フラクタルとカタストロフィ

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もう随分昔に話題になった理論でありますから、いまの若い人たちからすれば、なんじゃこれ状態とは思うのでありますが、いまいちどこの理論についてみなおす必要があると思うのが、このカタストロフィ理論についてであります。

カタストロフィー理論(カタストロフィーりろん、カタストロフ理論、Catastrophe theory)は、力学系の分岐理論の一種を扱う理論。不連続な現象を説明する、画期的な理論として一時注目をあび、さかんに研究、議論された。

カタストロフィーとは周期的な秩序だった現象の中から不意に発生する無秩序な現象の総称。

ルネ・トムの『構造安定性と形態形成』(Structural Stability and Morphogenesis , 1972年)により提唱された。
カタストロフィー理論

と言いますのも、今朝またも起こった淡路島大地震が示していることは、天気予報を典型とする「統計」理論に基づく「予知」の「無力」であります。

3.11がそうでありますが、統計学的に1000年に1度の地震であったとしても、これがまた明日起きないと言う保証は、驚くことにまったくもって皆無であるのであります。

これは、つまり、いまのいま幅を利かせる地震予知など、なんの役にも立ってはいないと言う、厳然たる事実であります。

と言うことで、この幅を利かせながらなんの役にも立たない「統計」理論について、今回はこの「純粋統計理論批判」をレポートするのであります。

そして、この理論的根拠をなすのが、「フラクタル理論」と「カタストロフィ理論」であるのであります。

とは言え、こんな一大事業がたった一回のエントリーで完結するはずありませんので、これは半年を目途にやり遂げることを目標にして、今回はその構想をレポートすることにするのであります。

そもそもにおいて、「統計理論」とは、なんであるのか。

私たちが理性を持って認識できるあらゆる世の中の事象とは、その事象の裏にこれを支配する根本「原理」なるものが存在する。

かように、私たちはこれを「信じて」いるのであります。

ところが、であります。

「統計理論」とは、この根本「原理」を解明するための理論ではなく、この「原理」は横においておいて、その「事象」と言う「結果」そのものを「数理的」に説明しようと言う理論であったのであります。

でありますから、「統計理論」とは「結果」の学問でありますから、これを地震予知や天気予報といった「未来」の「事象」に適用しようとすると、これは「確率」でしか「予知」することができないのであります。

これに対して、「原理」と言うものを理解するとは、「統計理論」となにが違うのでありましょうか。

例えば、いま夜の8時だとして、明日の日の出の時刻を、私たちは正確に知ることができるのであります。決して「100%の確率」で5時32分などとは言わないのであります。

これがなぜかと申しあげますならば、私たちは、天体の運動法則と言う「原理」を正確に理解しているからであります。

逆に「原理」を理解していれば、この「統計理論」で言うところの「確率」は簡単に導き出すことができるようになるのであります。

すなわち、問題のポイントは、「原理」の理解なき「統計理論」の「悪」であります。

ここでよく混同されるのが、この「原理」と「パターン」であります。

これも天気予報が典型でありますが、天気予報とは過去の天気の変化を単に「パターン」化したものにすぎないのであります。

すなわち、この「パターン」を緯度と経度と高度と言う3次元座標上に、気温、気圧、風向、風速をプロットして、時間軸上の地表の天気との相関を確率的に計算しているに過ぎないのであります。

このままでは、100年たっても天気予報に、なんの進化も期待することはできないのであります。

地震予知に至っては、天気予報以下も甚だしいといわざるを得ないのであります。

過去の、いわゆるこの「パターン」の蓄積は、「結果」としての「天気」に相当する「地震」の発生以外には、「皆無」としか言わざるを得ないのであります。

「パターン」でさえ、このありさまであります。

「原理」に至っては望むべくもないのでありますが、例えば「プレートテクトニクス」理論なるものはどうかと言えば、個別の地震には、「予知」はおろか「結果」説明にさえ、まったくもって役にはたっていないのであります。

多少期待できるかな、と言うのが、以下の研究であります。

 「地震というのは、断層破壊現象です。強く圧縮された地殻がおしあいへしあいをしていて、あるときにバリッと破壊する。その、1年間に数センチというおしあいへしあいを細かく見ていれば、不規則な動きになる時期が必ずあるはずなんです」

 破壊の前のその不規則な動きの時間って、どれくらいの長さなんですか?
地震の前のサインを読む!JAMSTECの稼ぎ頭 阪口秀(3)

しかし、これも所詮「シミュレーション」であります。

「断層破壊現象」に至る「原理」そのものが解明されない限り、単にシミュレーションによる「パターン」解析の域を超えることはできないのであります。

そして、ずいぶん前置きが長くなってしまったのでありますが、これらすべてを説明することができる「原理」となるのではないかと、KAIが考えているのが、標題の「フラクタルとカタストロフィ」であるのであります。

この詳細なるご説明は、次回以降とさせていただくことにいたしまして、気になる「事象」があるのであります。

富士五湖の一つである河口湖で、極端に水位が下がったとのニュー
スが少し前にありましたが、情報を収集・整理してみて驚きました。
3月2日から3日にかけて、一気に6メートルも水位が下がっていたので
す。でも、これはテレメーターの測定機器が故障していたためのようで、
実際は昨年の10月からじりじりと水位が低下してきたのこと。

でもあれだけの面積を持つ河口湖ですから、1メートル分の水量は、
なんと東京ドームの約4.5倍強にあたるのだそうです。
それだけの量の水は、いったいどこに行ってしまったのでしょう。
昨年の暮れあたりから、六角堂には歩いて渡れたのだそうですが、こ
の3月初頭の水量の減少は、毎日湖を見ている店員などの証言から、
いきなりドンと減ったように感じたのだそうです。
河口湖の水位激減

もちろん気象庁の説明では、これが富士山噴火に繋がる「パターン」には該当しないとなるのでありますが、所詮これも「統計理論」における限界であります。

しかし、であります。

もし、これが明日の富士山噴火であったとしたら、どうすればいいのか。

ただ、私たちは気象庁の説明を鵜呑みにするだけでいいのか。

今回のレポートのテーマとは、この一連の「仕組み」、これ自体の「原理」を理解することがその目的にあるのであります。

そして、この「原理」によれば、あらゆる「事象」には、「意識」のされない(つまり「無意識」の)「前兆」が存在すると言うものであります。

この「前兆」が具体的になんであるか。まずは次回これをご説明するのであります。 KAI