さて、今回の話題は、予想外の快進撃を続けるWBC侍ジャパンであります。
いよいよ明朝、準決勝。これに勝って最後の決勝でも勝てば、3連覇なるものを達成できる。
山本浩二の監督就任について感想を聞かれた野村克也は、「なんで実力も実績もない人が監督なんですかねえ」と、辛辣に批判をあびせていたのであります。だれも引き受け手がいないなかで、お鉢が回ってきただけだったのではありますが。
ところが、であります。
予想外と言いますか、期待以上の第2ラウンド3連勝と言う活躍で準決勝へ1位通過。
これは、いったいなぜなのか。
この秘密を、山本浩二が、大会前のインタビューに答えて、明かしていたのであります。
「先日、長嶋(茂雄)さん、王(貞治)さん、(原)辰徳(巨人監督)と4人で食事をしたが、日の丸の重さを改めて感じたね。監督を務めることになったことについて、王さんがいみじくも『これも運命』と励ましてくれた。ワシのところに話がきたのは、ちょっとオーバーに言えば、男にとって人生最後のチャンスだ。長嶋さんには『頑張れ』と言ってもらったし、辰にはいろいろ協力してもらっている。こうしたバックアップを受けると、どうしても責任を感じてしまうもんだな。日の丸の力はすごい。我々のどんな言葉よりパワーがある。この会話のどこが秘密かといいますと。?そもそもワシは、ブチ(田淵幸一)と一緒だった法政大時代も、プロに入ってセン(星野仙一・東北楽天監督)やブチ、トミ(日本ハムなどで活躍した富田勝氏)と一緒になったときも、常に注目度は彼らの後塵を拝していたからね。ワシはスタート時点ではいつも評価が低いんだよ。『いまに見てろ』という気持ちで闘ってきた。今回、いいチャンスをもらった。この負けじ魂を活かさんと」
(山本浩二 監督 直撃「それでも3連覇できるんじゃないの」さあWBCだ!その2)
- 辰にはいろいろ協力してもらっている
この「辰」とは、巨人の原辰徳監督でありますが、原辰徳の協力とは、単なる阿部慎之助、坂本勇人、長野久義と言う要の3選手を参加させたことだけではなかったのであります。
原辰徳は、この3選手と一緒に、巨人の戦略コーチである橋上秀樹を打撃コーチとして派遣していたのであります。
開幕直後に5連敗し6年ぶりの最下位を経験するなど、泥沼のスタートを切った巨人。しかしその後、17勝6敗という圧倒的な強さで、6月16日に交流戦を初制覇。驚異の復活の裏には、ある人物による徹底したデータ分析があった。今季から戦略コーチに就き、巨人に初めてID野球を取り入れた橋上秀樹(46)である。--交流戦V 巨人「快進撃の陰に、野村ID野球の申し子」 開幕直後の重量打線野球が、足技を絡めてのスモール・ベースボールに転換--そうです、山本浩二の明かす「秘密」とは、昨年の巨人日本シリーズ優勝を支えた、神(カミ)さんこと橋上秀樹の存在だったのであります。
(教育者論−−実証研究編)
これを理解したうえで、あらためて侍ジャパンの戦いぶりを見直しますと、打線が低調といわれていたわりに、第1ラウンドキューバに3-6で敗れた時と、第2ラウンド台湾に4-3で辛勝した時以外は、コンスタントに得点していたのであります。
これが橋上コーチによる、対戦相手の情報収集能力において、ひごろの国内のチームと違って、情報の少ない外国チーム相手である困難さが影響していたことは、容易に想像がつくのであります。
と言うことで、果たして侍ジャパン、3連覇なるやいなやも、この情報収集いかんにかかっていると言うことだったのであります。
この意味で、明日準決勝の対戦相手となる、本命のアメリカを破ったプエルトリコが鬼門であります。
あわてて情報収集に動いて、分析して選手に説明する。これが間に合うかどうか。
ま、蛇の道は蛇とも申しますので、一気に情報が集まってきて、快勝、に一票。 KAI
コメント