PDF) が議長声明と別途発出された。はからずも、この前月初旬の英国(韓国の意を受けた)のたくらみに、橋下徹が、これが日本だけの問題でないことをあらためて世界中に公言して、引き続いて行われるG8サミットの議題になったとしても、G7が自国の不利になるだけであることを、事前に教えたのであります。
(G8外相会合(概要))
この結果は、G7が安倍に対して、いかなる意見表明をするのか。
これをチェックするだけで、お仕舞いであります。
そして、それは、この問題に触れたくなくなったG7および安倍に対して、海外の「メディア」が容赦しないのであります。
ここで、いかなる「質疑応答」が行われるか。
これから先は、6月17日と18日、すべてがあきらかになるのであります。
そして、6月10日。、
米Appleは現地時間2013年4月24日、「Worldwide Developers Conference(世界開発者会議、以下WWDC)」を、米サンフランシスコのMoscone Westで現地時間の6月10日から14日まで開催すると発表した。ここで、起こることは、単なるアップルだけの問題にとどまるのではないのであります。
(Apple、開発者会議「WWDC2013」を6月10日から開催、「iOS 7」と「OS X 10.9」発表か?)
まるで、30年前のパソコンの誕生と同じ「進化」が、このWWDCで、明らかになる。
ジョナサン・アイブによって、またあらたなる夜明けの扉が開かれるのであります。
この「意味」を、哀しいかな「メディア」は、理解ができない。 KAI
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